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2022年6月 9日 (木)

続・陸と海と空 にっぽん丸の「門司発着 海の京都 舞鶴と佐渡島プレミアムクルーズ」その4(寄港地編 関門・天橋立)

20220609
日本製鉄九州製鉄所

先に書いたとおり今回このクルーズを選んだ理由の一つが航路や寄港地が魅力的だった事である。まずは関門海峡である。カボタージュ目的で釜山や済州島に寄港するクルーズ船は、関門海峡を夜間に通行する事が多いが、門司港発着のこのクルーズなら昼の北九州の眺めを船上からゆっくりと堪能できる。小倉・八幡・戸畑の工業地帯に拡がる製鉄所の高炉群、彦島の精錬所の煙突や白島石油備蓄基地の遠影、洞海湾に見えるかつての「東洋一」の若戸大橋など屈曲する関門航路の右舷・左舷につぎつぎに展開する情景は、さながら日本の近代工業化をたどる社会科見学のようで飽きることがない。六連(むつれ)島を最後に見れば、大東亜戦後この検疫錨地が大陸からの引き揚げ船で忙しかった現代史に思いが至る。


翌朝、目が覚めると船は舞鶴湾であった。終戦後に66万人の引き揚げ者が帰国の一歩を踏み出した港である。周囲に山が迫り航路が曲がっている湾内の光景は横須賀港や佐世保港に似ており、ここにかつて帝国海軍鎮守府が置かれた理由も海から来てみるとよく判る。今までも幾度か書いてきたが、クルーズ船で海から訪問すると陸の旅からでは感じることができない、そこに町や港が存在する必然性が体感できるというものだ。ここ舞鶴からは観光バスに揺られて約1時間、日本三景の一つ、天橋立へのオプショナルツアーに参加することにした。松島や安芸の宮島はすでに何度か訪問したので、これでやっと日本三景を制覇できたと思うとちょっと嬉しい気分がする。


天橋立というのは天然の砂州だそうで、ケーブルカーで登った傘松公園からはまずはお約束の「また覗き」を楽しんだ。見ると公園の眼下には橋立観光の遊覧船が走っているのどかな情景が拡がり、砂州の南側には小さな廻旋橋があって、外海につながる宮津湾と橋立内の水域(阿蘇海)を小さな船舶が往来できるようになっていた。阿蘇海の奥には日本冶金の大江山製造所があって、工場の傍らにニューカレドニアやフィリピンから運ばれて来た大量のニッケル鉱石が野積みされているのが傘松山から遠望できる。輸入されたニッケル鉱石は宮津湾で大型のバラ積み本船から何隻かのバージに積み替えられ、廻旋橋を利用して工場の傍の鉱石荷揚げ場までシャトル輸送で運ばれているようだ。


日本でニッケル鉱石を大量に輸入する港は八戸(青森)、日向(宮崎)と宮津の三港のみで、現役時代は八戸や日向の仕事に深く関わってきたものの、ここ宮津に関連する仕事にはまったく縁がなかった。なので持参の望遠鏡は天橋立の松林よりバージの荷揚げ場や鉱石の置き場ばかりに焦点が合ってしまい、まだ仕事の余韻が抜けていないのかと我ながら苦笑。大江山はかつてニッケル含有分が多い鉱石が採れたそうだが、原料を海外に頼る時代になっても天橋立の奥に主力工場があるのはちょっと不思議だ。さて、ツアーのにっぽん丸への帰路は京都丹後鉄道(旧国鉄宮津線)の「天橋立駅」から「西舞鶴駅」まで一両の気動車に揺られる旅であった。途中の由良川にかかる橋梁は水面上3米を走る列車が”バエル”そうで鉄道ファンでなくとも人気のスポットらしく、40分余りの鉄路の内この部分だけを乗る人たちも多かった。こうしてみるとクルーズ船の旅はまことにシニアの社会科見学の場だと思うのである。


天橋立の股のぞき
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京都丹後鉄道・人気の由良川橋梁
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