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2021年3月13日 (土)

膀胱がん+前立腺がん治療記(4/6)

20210313

103日間の飛鳥Ⅱ2018年世界一周クルーズはあっという間に終わってしまった。船上生活中は下半身の病気などはすっかり忘れており、このまま何もなかったことにして逃げてしまおうかとも思ったが、帰国後の診察日や生検入院も主治医の先生と決めてしまったからそうもいかない。久しぶりに自宅に戻った翌週、7月上旬に決まっていた予約の日は重い足を引きずり病院へ向かい、月末に予定する2泊の生検のための診察と諸検査を終えた。ところがその翌日午前中、家でクルーズの土産ものを整理してくつろいでいると、突如携帯電話に先生から電話がかかってくるではないか。「昨日の検査ではどうも膀胱の方が良くないので、今日午後に病院に来られますか」との事だ。病院から電話がある時はろくな事がない、とよく云われるので、妻に付き添ってもらい押っ取り刀で青い顔して病院に向かった。


先生の話では今度の尿検査の結果、膀胱がんが疑われるのですぐに内視鏡で確認し、月末の入院はもともとの生検の目的から全身麻酔による膀胱がんの内視鏡手術に変更、前立腺の生検はその時に一緒にしようというものだった。前立腺は今日明日の問題ではないので、膀胱が落ち着いた後にそちらの手術をしましょうとの事。よって今回の入院も当初の2泊予定から1週間に伸びることになると説明があった。天国のような洋上クルーズ生活の余韻も消えぬうち、一挙に地獄へ落ちたようなもので、「天国と地獄」とは正にこの事かと嘆きたくなった。こうしてあれよあれよという間に2018年7月末、膀胱がん除去手術のために入院させられることなってしまった。


当時の日記には「手術前夜は緊張で眠れず、夜中まで妻や姪とLINEをする」などとあって人生初の試練に狼狽する様子が誌されている。手術室にはオリンパスなどの光学メーカーの機器が沢山あって感心した事を覚えているくらいで、麻酔薬が点滴で体に入ったのかと思ったら、次は「はい終わりましたよ」の看護師さんの声で目を覚ましていた。身体中をチューブやらセンサーに繋がれ身動きがとれずストレッチャーに乗せられ、手術室を後に長い廊下の天井照明が流れ行くのを眺めながら、これは映画やテレビで見たような情景だが、それが現実に我が身に起きている事なのだと妙に覚めた頭で悟ったことを思い出す。妻には手術直後に先生から「膀胱の内壁にあったガンをすべてレーザーで焼き切りました」と写真入りの説明があったそうで、本件を割と軽い感じでとらえていた彼女は、焼け野原の様になった膀胱の内壁を見て「結構大変なことだったのかも」と認識したようだった。


手術後は日一日とセンサーやら管が抜け、ゴハンも五分粥から普通になっていき体が回復していくのがわかった。数日して残ったのは腕の点滴と、尿道カーテル及びその先にあるビニールの採尿バッグであった。膀胱手術後の血尿も時が経過するに連れて少しづつ色が薄くなっていくのだが、視界に赤みを帯びた尿がたまっているビニール袋があるというのはやはり何とも不快なものだ。高校1年生の姪が見舞いに来てくれた時に、思わず採尿バッグに目隠しのタオルをかぶせると、母親(義妹)は「私一人で見舞いに来た時にはお義兄さん、バッグを隠さなかったじゃない。おばあさんが入っている混浴風呂では何も隠さないのに、若い娘が入ってきたら急に前を隠す男性みたいな??」などと茶化して無聊を慰めてくれたのは良い刺激。内視鏡手術はやはり体への負担がそれほど大きくないようで、こうして1週間で無事に社会に舞い戻ることができた。(続く)

 

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