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2021年8月

2021年8月30日 (月)

自宅リフォームで仮住まいへの引っ越し

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ということで久しぶりに引っ越しを経験したが、モノで溢れかえっていた我が家にはこれが大仕事。なぜここまでモノが増えてしまったのかについて考えてみると、そもそも夫婦二人とも物持ちが良く、思い出の品や記念品(らしき)アイテムはいつか使うだろうとつい考えてしまうことにある。2年くらい箪笥の奥などに収納してあるものは、衣類にしろ食器にしろ一生使わないのだからさっさと捨てればよいのだがつい未練が優ってしまうようだ。その上、私の両親が亡くなり生家を処分した時に、そこにあった古いアルバムや学校の成績表などを持ち込んだこと、一生に一度海の見える家で暮らしてみたいという希望で10年ほど前に別に賃貸マンションを借りたことがあり、その時に用意した什器や寝具があること、それに飛鳥などロングクルーズの際のデータや記念品などが重なって、室内が山盛りになっていたのである。


今回のリフォームに関わる工事は3か月間とあって、引っ越しに当たっては、捨てるモノ、その期間中倉庫に保管しておくもの、当面の必要品で仮住まいに持っていくものを分けて整理しなければならなかった。妻はオリンッピックのボランティアが終了した引っ越し予定日の3週間前から、私は1週間ほど前から業者のダンボールに区分け作業を開始したが、避難先での3か月の必要品といってもその間の気候やスケジュールを考えて仕分けせねばならなず、しばしば物ごとが混同して私の方の作業は遅々として進まない。こういう時には女性の方が現実的に作業を進めるのだが、私には妻の実家で過ごす3か月間のイメージも湧かず、何を持っていくべきなのか、何を倉庫に預けるのかなどの分別がなかなかつき難かった。期日が限られていても現実感が湧かず楽観的に構えた挙句、ギリギリになって焦り、もっときちんと段取りを考えておけば良かったと後から反省するのが我が性である。


などとあたふたとしている内にとうとう引っ越しの前日となった。郵便局やら新聞配達への連絡、NTTへ電話の転送願いなど結構やるべきが多く、それらに忙殺されながらのダンボールへの箱詰めである。狭い室内が徐々に段ボール箱で埋まっていくのだが、その作業は相変わらずはかどらず、夜中の12時を過ぎても手つかずの棚や引き出しが残って、さすがの私も徐々に焦ってくる。最後は「エーい、3か月だ。どうにかなるだろう」とろくに考えずに片っ端から空いているダンボールに詰め込んで終了したのが午前3時であった。やれやれと思っていたところ「そういえばこの週末に予約している歯医者の診察券はどこに?」と急に気になりだし、あきれる妻を傍らにテープで蓋を閉じたダンボール箱を何箱も開けて物色したりして夜明け前。なにやら中・高時代の定期試験の前夜のような気分であった。こうして捨てた荷物以外は倉庫と妻の実家に何とか運び込まれ、我が家のIT主任である妻の準備でテレワークの体制も整って新しい生活が始まった。妻は引っ越し作業やら夜中の私の騒動で、1キロほど痩せたと思わぬ副産物にちょっとにんまりしている処である。

2021年8月27日 (金)

家のスケルトン・リフォーム

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マンション住まいである我が家のリフォームのため、工事期間中に妻の母親のマンションに3か月間仮住まいすることになり引っ越しをした。工事はスケルトンリフォームといって区分所有部分のすべての配管や内装をやり直すもので、改装後は新築同様の斬新さ、快適さが味わえるとのことだ。今の住まいは出来てから18年以上が経過し、先日のトイレ故障のようにそろそろあちこちガタが出てくる頃であった。また共稼ぎサラリーマンだった我々も、老境に入るにしたがいライフスタイルが変化し、新築当初の間取りでは部屋の使い勝手にも不便をきたし始めていた。なによりこの20年近くに貯まった”モノ”をここら当たりで思い切って整理し、身軽になって暮すのにはリフォームのような一大契機が必要ということで、大手不動産会社が大々的に展開するリフォーム・キャンペーンに乗ったのである。


住まいは大規模高層マンションなので、もともと建物の躯体に合わせて多くの分譲区画を効率良く販売できるように各戸は画一的に作られている。よってそれぞれの住人にとっては余分であったり切り詰め過ぎたりする箇所があり、内装においても無難な標準様式になるのだが、スケルトンリフォームを施すメリットは、躯体の制限内であれば住人の要望に応じて、無駄なくスペースが活用でき、間取りや調度が自由に選べるようになるという点にある。とはいうものの、我が家のリフォーム担当となった女性と実際に話を始めてからは、住居を改築するという作業は、かなりのエネルギーを要するものである事がわかった。まずは住んでいたマンションではどの程度の工事が可能なのかの下見や採寸があり、これまでの住まいで困った点や要望などのヒアリングを経て、一か月ほどで大まかな改装プランが提示される。下見の際に彼女は室内にあった船の大型模型やクルーズの記念品などに目をつけたらしく、窓から望める都市景観を活かし「マリンテイストを意識し、景観を楽しめることを意識した改装プランです」と、まずは妻をぐっとその気にさせるあたりがなかなかである。


大まかな方向性が定まって手付金を払ったあとは、その担当者に引き連られて3か月ほど、都内各地に点在する住宅建材メーカーやキッチン機器のメーカー、建具や洗面所・バス・トイレなどのショールームを回り具体的な室内の調度・備品を決める作業が待っていた。彼女と妻に同道して各社ショールームの係りの説明を受けるのだが、壁紙や床板一つとっても膨大なサンプルや仕様があってどこも半日仕事である。「よほど奇抜でなければどれでもそう変わりがない、後から文句言わないからあなたに適当に任せる」と担当に言う私に対して、彼女は「いえ、ご主人のご意見もお伺いしておかないと」と簡単にリリースはしてくれない。子供の頃、親の家の増築や改築があった時には、大工さんが図面もろくに見ずに「ここに適当に作り付けの棚を作っときましょう」などと簡単に家が出来た記憶があるのだが、今やマンションの自室一つを改築するだけでも大変な手間ひまだと工事前から何やら気が重くなってきた。


その後、1~2週間に1回の頻度で設計詳細や内装・照明・配線・備品の打合せ、それと並行して2回の契約の諸手続き、現場監督の紹介やらなにやらでこの半年があっという間に過ぎ去った。準備の最後は工事期間中の騒音・振動迷惑に対して、不動産会社と共に同じ階の両隣だけでなく上下斜めの別フロアの住人に手ぬぐいを配っての挨拶で、リフォーム産業にもこんな確立されたルーティンがあるということに驚いた。こうして引っ越し作業もなんとか無事終わり、住み慣れたマンションを一旦引き払っての妻の実家暮らしが始まった。リフォーム後に使う家具調度品や電気製品は倉庫に預け、夫婦二人で当面必要な衣類や仕事関連のパソコン・書類を持参しての避難生活である。妻の実家は我が家と1キロほどの距離にあるのでクルマが必要な時にはチャリで取りに行き、宅配便などが向こうに届ていないか伝票を時々チェックする日々である。義母の「おふくろの味」に感謝しつつ、早くリフォームが完成しないか、カレンダーに一日経過する度に×印をいれて時の過ぎ行くのを待っている。

2021年8月22日 (日)

武漢ウイルスのワクチン接種

武漢ウイルス変異型の第5派とやらが大流行しているそうだ。といっても東京の真ん中に住み都心の事務所に通っていても、周囲に感染者はおろか陽性者もいないからメディアは大騒ぎしているのにも関わらずどうもピンとこない。高齢者である私には6月早々に区役所からワクチン接種クーポン券が郵送されてきたものの、特段気にも留めずほったらかしのままであった。この一年半、かつての会社の同期会やらOB会、学校の同窓会などはすべて中止や延期となっているなか、これらを告げるメールの動静連絡には、多くが「もう2回目のワクチンを打ったところです」などという定型の挨拶文句が並び、それを読むたび「フン、どいつもこいつも同調圧力に弱い奴らばかりだ」と冷ややかな気持ちが胸に沸き起こっていた。今やワクチン打たぬのはポリコレに反するかの如きで、ポリコレ嫌いな私にはなんとも悩ましい世の中になったものだと感じる。


日頃、遺伝子組み換えの食品は食べない、などととえらくその方面に敏感な人たちに限って、十分に安全か否かもわからない遺伝子組み換えワクチンを我先にと打っているようだ。私の年齢なら後年、ワクチンによる悪い影響がもし出ても諦めもつくが、これから子供を作るような若い世代が、十分な治験も済まないこんなワクチンを接種して本当に良いのかと疑問は深まるばかりである。そもそもワクチンは感染拡大に効果あると云われていたが、すでに国民の多くが接種し終わった欧米諸外国で再び変異型が蔓延しているという。こうなるとウイルスが変異する度に、また違うワクチンを打ちなおすのかと危惧していたら、いつの間にかワクチンは「感染を防止」するものから「重症化を防ぐ」ものだと話がすれ代わっている。この一年かけて感染症を専門にする医者や学者は、実際のところ何も分かっていないし役に立たないということがよく分かった。


ということで、海外旅行は無理にしても、今も国内旅行に出向き、都内でも適当に外食を楽しむ日々である。先日は銀座の某有名中華料理店で親戚と夕食をとったのだが、せっかくの「銀座で中華」である。アルコールもなしに高級な料理が食えるかと、人目につかぬ席を予約し自宅からウイスキーを小さな瓶に入れて持ち込んだ。ウーロン茶に持参のウイスキーを混ぜれば、アルコール入りなのかはまったくわからない。そうこうしているうちにこの騒ぎも峠を越えるだろうからワクチン0回で済まそうかとも思っていたが、一方でかかりつけの医師からは幾度か「是非、ワクチンは打って下さい」と云われている。先日も「2回ちゃんと打ちましたよね」と強く聞かれたので、一瞬逡巡し思わず「はい、1回は打ちました」とテキトーに答えてしまった。妻は「馬鹿ね、他の診療科目の先生なのだからしれっと『打ちました!』と気合で言っとけばよいのに」と云うが、昔からどうも先生と云われる人種には逆らえない性分なのである。こうなれば止む無し、世の中の動きにいつまでもあまり逆らわずワクチンくらいは打っておくかと接種の予約を遂にすることにした。ワクチン反対派の妻があきれるなか、予約ができてホッとしつつも「俺も結局は同調圧力やポリコレに屈するような情けない人間になってしまったか」と内心忸怩たる思いも湧き上がってくる。

 

2021年8月16日 (月)

トイレの故障(水が貯まらない)

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中央の赤い丸がフィルター、その上の白く丸い容器の中にダイアフラムが格納されている

先日、トイレが急に故障した。ふつう水を流すと直ちに便器の後ろにある受水タンクでジャーと音がして水が貯まるものだが、水を流してもタンクの中からはちょぼちょぼと情けない音しか聞こえない。どうしたものかとタンクの蓋を開けて内側をのぞくと、水道につながる管から漏水の如くちょろちょろと一筋の水が頼りなげにタンクの底に落ちており、タンク内の水位はなかなか高くならない。やっと少し水が貯まった頃を見計らってトイレを流してみると、空になったタンクに貯まる水の勢いは相変わらずで「ちょろちょろ」のままである。トイレを一旦流すと次に使用できるまで「ちょろちょろ」ベースで10分ほどかかり、この間は我が家ではトイレが使用できない状態になってしまった。10分我慢できずに連続使用が必要になった危急の場合には、風呂場からバケツで水を汲んでタンクを満たすしかない。


タンクに入る水を止める浮き球の不具合ならなんとなく対処方法も想像がつくのだが、なぜ今まで流れていたパイプの出口から水が落ちてこないのか。水回りのトラブルなどはふだん経験したことがないから、こういう状況になるとお手上げだ。ただ一縷ののぞみで、タンク内に「フィルターの掃除の仕方」なる表示の箇所があるので、そこをひねってフィルターらしきものを洗ってみたものの事態はまったく改善しない。こうなるとどこが壊れているのか見当がつかず首をひねるばかりである。頭に浮かぶのは日頃、気にも留めなかったマンションに入るチラシ広告、「水回りのトラブルすぐ出張修理します」。電話をすれば業者はすぐに来てくれるらしいが、それにしてもこういう場合に彼らは足元をみて法外に高い請求をするのだろうかと危ぶむ気持ちも沸き起こる。しかしトイレ利用のインターバルが10分以上必要とは何とも不便である。もし前人の使用から10分待てないとか腹具合の調子が悪く再度駆け込む事態には、バケツに水を汲んでトイレに入るしかないが、歳をとってくると便意・尿意とも「すぐ迫ってます」ということがままあり、度々のバケツ持ち込みも何とも面倒だ。


こういう状況になると結構オタオタする私をしり目に、妻は「もう夜だし、最悪10分待てば水が貯まるのだから何とかなるわよ、明日考えましょ」とさっさと寝てしまった。翌朝、私はテレワークを良いことにゆったりと9時前に起きると、妻はすでにネットで「トイレタンクに水が貯まらない場合」を検索し、寝ぼけまなこの私に「業者に頼むと1万円コースみたいよ」と言う。生活トラブルのサイトから「どうやらダイヤフラムという部品の経年劣化が原因じゃない?」「これなら部品は税込み767円で自分で修理できるみたい」「もし直らなければ業者を頼めばよいからダメ元でトライしましょう」と9時開店を待って最寄のDIY店に在庫確認に電話をしていた。何とアクションの早いことか。ジョギングがてら買ってきたダイアフラムは2センチほどの小さな弁で、水量を調整する役目があるそうだが、こんな小さな部品の劣化で生活に大きな支障が出るのが現代の生活というもの。買ってきた部品を慣れぬ配管仕事で交換し、おそるおそるトイレを流すと果たして勢いよく水道水がタンクに流れ出しホッと一安心であった。「やった!」と鼻を膨らます妻には業者に払うことを覚悟した一万円分の焼肉を驕ることになった。

 

2021年8月13日 (金)

CRIMSON POLARIS号 八戸港沖事故

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YOUTUBE動画(Mooktie Media)より。日本時間の8月11日早暁、本船は港外より陸地にゆっくりと接近中

八戸港沖で日本郵船が運航するCRIMSON POLARIS号の船体が真っ二つに折れ、中国人とフィリピン人のクルーは全員救助されたものの、船体からは燃料のC重油(バンカー油)や潤滑油が海洋に流れ出る事故が起きた。パナマ籍(実質は日本船)CRIMSON POLARIS号は8月11日朝、八戸港防波堤の外側で座礁事故を起こし船体に亀裂が生じたために錨をおろしていたところ、翌12日早朝になり亀裂の部分から船体が2つに分断されたという。ニュース映像を見るとブリッジなどがあるハウスの直前で船体がちぎれているが、その箇所にはバンカータンクがあるため、大量の重油が流れ出したものとみられる。私にとって八戸はこれまで仕事で数え切れぬほど訪問した地であり、港についてもなじみが深いのでなぜこのような事故がおきたのか大変興味を持っている。まだ発表された経緯が断片的なので断定的なことは言えないが、これまでの経験から分かることを以下アップしてみたい。


まず本船CRIMSON POLARIS号は2008年に広島の常石造船で建造されたウッドチップ専用船で49,500重量トンと発表されている。ウッドチップは長さ数センチの木くずで、製紙工場で漉かれたのち様々な化学処理をされてパルプや紙の原料になるのだが、貨物自体の比重が軽く本船の貨物艙(ホールド)一杯に積んでも、ふつう船の満載喫水線まで満たないのが特徴である。そのためにウッドチップの専用船は同じ重量トンの貨物船より、より多くの貨物を積載するために船体がかさ上げされているのが外見上の特徴と云える。但しかさ上げされていることが直ちに船体の脆弱性につながることはないように十分な設計がなされている。また積み荷が軽いので、船体の局所に集中的にひずみがたまるという事も考えにくい。


建造した常石造船は日本でもトップクラスの建造量と技術を誇る造船所であり、また本船の安全性を担保する検査機関は日本海事協会(NK)で、その品質水準は広く国際的に認められている通りである。CRIMSON POLARIS号が登録されたパナマ法人の実際の船主は今治市の洞雲汽船で、この会社は100隻を超える外航船を保有する国内でも有数の船主として有名で、自社での船舶管理(乗組員の配乗、船舶の保守・メンテ、ドック手配、その他運航に関わる諸手配一切)もするが、今回は四国中央市(旧伊予三島市)の美須賀海運を起用している。美須賀海運はもともと大王製紙の船舶に関わる仕事から発展した会社とあって、ウッドチップ専用船の管理についてはお手のものと云えるであろう。こうした来歴やスペックを見ると、本船は第一級の堪航性を保持したバリバリの船舶であるにも拘わらず、なぜニュースで見るように一晩で船体が破断する事態になったのかが不思議だ。


現在ネットで見られるAISの DATAによれば、CRIMSON POLARIS号は7月29日にタイのスリラチャを出港している。ここは広葉樹ユーカリ種のウッドチップ原料の積出港として日本の製紙会社が多くの数量を輸入している港である。このサイトによると本船はタイから南シナ海を通り津軽海峡経由で八戸市にある三菱製紙の八戸工場に向かっていたことが分かる。以上の用船スキームを纏めると、船主・洞雲汽船‐(船舶管理契約・美須賀海運) → 定期用船契約・日本郵船(=運航会社) →航海用船契約・三菱製紙(=荷主)(但し三菱製紙は現在、王子製紙、中越パルプと三社でチップの共同調達をしておりチップ専用船を相互で融通しあっている)ということになる。この用船形態に於いて座礁・油濁事故の責任は一義的に洞雲汽船が負い、管理者の美須賀海運の責任はごく限定的(例:最大1千万円程度の年間管理手数料の10倍以内など)、また運航会社の日本郵船については法的な責任は問われない。本船の座礁事故や船体切断について船主のロスは損保の船舶保険が、油濁損害はPIクラブが、荷物に損傷あらば荷主は損保の貨物海上保険で損害がカバーされることになる。


さて、津軽海峡を抜けて北から八戸港に向かった本船は、日本時間8月10日午前3時過ぎに港外に到着していることがAIS DATAから読み取れる。ふつう八戸港で沖待ちする大型外航船舶は、港の南側にある種差(たねざし)海岸沖の錨地に錨を下すが、本船は港内の最北部のチップ専用岸壁へ向かう航路に沿い防波堤の外で行き足を止めている。これは沖待ちがなくダイレクトに接岸できるとの代理店指示で、朝6時からサービスを開始する同港のパイロットを乗船させるため港に近い場所で待ったのだろうか。本船はここで一旦投錨したように見えるが、その後午前5時過ぎから0.5ノットほどで徐々に陸地に近づいており、強風に流されて走錨している状況かと解釈できる。船体のかさが大きいのも風に流されやすい要因である。7時50分前後にもっとも陸地に近づいた後、本船は3ノット以上でまた沖に向かって移動しているが、この時刻に船長は座礁に気づいて沖出ししたという事であろうか。八戸港の港域図を見ると防波堤の外でも水深は十分にあり、本船の満載喫水11米を切って座礁するにはかなり陸地に近寄ったものと考えられる。


なぜタイから直行してきた本船は通常の錨地に向かわなかったのか、天候はどうだったのか、パイロットは強風下でも乗船予定だったのか、港外に到着した後に自船の位置を確認する見張りは十分だったのか、座礁事故で生じた船体の亀裂はそれほど致命的であったのか、など事故の原因となる知りたい情報は数多い。さらに分断された船体や残る積み荷はどう回収されるのか、今後の対応を待つことにしたい。それにしてもモーリシャスで座礁したWAKASHIO号は鋭利で強固なサンゴ礁に擱座したために船隊が折れたのは理解できるが、CRIMSON POLARIS号は座礁して船体に亀裂が入っていたとしても、水の上に浮かぶ長さ200米の鉄の塊である。荷物も積み付けに当たっては性状のごく穏やかなウッドチップで、この状態でわずか一晩で船体が完全に折れて2つに分かれてしまうという事実は衝撃的である。船舶の安全性が問い直される契機にもなりかねないこの事故の経緯やその後の状況が早く発表されないか待たれるところである。

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チップ船上のウッドチップ揚げ荷役状況
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2021年8月 9日 (月)

東京オリンピック2020 閉会式

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都内には日本全国から警察官が呼ばれて配置についていた。暑い中ご苦労様でした。(大井の長崎県警パトカー)

トヨタの社長が昨年の株主総会でこう言ったそうだ。「ロバを連れながら、夫婦二人が一緒に歩いているとこう言われる。『ロバがいるのに乗らないのか?』と。ご主人がロバに乗って夫人が歩いているとこう言われる。『威張った亭主だ』。では夫人がロバに乗ってご主人が歩くと、今度はこう言われる。『あの旦那は奥さんに頭が上がらない』。それではと夫婦で揃ってロバに乗ったら、『ロバがかわいそうだ』」。要は『言論・報道の自由』という名のもとに、何を言っても批判が許される今のメディアの姿勢を皮肉った話なのだが、今回のオリンピックに関する報道はまさにロバと夫婦の寓話そのものであった。大会前には武漢ウイルスの感染が拡大するというので中止を叫び、なかでも朝日新聞は社説まで出しながら競技が始まれば各社手の平返し、系列のテレビ局を含めて「感動をありがとう!」の大騒ぎとあって、いかにメディアが劣化しているのか、近年これほど卑近な例はなかったであろう。


開催の可否と選手を応援するのは別のことだ、などと彼らは都合の良い言い逃れをするが、そもそも競技が行われなかったら感動などはなく、その機会をメディアが奪おうとしたことは永く記憶にとどめておかねばならない。それはさておき、昨日の閉会式で2020東京五輪は閉幕したが、オリンピックが無事に開催できて本当に良かったと思う。世界に向かって「おもてなし」をキャッチフレーズに開催が決まったオリンピックである。東京の真ん中で暮らしていても、オリンピックが武漢ウイルスの感染拡大に関係あるとは感じないが、100歩譲って多少の心配があったとしても、国際社会に対して大会開催を引き受けた以上は最大限の努力でミッションを完遂するのが日本人として、江戸っ子としての心意気というものだ。この調子でパラリンピックも無事に開かれる事を祈りたい。五輪と同じ時期に開かれた朝日新聞主催の高校野球の東西東京都大会は観客も多かったそうだから、パラリンピックは競技場に観客を入れてもよいだろう。


この2週間はテレビでオリンピックの各種競技を楽しませてもらった。競走部の後輩である山縣・小池両選手の400米リレーは残念だったが、田中希実選手や三浦龍司選手の入賞は陸上・中長距離の新時代を拓くものとして価値が大きい。競泳の大橋悠衣選手の2つ金メダルは素晴らしかったし、闘病から復活してメドレーリレーに出場した池井選手の力泳には画面の前で思わず涙してしまった。妻がボランティアとしてホッケー競技に関わったので、初めてこの競技を興味をもって見ることもできた。高齢者としては1964年の東京オリンピックくらいの種目数や規模で十分だとは思っていたのだが、スポーツクライミングやスケートボード、サーフィンなどの競技種目も目新しく楽しめたし、アメリカとの野球決勝戦は六大学野球で母校の優勝を待つような気持ちで画面に釘付けになった。日本の選手だけでなく、世界から集まった一流のアスリートの活躍を短期間にこれだけ沢山見ることが出来るのも、オリンピックならではであった。その中で日本の獲得した金メダルは何と27個で、米国、中国に次いで三位に入ったことは素晴らしいの一言である。


そして昨日の閉会式。古関祐而作曲の東京オリンピックマーチで旗手や選手の入場が始まったので、これは盛り上げるかと期待したが、その後はよく分からない踊りや、左巻きの大竹しのぶと子供たちの寸劇などが入って、冗長で白けてしまった。入ってくる選手団に日本酒でもふるまい、せっかく東京音頭が演奏されたのだから、選手とボランティアを含めた会場全員で踊ったほうが良かっただろうと思う。式の間の音楽も妙に凝ったものでなく、世界から集まった選手世代がよく知る日本のゲーム音楽やアニメの主題歌をもっと流した方が受けただろうし、リオで安倍さんが仮装して登場したような感じでマリオのようなキャラクターを出しても面白かったのではないか。花火もより派手に日本の伝統・技術が誇る派手なものを披露できたであろう。どうも選手ファーストと謳いながら開会式も閉会式もブツ切れの上に変なメッセージ性が感じられて、却って場の雰囲気を壊しておりその点は残念だった。とは云え、これでまず成功裏に2020東京五輪の聖火が消えた。関係者の皆さん、本当にご苦労様でした。次はパラリンピックでまた盛り上がろうではないか。

関係者送迎用に観光バスも日本中から集められていた。慣れぬ都内の道をお疲れ様。(名古屋・鯱バスと奥飛騨バス)
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2021年8月 5日 (木)

妻の東京オリンピック2020

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オリンピックの日程は早くも終盤となったが、それに先んじて妻のボランティア活動が修了した。2018年にボランティアに応募して以来、翌2019年春に面接、秋の代々木での共通研修を経て役割と会場が決まったのは2020年の12月であった。顧みれば武漢ウィルスによる大会の一年延期や、立憲共産党などのサヨクやマスメディアの煽動による中止運動、森会長の発言を意図的に切りとった辞任騒動によるボランティア大量辞退ニュースなどこれまでさまざまなことが起こった。武漢ウイルス騒動に対する菅政権のポピュリズム的弱腰政策に嫌気がし、早々にボランティア辞退した私とは対照的に、好奇心のなせる技なのか妻はどうしてもこれを体験してみたかったようだ。


妻の役割はテクノロジー部門の中の「ベニューリザルトチームメンバー(VRTM)」で、担当を割り当てられたのは大井ホッケー場で行われるフィールドホッケー競技であった。試合結果の何かに関係しそうな名称ではあるが、「一体何をするのやら想像がつかない」状態で臨んだ7月上旬の現地研修で、説明を受けて役割がやっとわかったそうだ。ホッケーはキーパーを含め11人が先発するが、リザーブに入ったベンチの5人との交代に回数の制限がなく、一度下がってもまたフィールドに立つことが出来るルールで、その交代で出入りする選手の背番号をベンチ裏の席から読み取って然るべき人に伝える係だった。


ベニューリザルトチームメンバーには、五輪開会式前に役割に対する2日間の研修があり、そこからユニフォームでの彼女の本格的な活動が開始した。実はオリンピック開催に反対するノイジーマイノリティーからの風当たりを考慮し、私服で会場に来て現場でボランティアの制服に着替えることも可能、と直前に案内が来たが、「何か言われたら睨み返してやる」と気を張る妻に「おう、堂々と行って来い」ということで自宅から青のユニフォームで出立する妻を見送った。この日の為に死にものぐるいで精進してきた次世代を担う世界のアスリートを援助するためなら、例え東京が少々犠牲になろうともそんなことは大した問題ではない、これぞ日本のホスピタリティだ、という気合と心意気を妻には体現して欲しいものである。


ホッケーのボランティアは開会式の翌日から実戦が始まった。大井のコンテナターミナル傍らにできた新しいホッケー競技場で、次々と入れ替わる選手の番号を読み取ってはトランシーバーで本部に伝える係や、それを手元のメモに書きとるのが現場で割り当てられた仕事であった。炎天下、一日4試合のうち2試合を片方のチームを2名~3名で担当するのだが、ボランティアは高校・大学のホッケー経験者が多いなか、妻のようにこれまでなんらホッケーとは縁のないおばさんたちや、大会が無観客になってしまったために別役割から振り分けらた人たちが混ざって、そこそこバランスよくシフトが組まれていたそうだ。最初は慣れない上に緊張したらしいが、経験を積むにつれ余裕も出て何となく試合の展開も追えるようになったと喜んでいるうち、準決勝までで彼女の役割は完了した。こうしてホッケー競技に関わるうちに贔屓のチームもできたようで、その後のホッケー競技の展開に妻は画面の前で歓声をあげている。

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東京2020その他のリンク
東京オリンピックまで2ヶ月切る ボランティアユニフォーム受領(2021年6月2日)

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