« しなの鉄道・ろくもん | トップページ | ★貨物線乗車の旅★お座敷列車「華」で満喫 首都圏ぐるり旅 両国発品川行き »

2020年11月23日 (月)

えちごトキめき鉄道・雪月花

20201123
ET122型気動車ベースの雪月花

大人の休日倶楽部が催行する【予約が取りにくい人気の観光列車を一度に楽しむ!信越の海・山・里の景色とこだわりの食を堪能『ろくもん』と『雪月花』 】、2日目は「雪月花」乗車である。長野駅直結のホテルメトロポリタン長野に宿泊した我々は、翌朝9時にロビーで集合し、「雪月花」が出る上越妙高駅まで新幹線で移動した。因みに「雪月花」は中国の詩からの引用で美しい自然の情景を示す語だと云う。「雪月花」が運転される「えちごトキめき鉄道」は、北陸新幹線の長野・金沢間開業(2015年)に伴い、旧信越本線の妙高高原から直江津間を「妙高はねうまライン」とし、旧北陸本線の直江津・市振間は「日本海ひすいライン」と名付けて開業した新潟県内の鉄道である。「トキめき」のトキは佐渡に渡ってくるトキ(朱鷺)を、「はねうま」は妙高山に雪解け時期に現れる馬の雪形を、「ヒスイ」は糸魚川地区が翡翠の大産地なのが線名の由来だそうだが、新幹線開業で分離された平行在来線は、全国どこも名前がキラキラ過ぎだ。第三セクターで営業のために目立つ必要があったにせよ、信越鉄道とか越後鉄道あたりが、オールド鉄道ファンにはしっくりくる。


「雪月花」の出発駅である上越妙高駅は信越本線時代には「脇野田」駅という地味な駅だったが、今は新幹線から直江津方面への乗り換え駅となり、駅前には早くも全国チェーンのビジネスホテルが建っている。「えちごトキめき鉄道」の問題は旧信越本線部分(妙高はねうま線)が直流で、旧北陸本線(ひすいライン)部分は直流と交流が混ざって電化されているために、同じ会社でありながら両線の車両が簡単には相互乗り入れできない点にある。このためリゾート列車を設定するにあたり、在来の電車を改造した車両ではなく、両線で運転可能な気動車として「ひすいライン」に配備されるET122型気動車をベースに新造されたのが「雪月花」である。2016年度グッドデザイン賞や2017年鉄道ローレル賞の賞状が「雪月花」車内に掲示されているように、パノラマウィンドウを採用し専ら観光列車用に新規設計された車両なので、一歩足を車内に踏み入れるだけでリゾート気分が盛り上がる意匠となっている。


10時19分に上越妙高駅を出た「雪月花」は、妙高山を右手に臨みつつ「妙高はねうまライン」を信越国境の妙高高原駅に向かってゆっくりと登っていく。途中スイッチバックの二本木駅で降り立つことができるが、ここは日本曹達・二本木工場の玄関駅で、かつて駅構内は旅客や貨物列車の往来で賑わったことが伺える。この駅をスイッチバック方式にしたのは停車した列車を引き出すのが困難だったためとの説明で、往時のD51で長大編成の貨物列車を始動させるのが如何に大変だったのかが想像できる。ホームから目の前の日本曹達の工場を見ていると、なぜ直江津ではなくこんな山間部にソーダ灰や塩ビの工場を作ったのか、原料の塩はどこから運んできたのかなどと疑問も次々と湧いてくる。鉄道遺産を訪れるとわが国の産業史が垣間見られ、中高年の脳にはなかなか良い刺激だという気がする。


都内の二つ星レストランシェフが越後の食材で調理したフレンチの重箱料理を楽しみつつ、妙高山の雄姿を眺めるうちに妙高高原駅で列車は折り返し、今来た線路を直江津に向かって下る。腹も一杯になった昼過ぎ、列車は直江津で再び進行方向を変え、今度は右手に日本海を望みつつ裏日本縦貫線の一部である「日本海ひすいライン」を走り始める。糸魚川向き先頭車には展望デッキがあり、食後のひと時はここで運転士の一挙手や、海岸線の前面展望を楽しめるのも観光列車ならではだ。途中の頚城隧道(くびきずいどう)には筒石駅というトンネル内の駅があり、地上へ至る階段を見ることができるように列車は停車する。この駅から地元の人が利用する300段弱の階段を、限られた停車時間なので地上まで駆け上がってみたのだが、筋トレのような勾配は満腹後の腹ごなしにちょうど良い運動となった。こうして「雪月花」は13時16分に終点・糸魚川駅に到着し、昨日の「ろくもん」に続き連日昼からの豪華飲み食いの旅は終わった。2日間に亘り極楽の道中だったが、グルメとは趣向を変え、産業遺産・鉄道遺構を訪ねる特別列車があったら人気が出るかもしれない。いずれにしても鉄道の旅は色々な発見があり、薄れかけていた知的好奇心が大いに刺激されるようだ。

フレンチのお重
20201123_

二本木駅スイッチバック
20201123_20201123130201

« しなの鉄道・ろくもん | トップページ | ★貨物線乗車の旅★お座敷列車「華」で満喫 首都圏ぐるり旅 両国発品川行き »

鉄道」カテゴリの記事

コメント

バルクキャリアーさま、おはようございます。

「ろくもん」に続き「雪月花」の記事、これまた大変興味深く拝読しました。一言で感想を述べると「経営の勉強になる」ということでしょうか。三セクは人口が先細りする地元民の乗車だけでは到底経営は成り立たず観光を絡ませ都市圏からの乗車客(コア客)を引っ張る必要があると思いますが、「産業遺産・鉄道遺構を訪ねる特別列車」の企画とはその着眼点の素晴らしさに脱帽です。鉄道沿線の町おこしにも繋がり皆がハッピーになれそうです。バルクキャリアーさまからすると経営が苦しい「三セク鉄道」も宝が散らばっているよと言うことでしょうか。

我々中小企業も「万人に受けるモノ・思想」で勝負しようとすると大手に簡単に喰われてしまうので「ニッチ戦略」が肝要で、その為には柔軟な発想で自分の「ストライクゾーン」を広げておく必要があると考えます。
そう言った意味ではバルクキャリアーさまの記事は南阿蘇から動画でメッセージした通り「勉強になり感謝」なのです。8月14日にUPされた「WAKASHIO座礁油濁事故を考察する」がどれだけ役立ったことでしょうか、意外なところで「人助け」にもなっています。ここでは述べられませんが盃を交わす機会にでもお話しします。それでは15代目クラウンRSで首都高ぶっ飛ばし羽田に向かい沖縄に飛ぶとします。

※昨日のラグビー早慶戦は大熱戦でしたね、明治を倒した慶應伝統の「魂のタックル」で早稲田に勝つのでは思っていましたが大学選手権でリベンジですね。早明戦は勝っても負けても明治らしく「重戦車」で前に押して戦ってほしいと期待します。

M・Yさま

過分な言葉をいただきまして面映ゆい気持ちです。

私は原料輸送という仕事から、これまでいろいろな産業の多くの工場を見る機会がありました。様々な工夫と立地、ロジスティクス、生産管理など感心する事しきりでした。また工場に据え付けられたモーターや電動工具・器具、ねじに至るまで、主に国産メーカーのものが使われている事に日本の工業の底力を感じました。

中国やアジア諸国の工場も現役時代に見学する機会が多々ありましたが、最新の機械が備えられても、すぐ横の備室はゴミだらけだったりと日本では考えられない場面もありました。

こういう日本の工業力やその発展の歴史に興味を持つシニアー世代も多いのではないでしょうか。今回も二本木駅で昔の貨物の積み下ろしの写真や説明、工場への引き込み線の跡などを辿れればより面白かったと感じました。

グルメ列車も良いが、工場見学を含めた鉄道の旅があれば大いに興味が湧きます。

因みに今週末は大人の休日倶楽部で「貨物線の旅」に参加予定です。

15代クラウンにお乗りですか。良いクルマなのでしょうね。今のBMWもそろそろ歳なので買い替えもチラと頭の隅をかすめ、やはり国産セダン車に戻ろうかと思っているのですが、レクサスはあまりにも「それらしく」て気が進みません。ニッサンはセダンを売る気がないなので、やはり人生最後の買い替えはクラウンかなどと考えていました。ただトヨタはクラウンの次のモデルチェンジはないと聞いて、ちょっとがっかりしている処です。トヨタの考えも良く分からなくなってきました。

沖縄で早くも忘年会だったでしょうか。飲みすぎに気をつけて楽しんで下さい。


バルクキャリアーさま

世界の工場にてネジに至るまで日本製を見て国力を実感出来たとは幸せで誇らしいお仕事でしたね。自虐的な歴史感、教育で日本を誇れなくなっている軟弱な連中や若者にバルクキャリアーさまの話を聞かせたいですね。「今は負けているけど将来は逆転する、勝利に辿り着く」、「気持ちだけは絶対負けない」等々の気概は持って欲しいものです。

クルマは30代~40代前半はBMW等ドイツ車でしたが、2007年から日本を代表する車との思いからクラウンを5台(第12代のゼロクラ~15代)乗り継いできました。加速時に感じるBMWの「駆け抜ける喜び」には劣りますが全体的に良く練れて日本人には満足度の高い車だと思います。海外展開しているレクサスに対しクラウンは国内仕様のみというのも気に入っています(14代からの巨大フロントグリルは賛否が分かれますが私は好きです・笑)

それがバルクキャリアーさまのご指摘でもあるように2022年で現行モデルを終了しその後はSUV仕様にして海外展開とは残念と言うか本当だったら怒りを覚えます。確かにミニバンが蔓延りセダンが売れなくなっていることは分かります(メルセデスのEクラス値引き提示額は驚愕でした)がトヨタには日本のセダンの砦は守って欲しいと願います。

さて、今宵も那覇にて今年第2回目の忘年会がありますので、それまでホテルでワーケーションであります。首里城近くの18Fの部屋から街並みを見下ろし、窓からの心地良い風を受けると仕事も捗るとしたものです。

M・Yさま

沖縄は快適のご様子。東京は雨のち曇りの冴えない天気です。

「いつかはクラウン」世代の我々からすると、クラウンの次のモデルが出ないというニュースはとても残念です。先日ベルファイアを運転する機会がありましたが、エンジンのトルクはそこそこあってもアンダーステアで山道は思った通りに曲がらない、ボディの重さで狙ったライン通りに走らないと、この種のクルマはFUN TO DRIVEではないと改めて実感しました。時代は繰り返すですから、またセダンとスポーツモデル復活の日が来てほしいです。メルセデスのセダンがそんなに割引するなら、今度ディーラーを冷やかしてみるか(笑)

日本の工業力は底力はあるものの、三菱重工のMRジェットやAIDAクルーズ向け客船の失敗例を見ると、最近の重工長大産業はシステムインテグレーターとしての役割が求められ、その部分が日本人はうまくないのかな?と思ったりします。私は第一線を退いて、これらの産業の現役前線で働いている方々の意見を聞く機会もないのですが、そのあたりはどうなのでしょうか? もう一つ気になる点は、若い世代が基本的に満ち足りた世代で、彼らは優秀ではあるが総じて纏まりすぎ、ルールを逸脱してもやり遂げる、人がどう言おうとやってみる、脱線しても完遂するような人材が少なくなっていると感じることです。ポリティカルコレクトネス=建前ばかりが先行する世相がそれを一層助長していると思います。M・Yさんはどうお考えでしょうか?

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« しなの鉄道・ろくもん | トップページ | ★貨物線乗車の旅★お座敷列車「華」で満喫 首都圏ぐるり旅 両国発品川行き »

フォト
2021年1月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ