東京六大学野球 2022年秋季リーグ戦 慶應義塾大学 対 法政大学 1回戦
金曜日の氷雨も去り、昨日は秋のスポーツ日和とあって恒例の東京六大学野球、秋のリーグ戦、法政大学-慶應大学の1回戦観戦に神宮球場に赴いた。ここ2年半実施されてきたほとんど意味がない感染症対策が緩和され、ようやくこの秋のリーグ戦から外野席も一般開放、内野席は応援団、チアガールやブラスバンドとともに学生やファンが応援席で応援出来るようになった。しかし応援団やチア、バンドは同じ応援席と云っても中段通路から前(グランド側)、学生やファンは通路より上のスタンドとセパレートされている。そのうえ応援団以外は大声を出すなとの規制で、グランドと応援席が一体で盛り上げる六大学野球も、面白さとしてはかつての7割ほどという感じだ。入場するには相変わらず球場入口の検温に加え、感染者が出た場合の濃厚接触者追跡のためとかで、座る予定の場所(一塁側、三塁側、ネット裏などきわめて大雑把な場所)と名前・連絡先を用紙に記入することが求められるが、場内すべて自由席で試合中もみな勝手に移動しているから、用紙記入の実効性はほとんどないと云えよう。ここにいるのは東京を代表する最高学府の関係者たちなのだから、もう「感染症に注意してますゴッコ」の非科学的な措置を止め、場内のマスク着用も自由にしたらどうかと言いたい。
さて、これまで何十年もリーグ戦を見てきたことからすると、慶應大学 対 明治大学戦はもつれにもつれるが、反対に慶應 対 法政戦は勝つも負けるもすっきりした試合が多かったという印象がある。この試合も予想通り完全な投手戦となり、両軍ともしまった内容でゲームは坦々と進行した。慶應のドラフト候補、4年生ピッチャー増居君(彦根東)はこの4年間で最高かと思えるピッチングを展開すれば、法政の尾崎君(3年滋賀学園)も6回一死まで慶應打線を無安打に抑える力投を見せてくれる。むろん心の中では母校慶應を応援をするも、敵ながら尾崎君の素晴らしいピッチングも目を見張らせるものがあり、どちらも負けるなと言いたくなるような内容である。ようやく6回、尾崎君の微妙なコントロールミスにつけこんだ慶應打線が粘り、押し出しとスクイズバントで2点を挙げ、8回にはこれまたドラフト候補の慶應4番の萩尾君(文徳)が左翼席にダメ押し2点本塁打を放って、最後は5対0ですっきりと慶應の快勝に終わった。増居君はリーグ戦初完投、初完封で、タレント揃いの法政打線を2安打1四球に抑えた快投乱麻のピッチングであった。きっとネット裏に陣取るプロ野球のスカウト陣も増居君と萩尾君の評価を上げたことであろう。
慶法戦のもう一つの楽しみが法政大学の応援風景である。今や高校野球の応援スタンドでも有名になったチャンスパターン「チャンス法政」だが、元祖たる法政大学応援団のキレキレの演舞は高校生のそれとは一味も二味も違う。「チャンス法政」は法政大学の攻撃時に得点機が来ると歌われるもので、学ランと(かつてほど極端ではないが)ボンタンに身を包んだ応援部員による「チャンス法政」のパフォーマンスが始まると、相手側は「もういかん、打たれるのでは」という気になってしまう。昨日の試合では「チャンス法政」は聞きたし、このまま増居君の好投が続き、これをなるべく聞かないで済ませても欲しいとの背反した気持ちが沸き起こってきた。結果は「チャンス法政」の場面が6回に一回あっただけで、そのピンチも慶應がよく凌ぎ、まあメデタシというところだった。六大学各校の応援団(学校によっては応援部、応援指導部)は、最近はチア部門も華やか、女性の旗手やリーダーも時々おり、時代の変化をよく取り入れているようだ。しかし学ラン姿の応援団員のよく訓練された動作、指の先まで神経を張り巡らせたような演舞、そのアナクロニズム的所作を見るのも六大学野球観戦の醍醐味だと云える。応援席もマスク越しでなく、応援団と一緒に肩を組みながら、校歌や応援歌、チャンスパターンなどを大声で発することが出来るように早くなってほしいものだ。
「チャンス法政」演ずる法政大学応援団リーダーの芸術的ともいえる応援姿 中段より下は応援団だけ、学生や一般は通路より上とまだ分かれている
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