オールディーズミュージック ON ASUKA Ⅱ
横浜~横浜の2泊3日クルーズ、”オールディーズミュージック ON ASUKA Ⅱ”に乗船してきた。この一年間、「自粛」ムードには心底うんざりだったので、年末を控え、この辺りで一発”ブヮッー!”と景気付けをしたいとの思いを込めての乗船である。オールディーズミュージックといえばアメリカには専門のFMラジオ局がいくつもあって、北米駐在員時代には、会社の往復に朝はクラシック専門チャンネルを、帰りはカントリーかオールディーズをハンドルを握りながら聴いていた。オールディーズミュージックはメロディーが耳に心地よくコードの進行がシンプル、歌詞も聞いているうちに何となくわかる部分もあって、いらいらしがちな通勤ドライブ中にはうってつけであった。今でもアメリカで買った60年代ポップスのCDやカセットテープをかなり持っており、当時を思い出しては一人で聴いたりするから、飛鳥Ⅱとオールディーズの組み合わせなら乗らないわけにはいかない。
前回10月「秋の瀬戸内航行 土佐クルーズ」と同様、2週間前からの体温測定、1週間前の唾液によるPCR検査に加え、今回も乗船直前の横浜港で再度PCR検査を受ける必要があった。大桟橋で唾液を採取し、外部の人との接触禁止状態で結果が判明するまで約一時間。ここで陰性が確認されて、ようやく晴れて船内に足を踏み入れることができる。クルーにも厳格な検査と行動制限がなされており、船内は「世界で一番武漢ウイルスからフリーな空間」だとも云える。それでも、もしクルーズ船で感染者でも出ようものなら「この時期に一部の金持ちの道楽」だの「一体、何を考えているんだ」などと大いに非難されることになろうから、船側もごく真面目にコンサバで対応せねばならない。船内のフォーシーズンズダイニングには各テーブルの間に相変わらずビニールのパーティションが屹立し、クラブ2100ではまだダンスが踊れないようにフロアにソファが置かれているのだが、これもこの時期なら致し方ないだろう。
とは云うものの船内はクリスマスのデコレ―ションのほか、ジュークボックスやLPレコードが置かれ、その上に流れる音楽は60年代ポップス一辺倒で、クルーズテーマを盛り上げようとの演出が至るところに見受けられる。オールディーズをフィーチャーしたクルーズは初めてだそうで、乗客は250名程度らしいが皆がどのくらい盛り上がるのか、飛鳥Ⅱ側も大いに気になっているようだ。ドレスコードは2晩ともカジュアルで、乗船前の案内では「オールディーズスタイルに合わせたドレスコードで一緒にクルーズを盛り上げましょう」と記載されている。それならとこちらもその気になってノった方が勝ち、ボタンダウンシャツにチルデンセーター、タータンチェックのパンツで靴はスリップオンで決めることにした。と見ると船内にはかのVAN JACKETのオリジナルジャンパーを着ている男性もいて、このクルーズ狙い撃ちの乗客も結構多いことがうかがえる。
2日目の終日航海日はハリウッドシアターのオールディーズトークに始まり、夜のライブショーは銀座・横浜ケントスなどに出演している11人編成のSweet Childによる50年代・60年代の歌と演奏の洋楽ヒットメドレーである。ファンらしき人もちらほらのギャラクシーラウンジでの彼らのパフォーマンスは拍手大喝采の盛況で、これまで私たちが見た飛鳥Ⅱのショーの中でも最も盛り上がったものの一つであった。飛鳥Ⅱの乗船平均年齢は70歳代前半ほどだと思われるが、その世代なら誰でもが知っている曲を連ねたSweet Childステージは、観客の期待のドツボに嵌った設定だったようだ。極め付けがその夜10時過ぎからパームコートで開かれたツイストパーティ。ショーの余韻を残しつつ、フロア一杯の参加者とともに汗だくで体をくねらせていると、この2年間の馬鹿馬鹿しい武漢ウイルス騒動の憂さも晴れ、乗船して良かったとの思いが込みあがってきた。感染対策は行ないつつも、こうして徐々に日常が戻ってくることを期待し、恒例の船内アンケートに、毎年このクルーズを催行して欲しいと書いて下船した。いやあ、久しぶりにはっちゃけた。
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