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2021年6月 7日 (月)

山縣君 日本新おめでとう 

20210606
6月6日NHKニュース7の映像より

陸上競技、男子100米で競走部の後輩、山縣亮太君が9秒95の日本新記録を出した。2019年には気胸を患いその後も度重なる故障で、一時は彼ももうこのまま終わるのかと心配していたがそこから見事な復活である。心からおめでとうと祝福したい。試合見学などでたまに日吉の慶應義塾の陸上競技場に行くと彼の姿を見かけることがある。ただ先輩といってもこちらはその他大勢のOBの一人であり競技の実績からすればまさに天と地ほどの差がある。競技人としては神様と奴隷のようなもので「よ、調子はどうだい」などと彼に声をかけるわけにもいかない。それでも「山縣は最近良くなって頑張っているよ」との話をいろいろな人から聞いていたから、東京オリンピックに向けてトレーニングを積んでいるのだろうと密かに期待はしていた。それが今回の記録は我が予想を上回る大記録である。追い風2.0Mの公認ギリギリだが「運も実力のうち」で、そもそも実力がない選手には運も味方しない。


新記録達成のNHKニュースでは陰に高野大樹氏と云う新しいコーチの貢献が語られ「重心の位置を前にしてバランスの良い走りをしたことが今回の記録に繋がった」とされていた。慶應の競走部には各パートのコーチの他に、アドバイサーと呼ばれる人たちがおり、たしかに高野氏も短距離部門のアドバイサーの一人としてその名を連ねている。ただ他のパートのアドバイサーは棒高跳びの丹羽清氏(法政大出身)や幅跳びの川越孝悦氏(日大出身)、臼井淳一氏(順大出身)などかつてそれぞれの種目の第一人者だった人たちで、高野氏の競技者として実績を知る者はほとんどいない。調べると彼は「フリーランス」の陸上コーチで埼玉大学出身、大学院では義足スプリントの研究をしており、その関係もあって山縣君と競走部の同期でロンドン、リオのパラリンピック2大会に出場した高桑早生選手のコーチを務めていたようだ。高桑選手の縁で知り合った高野氏のコーチングもあって山縣君が日本新記録を出したのだろう。インタビューで山縣君は周囲への感謝を口にしていたとおり、人の縁もこの記録達成に味方したと思われる。


今回の「布施スプリント」競技会の100米決勝には、棄権した桐生選手と在米のサニブラウン選手以外の日本のトップスプリンターが集結した。この中には2015年度の競走部主将だった山縣君のほか、2018年度の主将・小池祐貴君(住友電工)、2019年主将の永田駿斗君(住友電工)と3名の慶應の元キャプテンが名を連らねており、ニュース画面で彼らの雄姿を一挙に見ることができて感無量であった。5位となった永田君の10秒22は自己新であろうし、小池君は10秒13で3位と健闘。小池君は200米も得意な選手でまだまだ100・200とも伸びる余地がありそうだ。さて広島・修道高校時代から注目されていた山縣君がスポーツ推薦のない慶應を選んだ理由は「自由にのびのびと勝利を目指せる大学でないとダメ」であり、彼は「自由であることは自分ですべての責任を引き受けること」(慶應義塾ホームページ『KEIO TIMES』2019年5月17日)とその覚悟を述べている。この言葉のように彼は環境を上手に利用しケガや病気にもめげず自己責任でここまで伸びてきたが、新しいコーチを得て今後走りがどう変わっていくのだろうか。

山縣亮太君、高桑早生さん 慶應競走部リオ壮行会(2016年7月22日)

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コメント

バルクキャリアーさま
山縣選手の走りは誠に見事でしたね。幾多の苦難を乗り越えての日本新記録、実にアッパレです。感謝の気持ちを自然に表する姿勢も好感度抜群、応援し甲斐のある選手で五輪に期待です。

さて、スレ違いですが前記事のTOKYO2020のボランティアグッズはマニア垂涎の代物ですね。
TOKYO五輪の競技を純粋に愛するが故のバルクキャリアーさまのご辞退のご意向は少なからず共感致します。世界中の洗練された強者が集う清々しさの裏での魑魅魍魎の利権云々は是正されなければなりません。まぁ、それはさておき今はTOKYO2020の成功を祈るとします。

ボランティア参加の奥様を送り迎え等でアシストする。それは、バルクキャリアーさまにとって最高の形でのTOKYO2020オリンピック参加だと私は思うのであります。

M・Yさま

山縣選手や池江選手の頑張りを見ているうちに、東京オリンピックを応援したくなる人たちも増えてきたようですね。、最新の読売新聞の世論調査ではオリンピック開催賛成派が反対派を上回りました。今のオリンピックは商業主義に傾き過ぎで、私は1964年の東京大会程度の種目と規模に戻せないかと思っておりますが、それはさておき世界に約束したオリンピックは是非とも成功させて欲しいです。今の沈滞ムードを吹き飛ばすためにも、「気」が大事だと感じます。

それにしても武漢ウイルスの陽性者が増える時は、先週に比べて何十(百)人増と大騒ぎするのに、減る時は減少のカーブがゆっくりになっていますと必ず減少が否定的・懐疑的に報道されるのもおかしなものです。この騒動が「メシのたね」で、陽性者が減っては困る人たちがメディア始め幾つかの業界にいるのでしょう。

一部の理科系科学者からは「予想や対策が的を得ていない感染症学は学問に非ず」という意見まで出始めました。

また最近、米国・英国の政府が武漢の研究所で人工的にウイルスが作られた可能性をもう一度再調査すべし、としました。「陰謀論に惑わされるな」という声と共に、「陰謀論に惑わされるな、というのが陰謀だ」との説も出てますます混沌としてきました。後年この騒動から我々は何を学ぶでしょうか。

この夏の仕事はオリンピックボランティアの妻の朝・晩のショーファーになりそうです。


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