「カムカムエヴリバディ」の英語
NHK朝の「カムカムエヴリバディ」に毎朝チャンネルを合わせている。朝の連続ドラマをきちんと見るのは2020年前期の古関裕而氏を描いた「エール」以来だ。「カムカム」はストーリ展開がテンポが良いうえ、出演する役者の持ち味を活かした演技が見ものである。画面を見つつ出演者の演技に思わず拍手を送ったり涙をもらったりで、「いや、プロの役者というのはやはり凄いな」といつも感じている。ただこの種のドラマで気になるのが、英語を喋る際の役者のセリフ。日本語の場面ではあれだけ間合いを決めたり、わざと言い淀む、あるいは言葉に詰まった喋り方で情感を繰り出す彼らが、英語になると長い言い回しでも余りにもすらすらと一気に喋ってしまうのがなんとも不自然である。
海外はアメリカしか住んだことがない私がしゃべる英語を聞いた妻は「あなたはYou Know派なのね」と笑うが、高校は英国の現地校を卒業した彼女にとっては"You Know"は米語であり英国ではあまり使われないフレーズだと言う。このアメリカ人が頻発する"You Know"の他にも"Well"や”"Umm" "Lets see" "I see"などと繋ぎのフレーズなどでちょとした「間」を取りつつ、次に何と言うか頭の中でつらつら考えつつ喋るのが我々の英会話の実際である。よって相当の英語の達人やネイティブの役者でもない限り、長い文章を喋る際に相当の「間」やらかなりの間投詞が入ってくるはずである。劇中、日本語では実に上手に演技をする役者たちが、英語のセリフとなると書かれた文章をよどみなく読み上げる調子になってしまうのは、まことに日本人らしくなくリアリティに欠けて聞こえる。
と偉そうなことを書いてみたものの、最近は英語を聞くのにめっきり耳が悪くなったことを痛切に感じる。一昨日はカムカム冒頭の"Ten yeays has passed"というナレーションを、"Can you hear that?"と言ったのか妻に尋ねると、「全然違う、あなた耳は大丈夫?」と呆れられてしまった。最近受けた健康診断の聴力検査は「異常なし」なのでこれは機能的な問題ではないらしい。仕事から離れ身近に英語を使った会話をする必要がなくなった事と、真面目に英語を聞こうという意欲が欠落してきたがことがこの聴き取り力の減退になったに違いないと自己分析をしている。対策として、かつてよくやった新作DVDを買い英語字幕モードで繰り返し見ることをまたやってみようかと思っている。
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