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2022年8月 4日 (木)

京成AE形電車(2代目)スカイライナー

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2代目AE形の落ち着いた車内意匠

武漢ウイルスの感染騒ぎ以来、テレワークの日が増え自宅で過ごす時間が多くなった。テレワークという働き方になると誰の目も意識しなくて済むから、仕事の暇な週日の午後のひと時、首都圏の鉄道で「乗りテツ」を楽しんでいるのは何度もアップしたとおりである。この1年半に相鉄新横浜線、東武伊勢崎線の久喜方面、西武新宿線の川越方面、つくばエクスプレスなどこれまで馴染みなかった駅に行ったり新規開業路線に一人乗ったりでプチ遠出を楽しんできた。この次は2010年に開業した京成の成田スカイアクセス線(成田空港線)でも乗りに行こうかと考えていたら、エアバスA380によるANAのチャーターフライトの機会が来たので、妻と二人で成田空港まで2代目AE車(3代目のスカイライナー車両)で行くことにした。


成田空港アクセスという点で振り返ってみれば、1978年に成田空港が開港した当初から、京成のスカイライナーは運転されていたが当時は多くの人々が都内・箱崎のシティエアターミナルからリムジンバスを利用していた。1991年になり成田駅から空港ターミナルビルに連絡する線路が出来て、JRの成田エクスプレスが運転を始めたものの、スカイライナー共々どちらも都心から空港まで一時間ほどかかり「成田は遠い」という印象を皆が持っていたと思う。このような状況を打ち破るべく2010年に成田空港へ向かう京成の新線が開通し、これを利用して新幹線以外で最速の160キロの速度で日暮里から成田空港第2ターミナルを36分で結ぶ2代目AE形(スカイライナー3代目)が運転を開始した。


地図を見ると、千葉方面に向かう京成電鉄は東京からまず西南方向に向かって東京湾岸近くを走り、途中の津田沼から分岐した線路が千葉県内部の成田に向かっている。1912年(大正元年)に都内・押上と千葉県・市川間で開業した京成は、県都であり人口が稠密な千葉に向かってまず建設を進めたため、東京と社名の由来でもある成田は最短距離で結ばれなかった。津田沼から成田に向かう現在の本線が開通したのは、ようやく1930年(昭和5年)になってからである。このカーブの多い線路に加え緩行列車の退避待ちなど、かつてのスカイライナーは様々な苦労を克服して走っていたものだ。これに対して空港新線は、都内から空港方面に真っすぐ西方に線路が敷かれ、上野ー成田空港間の距離が約5キロ以上短くなった上、1435ミリの標準軌軌道も強化され、新型AE形2代目の投入で到達時間の大幅アップが可能になったのである。


京成上野駅または日暮里駅から、ほぼ20分おきに発車するスカイライナーの料金は、2470円で成田エクスプレスよりり500円以上安い。ウイルスの第7派の蔓延とかでこの日は乗客もまばらだったが、青と白を基調にした清潔感あふれるアコモデーションは適度な暗さの間接照明にマッチして落ち着いた雰囲気である。スーツケース置き場が乗降口近くに設置されているのが空港アクセス列車らしいが、そのほか車内あちこちに防犯カメラが設置されているのがいかにも最近の列車らしい感じである。高砂駅で京成本線と別れ、北総台地を160キロで突っ走る空港新線の高速運転を堪能する間もなく、列車は印旛沼の畔に出てあっけなく成田空港に到着した。かつて皆が持っていた「成田は遠い」という既成概念をぶち壊してくれそうな成田空港線の3代目スカイライナーであった。国際線搭乗の際は、我が家からだと距離的には羽田空港の方が圧倒的に近いが、モノレールの乗り換えや京急線の混雑ぶりを考えると、この列車で成田へ行く方がむしろ楽かと思わせる便利な新空港アクセスであった。

印旛沼近く北総台地を160キロで疾駆するスカイライナー
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