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2023年1月19日 (木)

JAF Mate の 松任谷正隆 車のある風景

20230119j-jaf-mate

新聞、雑誌、クレジットカード広報誌などには多くのエッセイやコラムが掲載されている。それらの中にあって、2019年2月27日(水)に「松任谷正隆氏のコラム」で触れたように、肩の力を抜いた松任谷正隆氏のさりげない文章がすっきりとしていてとてもよいと思っている。松任谷氏は作曲・編曲家や音楽プロデューサーとして活躍するほか、TVクルマ番組のキャスターも務めるモータージャーナリスでもあり、新聞などにもエッセイを寄せているが、とくにJAFの機関誌である「JAF Mate」に連載される「車のある風景」を楽しく読んでいる。ところが、その「JAF Mate」は(本当は経費削減であろうが)「環境負荷の低減」と「デジタル社会における新しいライフスタイルの創出」とかの理由で、昨年より年10回の配刊が季刊発行となってしまった。で、気が付くと彼の「車のある風景」とも暫くご無沙汰だったのだが、昨日、久しぶりに従来の紙の媒体である「JAF Mate」の2023年冬号が自宅に届いて彼のエッセーを読むことができた。


「車のある風景」を読むといつも感じることがある。松任谷氏はわれわれとはレベルの違う高級車や高性能車を運転する機会があるだろうし、クルマに対する豊富な経験や知識を持ち、貴重なウンチクも多数語ることが出来るだろうが、ここではごくフツーの街のドライバー目線で、クルマ社会独特の文化を平易かつユーモラスに描きだしている。運転しているとさまざま事象に出合うが、彼も似たような経験をしたり感じたりしているのが、彼のエッセイから伝わってきて共感を覚えるのである。今回の冬号で、彼は「クルマはある意味、人間拡大装置なのだ。どんな小さなクルマでも自分を拡大してくれる」として、普段は紳士が、クルマに乗ると病的な乱暴者になることに触れていて、これもハハーん!あるよね、こういうの!と多くの人が共感できる内容になっている。自分の周囲にも学生時代の友人で普段はごく大人しい人間なのだが、ひとたび彼がハンドルを握ると前車に煽るかのごとく接近し、誰が飛び出すかわからない商店街をクラクションを鳴らしながら疾駆するのがいた。


どんなに小さくとも自分を拡大してくれるのがクルマゆえ、「大きな立派にクルマになれば、さらに拡大してくれると思うのは当然」。かくして彼も「僕もその自然な流れに乗って、30歳になるまでは大きな、立派なクルマを目指していた。強いものが路上では楽なはず、と思っていたからだ。しかしクルマがいくら強そうでも、自分は所詮自分。クルマから降りたらもうそれは通用しない」。ところが、ある日奥さん(松任谷由美)が貰った小さな国産車に乗って「なんて気が楽なんだろう、と思ってしまった、どういう気分だったかと言えば、爪先立ちから解放された、といったらいいだろうか。これは目から鱗だった。それ以来、小さなクルマを好むようになった」そうだ。ウンウンその片意地と、それからふと解放された時の感覚ってわかるよね、とこちらもこの辺りで思わず一人呟く。と思っていたら「とはいえ、僕の場合、大きなクルマがあっての小さなクルマ。なんだかんだ言っても、どこか強そうにしたい自分は捨てきれないのである。」とまとめてある。再びこちらも、そうだよね、わかるわかるその気持ち、とまた妙に共感を抱いてしまう。ハンドルを握ると豹変する人格、大きく偉そうなクルマに人気が集まることなど、多くのオーナードライバーが感じるクルマ社会のあれこれを、気取らぬ文章で切り取った「車のある風景」は、この種のエッセーの中で秀逸である。


追記:「車のある風景」はJAF会員でなくともネットのJAF Mate  On line(エッセー)で読めるようだ。

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