第98回箱根駅伝 学生連合・田島君
学生連合7区田島君(慶應義塾)から8区大野陽人君(大東文化大)へタスキリレー(テレビ中継より)
新年は箱根駅伝観戦からスタートである。今年も慶應競走部から関東学生連合チームの7区(小田原ー平塚間21.3キロ)に1年生の田島公太郎君(九州学院)が出るので、朝はしっかり起きてテレビの前に座る。最近は母校から学生連合チームに毎年選出されるのだが、武漢ウイルス禍で「沿道での応援観戦はお控えください」「OB・OG・同窓会組織など卒業生の方や、選手のご家族の沿道での応援や観戦もご遠慮ください。」との主催者の通達で仕方なく自宅での応援である。学生連合チームでも誰かが走れば、ポイント、ポイントにノボリを立ててOBが集合し、沿線の三田会(慶應OB会)の応援もあって、にぎにぎしく新年を迎えられるが、昨年に続いてのテレビでの応援とは何とも残念なところだ。年末の東京ドームでの年越しイベントは、満員の観客で盛り上がっている様子がテレビ中継されていたのに、屋外の応援が感染に何の影響があろうかと思うが、これも「皆で感染防止ゴッコ」の世相なので止む無しか。
母校の箱根駅伝プロジェクトが始まって4年経過した。最近は、田島君のように全国高校駅伝に出場した実績ある選手もボチボチ入学するし、受験高から国立を目指していたような有望な選手も慶應を受験してくれるようになった。5000米や10000米の記録は大幅に向上し、少し前なら予選会を突破できるレベルにあるのだが、学校ぐるみで資金を投入し有望選手をスポーツ推薦で勧誘したりケニア人助っ人を擁する学校にはまだまだ敵わないのが実情。母校にはA/O入試の制度もあるが、これはスポーツ推薦ではなく競技の実績が必ずしも反映されるわけでない。甲子園で活躍した超高校級の中京大中京・高橋投手が慶應のA/Oで不合格になり、中日ドラゴンズにドラフト1位指名で入団したのは記憶に新しいところだ。野球部や蹴球部(ラグビー)のように慶應高校から強化することも試みているそうだが、ルーツ校として箱根駅伝100周年に当たる2年後の出場にはなんとか間に合わせて欲しいものだ。
箱根山中の中継を見ているうちに、50年近く前の1月3日は箱根・芦の湯の宿舎で朝5時に起床したことを思い出した。通るクルマもない夜明け前の真っ暗な山の中、街路灯に照らされた箱根で付き添いのマネージャーと朝のジョッグをした場面が蘇る。高校時代はインターハイどころか関東大会にも出られなかったし、学内でもBチームだった自分が前日のエントリー変更で急遽、箱根駅伝の山下りを走ることになり、当日は心の準備もなく初めての全国規模の大会出場で、国道1号線を上気して駆け下りたものだった。今の選手達の記録とは雲泥の差だし、練習の質も生活態度も彼らの足元にも到底及ばない自分には偉そうなことは云えない。ただ毎年箱根駅伝のテレビ中継を見るたびに、これまで走った延べ1万数千人にのぼる選手の一隅を自分の名前が穢し、ますます隆盛を極めるレースに参加できたことの僥倖を噛みしめるのみである。今からみればまことに牧歌的な幸せな時代だったし、チャンスを貰った母校にはただ感謝しかない。この経験を後輩たちにも味わって欲しいと念じ、OB会費とともに僅かながら體育會強化資金や慶應義塾維持会の支払いを続けつつ、TwitterなどSNSによる競走部からの発信に一喜一憂するのである。
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