膀胱がん+前立腺がん治療記 (続編)
今年2月11日に手術のその後をアップしてから半年、昨日は定期的な経過観察で病院へ行った。膀胱がん手術からちょうど4年、前立腺摘出手術から2年になる。最近は日中の小用の間隔もだんだん長くなって若い頃に近くなってきたし、夜中に尿意で目が覚めてトイレに行くこともほとんどなくなった。前立腺手術後にほとんどの人で起きると云われる尿漏れも徐々に改善しており、一番少量用の10CCか20CC吸収の尿漏れパッドを一日に一度替えれば日常生活に問題はない。この尿漏れパッドはブリーフかボクサータイプの下着に装着して下さい、と注意書きにあるのだが、夏はこれらの下着は体にピッタリしすぎて股間が蒸れてたまらない。という事で永年馴染んだトランクスにパッドを付けるのだが、体と下着の間に少々の空間ができても、尿漏れで困るようなこともなくなった。
このような状況なので、手術した箇所にまず問題はなかろうと内心で思うも、病院の予約日が近づくと「もしや、なにか?」という僅かな心配なしとは言えない。そんな時は「自分の手の及ばない事を心配するな、心配することのほとんどは起こらない」というフレーズを唱え、その場その時に出来ることに集中しようと試みる。とは云うものの検査前のこの2~3日、もしまた何か悪い所見が見つかったら今月末の旅行の予定も変更しなければ、などと無駄な想像力がはたらいてしまう。膀胱がんについては、自覚症状が一切ないのに人間ドックでいきなり見つかって「ウソだろ?」と驚愕した経緯があるので、いささか重い足を引きずりつつ昨日は病院に向かった。
今回の定期観察は、採血・採尿・CT・膀胱内視鏡検査と医師の診察がその内容である。採血は前立腺を摘出した後もガンが残っていないかPSA値を見るほか、腎臓その他身体全体のチェック、尿は潜血反応や異常値がないかのチェックである。CTは尿道・尿管に膀胱がんが転移していないか確認のためにするそうだ。膀胱内視鏡は、先日これを初めて経験した親戚に「大したことなかっただろ」と言ったら、「とんでもない!気が遠くなるくらい痛かった、あんなものは二度と御免です」と答えが返ってきた。麻酔をかけず尿道に内視鏡を挿入するのは「痛い」というより「怖い」ため、彼は緊張して痛さを感じたのであろう。これも慣れてくると痛みはそれほどでもないし、同じ主治医で何度も経験するとすっかり慣れてどうということはなくなった。
子供の頃、血を見たり体の病変や痛みの事になるとあれほど臆病だった自分も、(あまり経験したくはなかったが)随分と変わるものである。半日がかりの検査が終わり判明した各検査数値やCT画像はすべて問題なし、内視鏡で見た膀胱内部も「きれいです」との主治医の言葉で一安心。次の経過観察は半年後となり、家路をたどる足も往路とは打って変わって軽やかである。以前にも書いたがこの検査が終わると、なんだか学校で期末試験が無事終了したような気持ちになるのだ。ただ老境に入るということは、こういう体の不具合と折り合いをつけながら生きるということでもあるのだろう。やはり「一寸先は闇」と思うより「何かあったらその時」と考えて楽しく生きた方が良いと思いつつ、不安も消え去り元気を取り戻して家のドアを開けたのだった。とは云えまた来年の検査日が近くなると余計な想像力が働くんじゃない?と傍らで妻は笑っている。
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