飛鳥Ⅱダイニング イン 岡山天満屋
宇野港から戻った午後は、岡山市の天満屋デパートで11月3日から14日まで開催されているスぺシャルイベント”飛鳥Ⅱダイニング”である。実は10月に神戸から乗った飛鳥Ⅱ「秋の瀬戸内航行 土佐クルーズ」で瀧淳一総料理長から「今度、岡山の天満屋デパートさんでイベントを行うので是非来てくださいよ」とお誘いを受けていた。プロモーション用の社交辞令とは思うものの、その時は「おう、それはもちろん行きますよ」などと例によって安請け合いの調子よい返事をしていた。しかし下船した後は、いくら瀧さん直々のお誘いでも都内からわざわざ岡山までディナーを食べに行くのはどうしたものかと迷っていたところ、たまたまイベントの時期に玉野発の実証クルーズに乗れることになり、それならと岡山に乗り込んだのである。
天満屋といえば岡山が本社である。なんでも三越や高島屋など全国規模の百貨店や、東急、阪急など私鉄系デパートを除いた地場百貨店では、天満屋は売り上げで日本一なのだそうだ。確かに初めて訪れた天満屋本店は、都内や大阪のデパートに劣らない威容を誇る本格的な店舗であった。なにより岡山市内の多くのバス路線が天満屋バスセンターに乗り入れて、ここが地元に密着した由緒ある百貨店であることを示していた。そんなご当地のプレステージアスな商業施設の地下1階、催し物エリアに”飛鳥Ⅱダイニング”は開設されていた。ダイニング入り口にはお馴染みのアルバトロスのロゴとともにASUKA CRUISEと大きくプリントされたサインが掲げられて人目を引く。
「こんにちは」と声をかけると予約が通っていたためか「あ、○○様、いらっしゃいませ」と即座にあちこちから声をかけられた。見るとこれまで船内で顔見知りになった多くの日本人サービスクルーが出迎えてくれたのだが、船内で中核を占めるスタッフが何人もこちらにいては、肝心の飛鳥Ⅱが順調にクルーズを続けられないのでは?などと軽口を叩きたくなるような豪華陣容である。イベント会場はそこそこの入りで、漏れ聞こえる会話からは、飛鳥Ⅱの乗船経験者も訪れていることがうかがえる。さっそくビールを注文して、予約していた4500円のセットメニューに移ろうとすると瀧さんがやって来て、「ふだんの○○さんご夫妻の食べっぷりからこれでは足りないと思います。テイクアウトメニューの前菜盛り合わせも追加で出せます」と飛鳥Ⅱらしい親密な気配りをみせてくれる。
ということでその晩に出てきたのは前菜盛り合わせ、瀬戸内産白身魚のマリネと彩り野菜サラダ、メインの黒毛和牛のグリエで、いずれも瀧さんらしいメリハリの効いた攻めの味の料理。多めについでくれたグラスワインの酔いも回って岡山まで来た甲斐があったと料理を堪能したが、それでも朝からのクルーズなどで胃の中はまだ余裕がある。「目の前のポンパドウルでカレーパン買って帰るわ」と冗談を言うと、「では飛鳥Ⅱドライカレーですね」とデザートの前にカレーまで食べて、ようやく満腹になって天満屋を後にした。旅に出るとタガがはずれるが、これも旅の楽しみというものだ。武漢ウイルスの蔓延期に岡山県知事は「(都会の人は)岡山に来るな」と暴言を吐いたので、騒動が終わってもこんな県では絶対に消費すまいと固く誓っていた。しかし来てみればなかなか良い街ではないかと、駅傍のホテルまで夜風に吹かれつつブラブラと帰った。
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