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2021年6月13日 (日)

鬼怒川温泉と東武ワールドスクエア 

20210612
バチカン サンピエトロ寺院 (後ろにエッフェル塔があるのがご愛嬌)

飲食店でアルコールが出ない都内にいてもしょうがない。新緑の候とあってどこか郊外に行こうかと妻と話すと、鬼怒川にある「東武ワールドスクエア」に行きたいと云う。世界各国の遺跡や有名な建築物を25分の1のモデルで再現したミニチュアワールドである。1993年に開園した当初は人気で大混雑したらしいが、さすが30年近く経て今では園内でゆったりと過ごすことができるだろうという目論見だ。都心から150キロちょっと離れた「ワールドスクエア」にクルマで行くなら温泉に浸かってゆっくりしようと、前夜は鬼怒川温泉に宿をとることにした。ネットで予約した旅館は週末というのにガラガラで、こんな値段で申し訳ないとこちらが思う程の至れりつくせりのサービスである。外出自粛の同調圧力など気にせず一歩足を延ばせば、鉄道も道路も旅館も安く快適に過ごせるというものである。


鬼怒川渓谷を望む露天風呂で朝湯を浴びた後、到着した「ワールドスクエア」は、予想通り土曜日と云うのに駐車場もガラガラだった。山裾にいだかれた敷地は周囲が約800米ほどで、ここに47の世界遺産を含む102のミニチュアモデルが展示されており、園内は植栽の整備も掃除も行き届いて快適にすごせるようになっている。順路に従って歩を進めると、まずは東京駅や国会議事堂、成田空港など現代日本ゾーンとなる。ひときわ目立つスカイツリーや東武鉄道の特急スペーシアの走行に目を奪われているうちに、アメリカゾーンに足を踏み入れるが、ここでは9.11で倒壊した在りし日のワールドトレードセンターの巨大な2棟のモデルが心を痛める。過去と現在が一体になり、時空を超えた疑似体験ができるのもミニチュアならではである。


大きなピラミッドのエジプトゾーンを通りヨーロッパゾーンに入ると、さすがに多くの建築物、城や教会、宮殿などのモデルが展示されている。ミニチュアと云っても25分の1の大きさとなるとそれなりに迫力があり、ベンチに座り薄目でぼんやり眺めていると、ヨーロッパに来て本物の建物の前にいるような錯覚に陥る。ガウディのサグラダ・ファミリアでは、写真やガイドブックで見るより建築中の内部の詳細が一目でわかりミニチュアの特性に興味を引かれることしばし。人物のフィギア一体一体にも工夫がありすべてが手の込んでいる展示なのだが、やはりヨーロッパゾーンを見ている時間が一番長くなる。万里の長城などが展示されたアジアゾーンを抜け、最後の日本ゾーンには馴染みの国内の多くの社寺仏閣のモデルがこじんまりと並び、これで世界一周が完了したことになる。


この間にかかった時間は2時間強で、歩いた距離を後から計測すると1300メートル、それぞれのゾ―ンで何度も同じように見かけるグループがいたので、我々の見学スピードは標準的だろうがけっこう歩きでがある。展示されているモデルは今年4月に完成した沖縄・首里城など新しく整備されたものもある一方、今はなきクルーズ船「ふじ丸」の展示は開園当初から在ったのか船体はかなり疲れている。採算的には厳しいのだろうが、現代日本を現すならば、最新の船舶に入れ替えることが必要だろう。現実にはなかったJR東日本塗色の新幹線100系や、旧JAS塗装のボーイング747(ジャンボジェット)がここでは堂々と活躍しているのもミニチュアならではのご愛嬌か。来る前はさして興味もなく妻の希望で来てみたものの、ぐるっと回ると童心に戻り旅心が大いに刺激された「東武ワールドスクエア」であった。来年、飛鳥Ⅱのワールド・クルーズが実施されたら、寄港予定地のバルセロナでサクラダ・ファミリアの実物を見学したいものだとあらためて心に刻んだひと時だった。

今はなきNY ワールドトレードセンター
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ふじ丸は船体がかなり疲れている展示
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