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2022年1月

2022年1月27日 (木)

沖縄漁船「第二十八克丸」の遭難救助

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火災を起こした漁船の救命いかだを収容するMOONLIGHT DOLPHIN号(ネットの動画ニュースより)

1月21日朝、沖縄から南東740キロ(400マイル)付近の太平洋上で、那覇のマグロはえ縄漁船「第二十八克丸」が火災をおこし、日本人の男性船長とインドネシア人乗組員7名、計8名が船体を放棄して救命いかだに乗り移るとの通報が海上保安庁にあった。報道によると同船の機関長はなぜか陸上にいたとされるから、何が火災の原因なのかは今後の調査によるが、事故当時はインドネシア人だけで機関を操機していたに違いない。実質的に東南アジアなどからの出稼ぎ船員で日本の漁船が操業している実態に改めて驚かされるが、漂流していた8名は、保安庁の要請を受け付近を航行中だった日本船籍の貨物船「MOONLIGHT DOLPHIN」に全員救助され、まずは不幸中の幸いで良かったと云えよう。


救助に向かった「MOONLIGHT DOLPHIN」号は17万6000重量トン、長さ300米近くあるケープサイズと云われる大型の鉄鉱石専用船である。本船は日本郵船の運航で神戸製鋼の加古川製鉄所で鉄鉱石を揚げた後、次の積み地である西豪州のダンピア(Dampier)港に空船(バラスト状態)で向かっていたようだ。テレビのニュース映像では、救助された救命いかだが本船のデッキに引き上げられる様子が映し出されていたが、「MOONLIGHT DOLPHIN号」の船底からデッキまでの高さは24米もあり、バラスト水だけを積み込んだ状態での本船の乾舷(海面からデッキまでの高さ)も約20米ある。荒れる冬の北太平洋上で、高いデッキから縄梯子を伝って海面の人命やいかだを救出した同号のクルーも大変な苦労であったことだろう。


私は新入社員当時、まず配属されたのが製鉄原料部で、ダンピアとか加古川という港名を毎日頭に刻んでいたし、人命救助にまつわる様々なトラブルにも遭遇したのでこの事故も他人事とは思えない。まずはこの救助行為に関わる本船の離路(Deviation)で発生した時間や、燃料のロスを船の船主が負担するのか、用船者(運航者)である日本郵船が負担するのかの問題が生じる。例えば四国の船主などが船の所有者で、日本郵船などが運航者になる場合には、Deviationの時間や費用分担で揉めることがよくある。調べてみると「MOONLIGHT DOLPHIN」号は船籍が東京都である日本籍の船で、日本郵船が実質的に保有しかつ運航している船舶なので、今回の救助のための離路にはまず問題が起きないであろうことが分かった。


一般的には、船主と運航者が交わす用船契約(Timecharter Party)の標準約款(NYPE)には遭難船舶を救助する事に関して次のような条項がある。"The vessel shall have the liberty to sail with or without pilots, to tow and be towed, to assist vessels in distress, and to deviate for the purpose of saving life and property."。日本訳にすれば「本船は、水先人を乗船させ又は乗船させずに航行すること、遭難船舶を救援すること、及び人名並びに財産を救助する目的で離路することができる」となる。しかし問題はこの遭難救助に関わった時間や燃料油代が誰の負担になるかは明記されておらず、しばしばTimecharter Partyの追加条項として「その時間や費用はすべて船主持ち」または「船主と用船者(=運航者)が折半する」などとする特約が交わされる。遭難船の救助は人道的立場やSeamanshipの証として当然の行為ではあるものの、世界の海域には難民を多数乗せ遭難船を装い偽のSOSを発信している船もいる。そのような偽の遭難船を助け間違って難民を収容した船は、予定の寄港地で入港を拒否されるなど想定外の事態も起こるなど、SOSを発した船舶の救助も注意が必要となる。


対荷主との関係ではどうであろうか。今回のケースは積み荷がなく空船で西豪州の積み地へ回航中で、鉄鉱石などのバラ積み輸送契約の場合には積み地の到着日に制限があり、例え海難救助と云えども約定の日までに本船が到着しない場合には、荷主には輸送契約をキャンセルする権利が認められている。また船会社(船主及び運航者)は積み荷の遅延に関する商業リスクを求償されることも想定しなければならない。たとえば積み荷のコンテナにクリスマス用商品を積んでいたコンテナ船が、人命救助の為に3日間揚げ地の到着が遅れ、その結果荷主がクリスマス商戦に間に合わずに大きな損害を蒙った場合に、荷主は船主や運航者に求償できるかという問題が発生する。船積みに際して荷主に発行するB/L(船荷証券)には、国際条約のヘーグルールによって「相当の理由ある離路は運送契約の違反と見做さず」と記されており、救助の為の離路が認められているものの、ヘーグルールを批准していない国もあって紛議を呼ぶこともある。このように人名救助という美名の名の下には様々な議論があるのが現実である。ニュースを見ただけで昔の経験からいろいろなことが脳裏に浮かんでしまい、さまざま事件の度に事態の収拾に法務専門家や弁護士と奔走した若き日々を懐かしく思い出す。


東播磨から西豪DAMPIERに向かう「MOONLIGHT DOLPHIN」号の予定航路
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2022年1月19日 (水)

海上コンテナの逼迫

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ONE のコンテナ船(東京港大井ふ頭)

アメリカのSNS画面にはいま"Bare shelves Biden"なるハッシュタグがよく出てくるらしい。バイデンのからっぽの棚とでも云おうか。武漢ウイルス禍による流通経路の乱れで食料品を中心にスーパーの棚から商品が消えた状態を指す言葉で、バイデン政権の無策を表現しているとのことだ。アフガン撤退の混乱に始まりインフレの過熱、地球温暖化対策の思いつき愚策など、与党である民主党支持者からもバイデン政権の施策が呆れられ、予想通り政権はヨレヨレの状態になっており、この秋の中間選挙が危ういと云われている。まるでルーピーと云われた鳩山首相の民主党政権を見ているようだとする我が国の識者もいる。それはさておき、政権攻撃のキーワードが物流混乱に由来するというのもいかにもウイルス禍の世相を物語っている。


我が国でもマクドナルドのフライドポテトが輸入困難でL・Mサイズの販売を一時休止しているほか、サントリーがコンテナ不足により一部の輸入ワインの販売を取り止めるなど、物流の混乱が生活に影響を与えている。輸送用コンテナが足りないためにコンテナ貨物の海上運賃は高騰し、今期(2022年3月期)は日本の船会社3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)でつくるコンテナ船運航会社Ocean Network Express社(ONE)の利益は1兆円をはるかに超えるというから驚きである。リーマンショック前の海運バブル時代には、大学を出たばかりの船会社の新入社員ボーナスが父親のそれを軽く超えたとか、不況慣れでボーナスの最低金額の取り決めは労使間にあるものの上限の設定がなく、慣行に従うとあまりの額の多さに慌てて会社が組合に協議を申し入れたなどという話を聞いたが、いまの後輩たちはそれを遥かに超える市況高騰を享受しているはずだ。一体いくら彼らはボーナスを貰えるのだろうか羨ましい限りだ


この国際コンテナ輸送の混乱はいつまで続くのか、海事プレス誌1月13日号にONEのニクソンCEOのインタビュー記事が掲載されていた。それによると現在の輸送需要は通常時を100とすれば103~105だが、問題はサービスを提供する側にあるとのコメントである。特にアメリカ側の混乱が大きく、ウイルス禍により労働者不足の港湾・鉄道・倉庫・配送センターなどでコンテナが滞留し、太平洋岸の基幹港ロサンジェルス・ロングビーチ港では100隻近い船が滞船しているそうだ。さまざまな対策を講じているものの、2022年度に完全に正常化することはないだろうとのこと。また今年は米国では最強のILWU ( INTERNATIONAL LONGSHORE AND WAREHOUSE UNION = 港湾荷役労働者 )の労使交渉があり米国港の生産性が低下する恐れもあるとされる。今後は運賃競争よりもしっかりスペース(コンテナ)を供給し、鉄道や内陸輸送を含めて安定的なサービスを提供できるのかが期待されると彼は述べている。まあこの時期が過ぎれば需要を当て込んだ新造船の供給過多によってまた過剰船腹で悩む、という歴史を繰り返すのだろうから今はしっかりと稼いだらよろし、とニュースを見ながら一人呟く。

2022年1月17日 (月)

新しい掃除機

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右が旧機日立製、左が新しい東芝製。重さが倍近く違う

家のリフォームを期に掃除機を買い替えることにした。今使っているものも調子が悪い訳ではないが、妻によると2008年製の機種は最新のものと比べるとかなり重たく、掃除機をかけるのがつい億劫になってしまうらしい。男性がクルマを買い替えるのと同じ心境で女性は掃除機を買い替えるようだ。まだ前のも使えるのにと思うも、家がきれいになるのも悪くないので妻の言うまま従うことに。大体のものはオンラインショッピングで済ませてしまう妻も、今回の買い替えに際してはかなり時間をかけて吟味しており、このあたりも愛車の買い替えに似ている。彼女はまずは家電量販店でいろいろなメーカーのカタログを入手して検討を開始した。揃ったカタログによると掃除機は中国製や韓国製がほとんどないのが良い。


以前は掃除機と言えばコード付きのキャニスター型(いわゆる昔からあるタイプ)だけだったが、近ごろは様々なタイプに細分化しており、カタログを読んでもそれぞれの長所と短所がわからない。最近は掃除機の性能を示すのに「吸込仕事率」という表示があって、数字が大きいほど沢山吸い込みそうだが、この数値のバラつきが機種によって大きくてこれも「よく意味がわからない」と妻はブツブツ言っている。「吸込仕事率」とはクルマのエンジン馬力のようなものだろうか。ならば、と再度量販店に赴き売り場の係の人に詳しく教えてもらうことにしたようだ。


そもそも最近の掃除機は下記のように分類されるらしい。妻は値段は高めでもコードレスの身軽さに魅力を感じてはいたが、聞くと充電式の宿命でフルに充電しても経年劣化で段々元気がなくなると店員は言ったそうだ。そのため数年で電池自体の交換が必要となり、都度1万円以上の交換費用がかかる。コード式の場合はその心配は無用なので、まずはコードレスは除外である。疑問だった紙パック式とサイクロン式の違いを訪ねたところ、紙パックはパック内にたまったゴミをそれごと簡単に捨てられるのに対し、サイクロンは掃除機の容器に貯まったゴミを捨てるので手がほこりで多少汚れることもあるとのこと。謎だった吸込仕事率はサイクロンであればこまめにゴミを捨てるため高い数値は必要にならないが、紙パックの場合はゴミが沢山たまった状態でも吸う能力を維持するために高い数値が設定されているとのことで、「なるほどね~」と感心して帰って来た。


説明を受けて再度カタログを確認し、キャニスター型のサイクロン式のうちターゲットは日立製と東芝製のいずれか、「ゴミを照らすランプ」が付いているものに拘りそれぞれ2機種まで絞り込んだ。今使っている古い機種は日立なので使い勝手に馴染みのある日立に傾いたそうだが「最後にもう一度実機を見に行ってから決める」と三度目の量販店に妻は赴いた。「行ってみないとわからなかった、カタログ値以上に本体サイズに差があって、しかもヘッド(吸い込む部分)の幅がかなり違った」と云うことで一転、東芝製のサイクロン「VC-SG920X」を購入する運びとなった。掃除機など電球と同じでどれも一緒だろうと思っていたが、三度も量販店に通う妻のエネルギーに目を見張りつつ、私は厳かに「色は赤の方が好みだが、この家にはサテンゴールドの方が似合うな」と少しは興味のあるフリをして最終決定となった。

後日談:VC-SG920Xの型落ちなら同じ機能で1万円ぐらい安くネットで売られていたため最終的にはVC-SG910Xにした。

参考:掃除機のタイプ
コードレス(スティック型・充電池使用)
コード式(キャニスター型)━━━┳紙パック式
                    ┗サイクロン式

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最終選考の左が日立製、右が東芝製 がんばれ日本の家電メーカー

2022年1月14日 (金)

新金貨物線の旅客化構想

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新金線・新中川橋梁からの車窓(お座敷列車「華」より)

JR総武本線の新小岩と常磐線の金町を結び都内の葛飾区内(ごく一部は江戸川区)を走る、貨物の新金線(しんきんせん・約7キロ)を、葛飾区が主体となって旅客路線化事業に乗り出すと今日の読売新聞が伝えている。荒川と江戸川に挟まれたこの辺り、JR線や京成線、それに地下鉄など都心から東に向かって放射状に延びる線路は多いものの、それらを縦に結ぶ鉄道は京成金町線のみで不便なため、高齢化・人口減対策として新金貨物線の旅客化で南北交通網の利便強化を図るそうだ。新金線と云えば、一昨年(2020年)11月に武漢ウイルス蔓延下、JR大人の休日倶楽部主催のツアー「★貨物線乗車の旅★お座敷列車「華」で満喫 首都圏ぐるり旅 両国発品川行き」で、485系団体貸し切り用お座敷列車「華」に乗車して通過したばかりである。

 

この時は、総武本線の両国駅で「華」に乗車し、同線・新小岩から常磐線・金町まで新金線を走り、その後武蔵野線などを経由して東海道貨物線まで貨物線ばかりの旅を経験したが、その際なぜ都内のこの場所に総武本線と常磐線を結ぶ新金バイパス路線があるのかが不思議であった。このニュースを期に調べてみると新金線は現在は一日数往復の貨物列車が通過する小路線に過ぎないが、かつては物流に於いて重要な路線だったと云うことがわかった。歴史を遡ると明治時代から千葉方面より東京を目指した総武線に、隅田川を渡って都心に入る橋梁が完成したのは昭和7年である。それまでは隅田川東岸の両国が総武線のターミナルで、房総方面の旅客はここで乗降していた。一方で房総から両国以遠を目指す貨物列車は、明治時代に開通していた常磐線の隅田川橋梁を通ることが必要であった。この目的のために大正15年総武本線から常磐線に転線させる新金線が完成したのだが、総武線が隅田川を渡って都心に乗り入れてからも、貨物列車はお茶の水・秋葉原間の急勾配(33‰)を避けて新金線を経由したそうだ。

 

葛飾区の計画では新金線を「JR東日本から借り受け、旅客用として7~10駅を新設する。新小岩-金町間が20分程で結ばれ、区は一日約4万人の利用者を見込んでいる。(車両には)『LRT』(次世代型路面電車)型を採用する構想もある」「整備費用を200億から250億円と試算する」(読売新聞)そうだ。とは云っても「旅客化に際して最大の課題になるのが。金町駅の手前に踏み切りがある国道6号線(水戸街道)との交差だ。」と同紙は指摘する。路面電車と街道の交差に関しては東急世田谷線のように、無閉塞運転として大きな街道(世田谷線では環七)の踏切で道路信号が赤になるのを待ち電車が進行するアイデアもあるが、そうなると同じ線路を走る貨物列車はどういうシステムで運転すれば良いか。また現在単線の新金線を複線化するとなると、線路周囲の余地や橋梁部分などは線増が容易に可能なのか様々な興味が尽きない。いずれにしても2030年とされる部分開業の暁には、ライトレイル・トランジットの近代的な車両と、JR貨物のEF210(桃太郎)などが列車交換で並ぶ光景が出現するかと思うとワクワクする。

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2022年1月14日読売新聞の紙面

2022年1月 7日 (金)

七草がゆを食べながら

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1月4日は新宿山の手七福神をジョギングで巡る。約10キロのコースで毎年正月には必ず走って回っている。今朝は1月7日恒例の七草粥を食べる。”セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ、春の七草”である。七つを暗記するだけでもボケ防止になりそうだ。以前にもアップしたが最近はスーパーで七草セットが売られておりとても便利である。現役を退いてから忘年会や新年会もめっきり減った上に、ウイルス騒動で同窓会や同年代の仲間との会合も開かれなくなったため、この季節でも特に胃腸が疲れるという事もないが、新春の風物詩として毎年妻がこさえてくれるのがありがたい。


年末・年始も家で過ごすばかりはつまらないので、1月3日はホテル椿山荘東京の「お正月寄席付きディナービュッフェ」に行って来た。伊達巻やら黒豆、なます、かまぼこ、雑煮等おせち料理を堪能し、大広間で”笑点”でお馴染みの林家たい平師匠の落語を堪能。吉原の太夫に一目ぼれした奉公人をテーマにした江戸人情噺「幾代餅」で新春から盛り上がった。やはり笑点で活躍するような噺家は芸もうまいもので場内は拍手喝采であった。花魁ことばが残ってしまい、家に帰ってからもしばらくは語尾に「~~でありんす」とつい喋ってしまう。


ウイルスやワクチンの権威である大阪市立大学医学部の井上正康名誉教授によれば、オミクロン株は恐るに足らずだそうだ。「一足早くオミクロン感染が広まった南アなどで重症者が出なかったからといって、日本でも大丈夫なのかはまだ分からない」などと煽る専門家(とよばれる人達)は不勉強でウイルスの構造を理解していないない、と一刀両断である。今年も飲食店での酒類提供禁止や、駅構内でビールを売らなくなるなどの「自粛要請」には最低限付き合わざるを得ないかもしれないが、ウイルスのことはあまり気にせず適当に出掛けたい。皆が騒げば騒ぐほどどこも予約なしで入れて快適である。

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2022年1月 5日 (水)

東京大神宮 感染症で参拝一切中止はやりすぎ?

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昨日の東京大神宮 境内立ち入り禁止

正月になると大勢の善男善女が東京のお伊勢様、縁結びでも有名な東京大神宮の初詣に訪れ、最寄の飯田橋駅西口から神社まで長蛇の列が出来るのが毎年おなじみの光景であった。それが先日遠くから眺めたら人の出ている気配がなく不思議に思っていたところ、暮れに神社の職員が武漢ウイルスに感染したため祈祷は2日から、一般の参拝も3日から16日まで中止になったとニュースが伝えている。なんでも職員11人の間でクラスターが発生し、そのうち1人はオミクロン株であることがわかったそうで、同神宮では職場の50人が濃厚接触者となっているという。東京大神宮の境内はさして広くないが、それにしても屋外の境内で神社の社殿に向かって黙って手を合わせるまですべて禁止とはなんと大げさな措置かと思い、昨日はジョギングの道すがら同社の様子を見に行って来た。


東京大神宮の鳥居の前には参拝客の境内立ち入りを禁止する柵が設置されており、千代田保健所の指導で参拝が中止であることを示す案内が掲示されていた。柵の前の路上から手を合わせお参りする人もチラホラの見られるほか、録画に来たテレビ局のクルーや珍しい光景をスマホで写真で写真に撮る人たちもいる。我々もここでまずはお参りしようとニ礼二拍でこうべを垂れた後にお賽銭をと思ったが、本殿の賽銭箱まではどう頑張っても届かない距離でこれは諦めた。それにしても職員にクラスターが出たとしても、昇殿して建物のなかでお祓いを受けるわけでもなく、なぜ職員にもコンタクトしない屋外での一般参拝行為まで禁止するのか疑問を感じた。


いくら昨年暮れに社務所や内部で感染が広っても、ウイルスはいつまでも神社の建物内に留まっているわけではないはずだ。拝殿内は換気や消毒をすれば(そもそも神社の建物は開放的で抜群に換気は良い)ウイルスは消滅するだろうし、ましてや建物の外で黙って手を合わせる普通の参拝まで禁止するのは、科学的にまったく意味のない「感染防止対策ゴッコをやってます」にしか見えない。単に暫くの間はお祓いなどを中止すれば良いだけではないか。神社職員が自宅待機で働けず参拝客をさばけないとしても、境内の整理や庶務などは専門の警備会社や外注に任せればよいはずだ。


どうも千代田保健所は張り切り過ぎの感があるが、最近見た元財務官僚の高橋洋一氏のYoutube動画では、武漢ウイルス様様で厚労省などの関連省庁の職員が気分高揚で鼻息が荒いという。厚労省でこれまで感染症の部門はあまり注目を浴びなかったが、この2年間というもの、内閣は意のままに動き、予算は要求するまま付くため彼らにとっては、いま寧ろ気分が良いそうだ。保健所は組織上は厚労省の管轄ではないが、実態的には繫がりが大きいらしい。今回は飲食店・給食施設や学校内の感染などではない。神社の屋外での一般的な参拝まですべて禁止というのは保健所のはしゃぎ過ぎ、若しくは何かあった時のための自己保身に思えてならない。今年もまたウイルス祭りで一年が過ぎるのだろうか?

千代田保健所の指導で参拝中止を知らせる掲示
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2022年1月 3日 (月)

第98回箱根駅伝 学生連合・田島君

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学生連合7区田島君(慶應義塾)から8区大野陽人君(大東文化大)へタスキリレー(テレビ中継より)

新年は箱根駅伝観戦からスタートである。今年も慶應競走部から関東学生連合チームの7区(小田原ー平塚間21.3キロ)に1年生の田島公太郎君(九州学院)が出るので、朝はしっかり起きてテレビの前に座る。最近は母校から学生連合チームに毎年選出されるのだが、武漢ウイルス禍で「沿道での応援観戦はお控えください」「OB・OG・同窓会組織など卒業生の方や、選手のご家族の沿道での応援や観戦もご遠慮ください。」との主催者の通達で仕方なく自宅での応援である。学生連合チームでも誰かが走れば、ポイント、ポイントにノボリを立ててOBが集合し、沿線の三田会(慶應OB会)の応援もあって、にぎにぎしく新年を迎えられるが、昨年に続いてのテレビでの応援とは何とも残念なところだ。年末の東京ドームでの年越しイベントは、満員の観客で盛り上がっている様子がテレビ中継されていたのに、屋外の応援が感染に何の影響があろうかと思うが、これも「皆で感染防止ゴッコ」の世相なので止む無しか。


母校の箱根駅伝プロジェクトが始まって4年経過した。最近は、田島君のように全国高校駅伝に出場した実績ある選手もボチボチ入学するし、受験高から国立を目指していたような有望な選手も慶應を受験してくれるようになった。5000米や10000米の記録は大幅に向上し、少し前なら予選会を突破できるレベルにあるのだが、学校ぐるみで資金を投入し有望選手をスポーツ推薦で勧誘したりケニア人助っ人を擁する学校にはまだまだ敵わないのが実情。母校にはA/O入試の制度もあるが、これはスポーツ推薦ではなく競技の実績が必ずしも反映されるわけでない。甲子園で活躍した超高校級の中京大中京・高橋投手が慶應のA/Oで不合格になり、中日ドラゴンズにドラフト1位指名で入団したのは記憶に新しいところだ。野球部や蹴球部(ラグビー)のように慶應高校から強化することも試みているそうだが、ルーツ校として箱根駅伝100周年に当たる2年後の出場にはなんとか間に合わせて欲しいものだ。


箱根山中の中継を見ているうちに、50年近く前の1月3日は箱根・芦の湯の宿舎で朝5時に起床したことを思い出した。通るクルマもない夜明け前の真っ暗な山の中、街路灯に照らされた箱根で付き添いのマネージャーと朝のジョッグをした場面が蘇る。高校時代はインターハイどころか関東大会にも出られなかったし、学内でもBチームだった自分が前日のエントリー変更で急遽、箱根駅伝の山下りを走ることになり、当日は心の準備もなく初めての全国規模の大会出場で、国道1号線を上気して駆け下りたものだった。今の選手達の記録とは雲泥の差だし、練習の質も生活態度も彼らの足元にも到底及ばない自分には偉そうなことは云えない。ただ毎年箱根駅伝のテレビ中継を見るたびに、これまで走った延べ1万数千人にのぼる選手の一隅を自分の名前が穢し、ますます隆盛を極めるレースに参加できたことの僥倖を噛みしめるのみである。今からみればまことに牧歌的な幸せな時代だったし、チャンスを貰った母校にはただ感謝しかない。この経験を後輩たちにも味わって欲しいと念じ、OB会費とともに僅かながら體育會強化資金や慶應義塾維持会の支払いを続けつつ、TwitterなどSNSによる競走部からの発信に一喜一憂するのである。

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