第97回箱根駅伝 関東学生連合・杉浦君
新春恒例の箱根駅伝をテレビ観戦する。後輩の杉浦彗君(3年・成蹊)が関東学生連合の主将として山登りの6区を走るので小田原にでも応援に行きたかったが、今年は沿道での応援は控えてという主催者の呼びかけである。沿道で応援しても三密になるわけでなく、何の関係があろうかと思うも、競走部やOB会からも現地での応援はしないようにとメールが来ているので仕方がない。それにしても画面から見る各校の選手は、半世紀近く前、我々が箱根駅伝を走った時代より総じて足が長くなり走る速度も隔世の感がする。何しろ今年の箱根駅伝の選手は1万米の記録で27分台の記録を持つものが8人、全体の上から20番目でも28分20秒を切っているから壮観だ。私が大学生だった時代に行われた1972年のミュンヘンオリンピック1万米決勝では、世界新記録で優勝したラッセ・ビレン(フィンランド)の記録が27分38秒34で、今の大学生の上位は、当時なら各国のオリンピック代表クラスの選手が揃っていることになる。いやはや時の経過と共に進化する記録の変遷には目を見張らされる。
関東学生連合チームは箱根駅伝の予選会で敗退した学校から各校一人、本番に出場した経験のない日本人の選手が記録の良い順に選抜されている。選ばれた各選手はそこそこの力は持っているが何せ寄せ集めのチームだし、山登り・山下りなどポイントの区間を始め、各区間に適材の選手が抜擢されるわけではないから近年は低位に甘んじているのが実情だ。チームもオープン参加で各選手の記録も参考記録扱いになるが、選抜されて大舞台で走った経験を持ち帰ることで、それぞれのチームや選手のモチベーションアップになることが期待されている。長い間、チームとしては予選で敗退して本レースに参加できない母校だが、学連選抜チームに選手を輩出するのは2年ぶりで、これを機に全体の力も向上してほしいところだ。
画面を見ていると高速レースが予感された1区が団子状態のスローペースで、学連チームの難波選手(麗澤大)は僅差の区間10位と期待を持たせる位置でタスキを運んできた。しかし各校のエースが揃う2区では亜大の河村選手が区間21位で順位を大きく落とす。1万米が28分台後半の記録を持つ河村君も、27分台や28分そこそこで走る各校の2区の陣容の中ではこの順位も仕方なしか。3区中央学院の小島選手や4区立教の中山選手も区間18位相当の走りで山登りの杉浦君にタスキが亘る。この時点でシンガリの一つ前だが、チームの主将らしい走りをして1日目を締め切ってくれと画面に向かって声援を送った。約1時間後、テレビ中継が往路のゴールの様子を伝える中で、順位は変わらずブービーメーカーで杉浦君はゴールのテープを切った。彼のひょろっとした体形や走姿からすると、山登りの5区はあまり適所とは言えないのではと危惧していた通り、個人記録は区間で最下位というのは残念。ただ初日のゴールとあって彼の雄姿が校名とともに画面で大きく映し出されたのが嬉しい一瞬ではあった。復路の学生連合の盛り返しと、いずれの日にか母校のチームとしての出場を願いつつ、テレビ中継を眺める1月3日である。
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