飛鳥Ⅱ 2023年 世界一周クルーズ中止 2024年世界一周発表
飛鳥Ⅱ2023年世界一周クルーズの中止が発表された。飛鳥Ⅱを運航する郵船クルーズ社は、感染症対策で「一部寄港地への寄港が困難」「クルーズの円滑な実施」や「期待にこたえる水準でのサービスの提供が極めて困難」なうえ、「目下の不安定な世界情勢」を鑑みて中止の止む無きに至ったとしている。来春のワールドクルーズが中止になるであろうことは、すでに旅行社からだけでなく飛鳥Ⅱ船内でも非公式に聞いていたし、昨今の諸情勢を見れば仕方のないことだとは思うが、この決定でもともと2020年に予定されていたワールドクルーズは、4回連続で催行されないこととなってしまった。私達も早くから2020年世界一周の予約をして料金も支払っていたのだが、中止のたびに発表される次年度のワールドクルーズに料金を振り替えることをこれまで3回経験してきた。今回も例によって中止発表と同時に、新たに2024年のワールドクルーズ(99泊)が発表されたがさてどうするか。
4度目の正直、2024年のワールドクルーズに振り替えるかと新料金表を見て、まずはその高騰ぶりに驚いた。最後に乗船した2018年にはDバルコニーキャビンがフルクルーズ早期全額支払割引で525万円(以下同様の割引料金)で一泊当たり54,700円であったが、中止になった2020年は637万5000円で一泊62,500円と上がっていた。2021~2023年は700万円で一泊当たりは66,000円~68,000円(単価が異なるのは年によって泊数が異なるため)であった。今回発表された料金はフルクルーズが850万円、一泊あたりは一挙に2万円近く上がった85,900円である。早期全額支払い割引でないDバルコニーキャビンの正規料金となると一人1,010万円と発表されたから夫婦でなんと2,000万円超である。その上に燃料サーチャージ(数万円か?)を追加で支払えとのことであまりの負担増に料金表を読む我が目を疑うほどだ。たしかに船舶燃料のC重油は低硫黄のものしか使用できなくなり総じて強気な動向だし、船員費も感染症下で大幅にアップ、世界的なインフレで各地の港費も上昇していることであろう。なにより船が費用として支払うのはドル建てが多いのに、乗船客から受け取る料金は円だから最近の円安で目減りしてしまっていることはよく分かる。しかし2020年から4年も待たされた挙句にこの料金はあんまりじゃないか。
新規発表された2024年の寄港地は一見2022年のそれとよく似ているが、その時の目玉であったアカバ(ヨルダン)がなく、2023年に寄港予定だったミコノスや北欧のフィヨルドにも行かず、もう一度訪問したいと思っていたレイキャビク(アイスランド)にも寄港しない。楽しみなヨーロッパ各国の寄港地数がとても少ないし、その他の地域もこれまで飛鳥Ⅱで訪れた定番の地が多いため、我々にとって旅程はそれほど魅力的に感じられない。飛鳥クルーズではこのクルーズからあと1年経って2025年になれば新造船が出来るし、商船三井客船も2027年に35000トンの新しい客船が就航する。ここまで待たされたのだから、どうせこの高い値段を払うならそれら新造船を待つというのも悪い選択肢ではない気がしてきた。今回、振り替えずにキャンセルして払い戻される料金を使って、念願の欧州リバークルーズに行こうか、外国船に何度も乗船して楽しむか、はたまた10年以上乗っているクルマを高齢者向け安全運転サポート車に乗り換えるか、などと代替案をぼんやり考える週末である。飛鳥Ⅱは「普通のサラリーマンだった人たち」が定年後のご褒美として楽しめる値段でなくなってしまったようだ。
« 年の瀬のふぐ | トップページ | アスカクラブクルーズNEXT乗船とニューイヤークルーズ瀬戸内航路中止 »
「船・船旅」カテゴリの記事
- シルバー・ミューズ号 見学譚(2023.03.29)
- SEABOURN ODYSSEY(シーボーン・オデッセイ)を商船三井が中古買船(2023.03.18)
- M/S"AMADEA" (アマデア)東京港新クルーズターミナル初寄港(2023.03.06)
- 順中逆西 来島海峡の”せいりゅう”事故(2023.02.06)
- 嗚呼!飛鳥Ⅱ2023年オセアニアグランドクルーズ運航中止(2023.01.20)
コメント