久しぶりのNゲージ鉄道模型
この週末は三連休であった。最近は仕事もテレワークが主で数時間あれば終わる程度の量になり、労働日と休日の区別があまりつかなくなった。とはいえ休日は業務用の携帯電話を持ち歩く必要もないし、会社のメールを開く必要もないのは気が楽でよい。ゆっくりとピアノを弾いたり皇居にジョギングに行ったり、日曜日は特にクルマの少ない都心の道で愛車のドライブを楽しむこともある。今やどのメーカーからもあまり売られなくなったストレート6(直列6気筒)エンジンだが、我がBMWのツインターボ付き”シルキーサウンド”はこのところすこぶる快調である。最近はこれら休日の楽しみに、むかし買い集めたNゲージ鉄道模型が加わった。小学生の甥が遊びに来ることになり、「どれ、ひとつ見せてやるか」と長い間段ボールに保管され、クローゼットの肥やしになっていたのをウン十年ぶりに取り出したのがきっかけだった。
とは言え長い間全く動かしていなかった装置一式である。コントローラーが大丈夫か、列車の集電装置やモーターは生きているのか、ポイントマシンの電磁石はまだ機能してくれるのだろうかと当初は心配であった。再開にあたりまずは直線レールだけを取り合えず敷き、EF60型機関車を載せておそるおそるコントローラーのツマミをひねってみたところ、果たしてヘッドライトを点灯させ青い機関車はじわじわと動き始めてくれた。部屋の装飾品として鉄道模型を陳列していたことはあったが、車両たちが久々に走る姿を見ると感慨もひとしおである。「よしこれならいける」とかつて集めた車両を次々と箱から取り出して線路に載せると、どれも一瞬 「え?久々にお呼び?」とばかり始めはやや躊躇するような挙動を見せるが、構わず電圧をあげるとモーター音も軽やかに線路上を走行し始める。どの車両もまるでレールの上を疾走するのが嬉しいかのようだ。
こうなると病膏肓、直線のみならず曲線を織り交ぜて次々とレールを繋ぎ、一周6メートルほどのループ線のほか何本かの引き込み線を展開することにした。久々の通電とあって繋いだレールも最初はうまく電気が流れない箇所があったが、ジョイント部分の角度を微調整したり、線路に細かい紙ヤスリをかけたりするうちに列車の走行が次第にスムーズになってくる。最初はややぎこちなかったポイントマシンも何度か動かしているうちにすっかり調子を取り戻し、本線と側線を走る列車をうまく捌いてくれるようになってくるのが嬉しい。試行錯誤しつつ線路を繋いでは調整したり、別の編成を走らせたりしていると童心に帰りあっと言う間に時間が過ぎていく。
甥に模型を見せたあと一旦レイアウトを片付けたが、こうして線路を敷いて都度片づけるだけでは「子供の遊び」で終わってしまう。ということで、かつて幾度も構想を練りながら実現には至らなかった「ジオラマ」作りに挑戦してみようかという気持ちが湧いてきた。ただスペースに限りのあるマンション住まいゆえ、本格的な情景を作成するのはとても無理である。取り合えず折り畳み収容可能な1メートル四方の板の上に「鉄道のある風景」を実現してみるか、作業場はベランダにするかなどと具体的なイメージを脳内夢想することにした。イメージは昭和30年代、麦わら帽子の少年が虫取り網を持って川のほとりの田舎道を歩く先には踏切があるという設定などがよい。沿線の看板は「菅公の学生服」とか「金鳥の蚊取り線香」にするかなどと細かい情景が膨んでくる。幸いなことに凝り性の妻は、車内灯のない車両の点灯化や、メーカーによって違うカプラー(連結器)の互換化に執念を燃やし始め、なんと先日は一人で鉄道模型ショップに出掛けて行った。どうやら彼女の反対もなさそうだ。
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