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2023年3月29日 (水)

シルバー・ミューズ号 見学譚

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横浜港 ハンマーヘッドに停泊中のシルバー・ミューズ号(40,700総トン)

いつもクルーズ乗船の際に予約をする旅行会社の案内で、横浜港のハンマーヘッド(新港埠頭)に着岸している”シルバー・ミューズ”号(40,700総トン)の船内見学に夫婦で参加することができた。2023年春に”シルバー・ミューズ”号は、関西発着の「日本周遊と韓国クルーズ」を2回催行するが、その1回目の途中寄港地となる横浜で、乗船客が観光に出かけている間を利用して見学会が行われたのである。国際的なクルーズ船の格付けに於いて、ラグジュアリークラスの中でも最高評価の6+を誇ると云う、ウルトラ・ラグジュアリーである本船のようなクルーズ船をゆっくり見られるチャンスはそう多くはない。我々はこれまで「プレミアムクラス」以下の海外クルーズ船しか乗ったことがないので、最高格付けの船内とはいったい如何なる感じなのか興味津々で横浜に向かった。


横浜港内と云えどもナッソー籍の船内は外国である。当日はパスポートとスマホに準備したワクチン証明書アプリを提示し、シルバーシー社の日本・韓国支配人の糸川氏の案内によって見学者総勢約20名で”シルバー・ミューズ”のギャングウエイを昇った。本船は乗客数が600名弱に対してクルーが400名余と約1.45人のサービスレシオであり、乗客2名にクルー1名以上が目安と云われるラグジュアリー船カテゴリーの中でもトップクラスのサービスを誇る。全長は212.8米で乗客用のデッキが8層に亘るため、外観的には最近のラグジュアリークラス船によく見られるようにトップヘビー気味になっている。因みに5万トン級の飛鳥Ⅱは定員が約700名で、全長が241米と長さは30米も長いが乗客用デッキは同じく8層で、飛鳥Ⅱに較べると”シルバー・ミューズ”はぐっとグラマラスな船の姿である。


それもそのはず、その船型を象徴するように、糸川氏の説明ではシルバーシーのクルーズ船は公室がVERTICALな配置になっているとのことだ。すなわち船内は公室を船首部と船尾部に集中させ、乗客には横に歩くよりエレベーターや階段を利用し上下階に移動する動線を取らせている。飛鳥Ⅱが5/6デッキにパブリックな施設を集中させていたり、最近の大型船が船内あちこちにそれを分散させたりするのとは、この会社の船は設計コンセプトを異にしている。船内にはフレンチ、アジアン、和食(風)など各種料理を提供する8つのレストランがあり、乗客定員に比して飲食スペースが多いのに驚くが、ラグジュアリー船とはこういうものだろうか。特に4デッキのエレベーターホールは周囲を4つのレストランに囲まれてまるで高級飲食店街に来たかと思うほどだ。私ならフレンチに行くつもりで、エレベーターをおりても、ふと醤油の焦げる匂いに誘われて目の前の鉄板焼きレストランに入ってしまいそうだ。朝・昼・夕にこれら8つのレストランを制覇しようとしたら一回のクルーズで体重が増加すること必至である。


”シルバー・ミューズ”は、船幅27米に対して乗客が利用する船内の通路は1本とあって、船内中央に船務用の余分なスペースがなく、両舷に向けて配置されたキャビンは奥行きがあって広々としている。そのため全キャビンにウオークインクローゼットを設ける余裕があり、長旅の衣裳などを格納できて極めて快適であろう。スタンダードなベランダ・スイートでも36平米+バルコニ6平米(すべてにバスタブとシャワースペース付)もあり、飛鳥ⅡのAスイート(37+バルコニ8.5)並みの広さを誇る。もっともこんな広い部屋では、老眼鏡や双眼鏡をどこに置いたのかと始終捜し回らねばならないかもしれない。もちろんこの船では乗船料金はチップ込みでWiFi使い放題、アルコールも飲み放題で全室にバトラーサービスがつく上、各寄港地ではショアエクスカーション一回分がタダだそうだから豪気である。プールも本格的な水泳が楽しめるくらいに立派なのが目立った。今回の「日本周遊と韓国クルーズ」の料金は1泊あたり12万円以上するが、それだけのことはあるようだ。


乗客はと見ると、私達の見学中に船内に残った人たちのほとんどが、いわゆる西欧の英語系白人だったようだ。感心したのが、船内のサービスクルーの笑顔である。乗船客に愛想よくするのは商売上当たり前だろうが、明らかに見学者と一目で分かる我々シニアの日本人団体にも親切に笑顔で接してくれる。金持ちの集団の中にいるとサービスを提供する側も自然とジェントルになるのだろうか、はたまた教育が行き届いているのだろうか。さらに船内にはセルフランドリーもあるというので妻は喜んでいた。ただ残念なのは内装は良いものを使っているであろうに、通路の壁など一部の色が明るすぎて質感に乏しい素材に思えたこと、それにジョギングトラックが鉄板に区画線を引いただけのもので、この点では飛鳥Ⅱの真鍮を使った内装や、デッキを一周全通するチーク材張りプロムナードデッキの秀逸さと対比したくなった。まあ船内でバタバタとジョギングをしたいなら、このような超高級船に乗ることもないということか。日本人の大好きな社交ダンスの場も特にないから、今の我々のクルーズスタイルとはやや趣が違うようだが、将来この船なら気持ちの良い上質なクルーズが楽しめそう。もう少し歳を重ねたら、背伸びして1週間~10日程度のシルバーシー船クルーズに乗ってみようかと思いながら船を後にした。

スタンダードなキャビンもバルコニー付きで広々としている
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大理石調の階段と内装も豪華
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