早稲田大学・早川君の好投
キンモクセイの匂いが漂う季節になった。昨日はこの時期の恒例行事、東京六大学野球秋季リーグ戦観戦に神宮球場へ行ってきた。第一試合の早稲田 対 法政戦は早稲田の早川君、第二試合の慶應 対 立教戦では慶應の木澤君とプロ野球ドラフト会議で上位指名が予想される両投手の登板が楽しみである。六大学野球の今季リーグはウイルス対策で上限5000人の入場制限となっているが、この日は好カードとあって入場するとどう見てもそれ以上の観客で賑わっている(もっとも公式発表は2試合とも観客5000人)。場内ではもし感染した場合の連絡体制のために、スマホでQRコードを読み自席をカメラで撮影してくださいなどとアナウンスが呼びかけているものの、スタンドの周囲にはそんな事をする人はまず見られない。なにしろ高齢者の多い六大学野球の観戦者には、スマホでなくガラケーの人も目立つから求めること自体が無理というものではなかろうか。
さて第一試合のマウンド、注目の早稲田・早川君(4年・木更津総合)はもともと球が速くて良いピッチャーだったが、4年生秋になるまでは9勝12敗と大事なところで勝ち切れていなかった。ところがこの日は速球に加え球が思ったところへコントロールされて四球はゼロ、精度の高いピッチングで法政打線を4安打におさえ13三振を奪う圧巻のピッチングだった。スタンドで見ていても彼の投球が強打の法政打線に連打を浴び打ち崩される気配は微塵も感じられなかった。早川君は最後のシーズンを迎えてなにか一皮むけたようで、これでネット裏に詰めかけた言われるプロ野球スカウトの評価も一段と上がったことだろう。背番号10のキャプテンでグランドの仕草一つ一つもナインを引っ張っていることが分かる好漢とあって、来年はプロに進んでから活躍して欲しい選手だ。
それに対して第二試合の慶應の木澤君(4年・慶應)の方は、どうも制球がままならない。速球が高めに浮いたり変化球がワンバウンドしたりと球を受けるキャッチャーの福井の動きが忙しい。自慢の速球も150キロを超える球は少なく、ほとんどが140キロ中盤から後半である。せっかく2ストライクをとっても、球にキレがないのか立教打線にファールで粘られカウントを悪くし、最後は置きにいった球を打たれるという感じであった。幸い慶應打線が爆発してこの日は余裕で投げることができたが、木澤君のピッチャーとしての完成度はこれからと思われた。この日のピッチングでプロの評価はどうなったであろうか。こうして馴染みの場所でひがな一日、どの学校の選手でも孫のような若者の溌剌としたプレーをゆっくりと眺めていると、なぜか心が軽くなった気がしてさわやかに帰宅したのである。
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