自民党総裁選挙
自民党の100代目総裁に岸田文雄氏が選ばれた。自民党内の選挙とはいえ、国会の首班指名で日本国の総理大臣になる人を決める極めて大事な選挙である。総裁候補者4人の闊達な論戦や昨日の開票状況など、一連の公明かつ正大な選挙のやり方はさすが自民党だと感心していた。20年以上トップの委員長が変わらない日本共産党の対局ともいえる民主的な選挙だと云えるだろう。この間、個人的には安倍元首相の後押しで、保守色を強く打ち出した高市候補に勝って欲しいと思っていた。1990年代から「朝ナマ」などに出演して顔は知られていた高市さんだったが、今や押しも押されぬ自民党の中心的な議員となった。性格的にも一番ブレそうになく、国難ともいえる今の日本のリーダーとして適任だと信じるが、彼女にとっては今回は小手先調べで次の総裁選が本番となろう。1回目の投票で議員票で2位となったのも同僚の信頼が厚い証といえよう。岸田政権の下では外務大臣や防衛大臣など対外的な強さが求められる要職に就いて更に力を伸ばしてほしい。
総裁選といえば慶應競走部つながりで、以前から名前をよく知っていた河野さんに私は当初親近感を持っていた。しかしこの選挙戦を通じて顕わになったのは、脱原発、同性婚・夫婦別姓や女系天皇の容認という彼のトンデモ持論であり、またそれを指摘されるとトーンダウンするという変節漢ぶりであった。形成不利になれば自論を封印するような政治家は、局面が変わればまた違うことを主張するに違いない。致命的だったのが河野一族が深くかかわる中国での合弁企業が、ウイグル人問題にも絡み、その上中国共産党から優遇措置を受けていたことが広く知れ渡ったことである。彼はこの企業からの政治献金は法律に則り処理されており問題なしとしているが、そもそもがこの会社は太陽光パネルに関連した合弁企業である。エネルギー問題で焦眉の太陽光発電は、そのパネルが中国からの輸入がほとんどだといわれる。国策を担う一国の総理が、中国の関連企業との利害がきわめて近いことは到底容認されない。高市氏の落選は残念だが、河野氏が総理大臣にならず岸田氏が首相となるのは、我が国にとってセカンド・ベストであった。今回の落選が、中国利権に絡んだ議員には未来がない、という先例になったのも意義深い。
岸田氏は池田勇人や宮澤喜一など歴代総理を輩出した宏池会出身とのこと。宏池会は自ら保守本流と自認しており政策は中党、日米安保を基軸とするも中国ともことを荒立てず、総じてマイルドな政策集団だったと私は認識している。ただ宏池会的な中庸な方針は高度成長期には極めて有効であったが、中国が覇権を延ばさんとするこれからの多難な時代にどうであろうか。武漢ウイルス対策・経済成長・財政・外交・憲法改正など問題は山積している。これを突破するにはある程度尖った政策立案・実行が必要ではなかろうか。岸田氏は多くの意見を広く聞く人柄だそうだが、立憲共産党などの野党には建設的な対案はないし、大半のメディアはあほなポピュリズムばかりである。菅前首相のウイルス対策が不人気だった(と云われる)のも、尾身さん率いる政府文科会の意見を真面目に聞き、これに引きずりまわされた挙句の果てである。無責任な(自称)有識者、メディアや世論調査など気にせず、信じるところを一点突破で難局を乗り切ってほしいものだ。特に韓国の要望やら文句は一切無視願いたいし、中国には経済界の反対を押し切ってでも強い姿勢で当たる事を期待したい。
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