東京オリンピック2020 閉会式
都内には日本全国から警察官が呼ばれて配置についていた。暑い中ご苦労様でした。(大井の長崎県警パトカー)
トヨタの社長が昨年の株主総会でこう言ったそうだ。「ロバを連れながら、夫婦二人が一緒に歩いているとこう言われる。『ロバがいるのに乗らないのか?』と。ご主人がロバに乗って夫人が歩いているとこう言われる。『威張った亭主だ』。では夫人がロバに乗ってご主人が歩くと、今度はこう言われる。『あの旦那は奥さんに頭が上がらない』。それではと夫婦で揃ってロバに乗ったら、『ロバがかわいそうだ』」。要は『言論・報道の自由』という名のもとに、何を言っても批判が許される今のメディアの姿勢を皮肉った話なのだが、今回のオリンピックに関する報道はまさにロバと夫婦の寓話そのものであった。大会前には武漢ウイルスの感染が拡大するというので中止を叫び、なかでも朝日新聞は社説まで出しながら競技が始まれば各社手の平返し、系列のテレビ局を含めて「感動をありがとう!」の大騒ぎとあって、いかにメディアが劣化しているのか、近年これほど卑近な例はなかったであろう。
開催の可否と選手を応援するのは別のことだ、などと彼らは都合の良い言い逃れをするが、そもそも競技が行われなかったら感動などはなく、その機会をメディアが奪おうとしたことは永く記憶にとどめておかねばならない。それはさておき、昨日の閉会式で2020東京五輪は閉幕したが、オリンピックが無事に開催できて本当に良かったと思う。世界に向かって「おもてなし」をキャッチフレーズに開催が決まったオリンピックである。東京の真ん中で暮らしていても、オリンピックが武漢ウイルスの感染拡大に関係あるとは感じないが、100歩譲って多少の心配があったとしても、国際社会に対して大会開催を引き受けた以上は最大限の努力でミッションを完遂するのが日本人として、江戸っ子としての心意気というものだ。この調子でパラリンピックも無事に開かれる事を祈りたい。五輪と同じ時期に開かれた朝日新聞主催の高校野球の東西東京都大会は観客も多かったそうだから、パラリンピックは競技場に観客を入れてもよいだろう。
この2週間はテレビでオリンピックの各種競技を楽しませてもらった。競走部の後輩である山縣・小池両選手の400米リレーは残念だったが、田中希実選手や三浦龍司選手の入賞は陸上・中長距離の新時代を拓くものとして価値が大きい。競泳の大橋悠衣選手の2つ金メダルは素晴らしかったし、闘病から復活してメドレーリレーに出場した池井選手の力泳には画面の前で思わず涙してしまった。妻がボランティアとしてホッケー競技に関わったので、初めてこの競技を興味をもって見ることもできた。高齢者としては1964年の東京オリンピックくらいの種目数や規模で十分だとは思っていたのだが、スポーツクライミングやスケートボード、サーフィンなどの競技種目も目新しく楽しめたし、アメリカとの野球決勝戦は六大学野球で母校の優勝を待つような気持ちで画面に釘付けになった。日本の選手だけでなく、世界から集まった一流のアスリートの活躍を短期間にこれだけ沢山見ることが出来るのも、オリンピックならではであった。その中で日本の獲得した金メダルは何と27個で、米国、中国に次いで三位に入ったことは素晴らしいの一言である。
そして昨日の閉会式。古関祐而作曲の東京オリンピックマーチで旗手や選手の入場が始まったので、これは盛り上げるかと期待したが、その後はよく分からない踊りや、左巻きの大竹しのぶと子供たちの寸劇などが入って、冗長で白けてしまった。入ってくる選手団に日本酒でもふるまい、せっかく東京音頭が演奏されたのだから、選手とボランティアを含めた会場全員で踊ったほうが良かっただろうと思う。式の間の音楽も妙に凝ったものでなく、世界から集まった選手世代がよく知る日本のゲーム音楽やアニメの主題歌をもっと流した方が受けただろうし、リオで安倍さんが仮装して登場したような感じでマリオのようなキャラクターを出しても面白かったのではないか。花火もより派手に日本の伝統・技術が誇る派手なものを披露できたであろう。どうも選手ファーストと謳いながら開会式も閉会式もブツ切れの上に変なメッセージ性が感じられて、却って場の雰囲気を壊しておりその点は残念だった。とは云え、これでまず成功裏に2020東京五輪の聖火が消えた。関係者の皆さん、本当にご苦労様でした。次はパラリンピックでまた盛り上がろうではないか。
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