3月13日からマスク着用が完全に個人の判断に
政府が「推奨」してきたマスクの着用が3月13日から個人の判断になる。これまで何度も書いたように昨年春に武漢株がオミクロン株に変異した頃から、私は戸外でのマスクの着用は止めてきたが、これでいよいよ大っぴらにノーマスクで街を闊歩できると思うと清々しい気分だ。思えば2020年春の武漢ウイルス感染拡大当初から、ジョギング中には断固としてマスクをしなかったため、走っている間に多くのマスク警察の罵声を浴びたものだ。その度に年甲斐もなく「ウルセー!」とやり返して、一緒に走っている妻にたしなめられたが、もうこれもおしまいである。そういえば黙ってジョギングする際中にも呼気のエアロゾルで街行く他人を感染させたり、ウイルスを吸い込む恐れがあるので、走りながらもマスクが必要などと、今では笑いものになるような珍説を吐いた高名な学者がいたが、彼らは最近みな沈黙のようである。
私自身、この1月にオミクロンに感染して今は最強の免疫を保持しているという自負から、3月になってからは一足早く、地下鉄の中でもマスクをするのを止めた。テレワーク主体の毎日なので地下鉄に乗るのはラッシュアワーの時間帯を外れているし、電車はいま窓を開けて車内換気も十分とあって、感染の危険性をほとんど感じない。 と、昨日は朝10時過ぎに取引先に向かう途中にノーマスクで地下鉄に乗ると、対面のシートに母親に連れられて座った2歳くらいの女の子がまじまじと私の顔を見つめてくる。視線を幾度ずらしても彼女と目が合うので、はて?どうしたのかと思ったら、どうやらその子は電車の中でマスクをしていない人がよほど珍しいらしく目が私に釘付けになっているようだ。こちらからにこっと微笑むと慌てて目をそらすが、また私の口許に女の子の視線は戻って来る。そうか、この子は生まれて以来、電車の中でノーマスクの顔を間近に見たことがないのだから、好奇心にかられ見つめてしまうのか、おかしな世に中になったものだと、いつまでも続くその視線を感じながら妙に納得した。改めて車内を観察すると、この時間に都心に向かう地下鉄車両は座席がほぼ埋まる程度の混み具合だったが、車内でノーマスクは私ただ一人。まだまだ同調圧力にみな支配されているのかと日本人の社会病理現象の根強さに驚いていた。
今日の読売新聞は「マスク着脱『個人で判断』」として3人の識者のコメントが掲載されている。鳥取県の平井伸治知事は、マスクを外すことについて「専門家は知らない顔をしているように見える。正直、ちゃんと仕事をした方がいいと言いたくなる」と述べているが、このウイルス騒ぎで(いわゆる)専門家や識者がどれだけ頼りにならないのかが露呈したのに、いまだマスクを外すことの是非まで彼らにすがり、ポピュリズムに陥りがちになる為政者の弱さを見るようだ。公衆衛生学の小坂健 東北大教授は、「むやみに着用を続けるのは、雨が降りそうだからと言って、いつも傘を差しているようなものだ」としながら、「とはいえ、感染が拡大する時期や地域では着用の必要性は高まる」とあって、おいおい結局どっちなんだよとツッコミたくなる内容である。世間学なるものが専門の佐藤直樹 九州工大名誉教授は、同調圧力が強い社会は息苦しく「それには流されない」、マスクをはずす「小さな勇気を一人一人が持つことが大切」と訴えており、私は佐藤氏の意見が最もピンとくる。明日からも小さな勇気を持って電車の中でもマスクをしない事を心掛けていきたい。
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