銀座 LA BETTOLA(ラ・ベットラ)の夜
油の乗った穴子とサラダ、雲丹のクリームスパゲッティ
「日本で一番予約のとりにくいイタリアン」と呼ばれる落合務シェフの銀座一丁目"LA BETTOLA da Ochiai"に9月4日(金)の夜に行ってきた。飛鳥Ⅱの2015-2016南極南米ワールドクルーズで知り合い、以後しばしば都内で夕食を共にする仲良しのご夫妻が私の快気祝いを催して下さったものだ。もう一つ、この秋に催行予定の飛鳥Ⅱ就航30周年記念「アニバーサリー・オープニングクルーズ」を申し込んでいたら、これがウィルス騒動で中止なったので弔い合戦の意味もある。このクルーズは5泊の船内で「BETTOLA」の落合シェフの他、フレンチ「ラ・ロシェル」の坂井宏行シェフ、「赤坂四川飯店」の陳健一シェフ、「つきじ田村」の田村隆シェフによる「和仏伊中」のスぺシャルディナーが供されるのが売り物で、以前より乗船を楽しみにしていたのだが、この状況下ではクルーズが行われないのもやむなしか。「飛鳥の仇は銀座で討つ」である。
"LA BETTOLA"の住所は銀座一丁目とあるものの、実は昭和通りよりも海側で地下鉄・宝町駅にも近く、以前は木挽町と呼ばれた場所に店を構えている。このあたりは江戸時代初期に、江戸城を作る木挽きが多数住んだと云われる職人の町で、銀座といっても昔からの小さな店が残っている庶民的な街だ。その一角にごくひっそりとあるLA BETTOLA前の路上は昼の部も夜の部も、時間になるといつも開店を待つ人の群れができており、ここがいかに人気のあるレストランなのかがわかる。素晴らしい素材に、本場仕込みながら日本人の口にもあう味付けのイタリアンが、夜のコースでも4500円というごくリーズナブルな料金で食べられることが人気の秘密なのだろう。
その夜、私がチョイスしたのは脂の乗った穴子サラダ、スペシャリティの雲丹のクリームスパゲティ、ほどよい食感の豚のカツレツと、どれも期待を裏切らない味で、夜の更けるのも忘れクルーズ再開の期待や友人たちも苦戦しているダンスレッスンの話などで盛り上がった。料理の途中で落合シェフが挨拶に顔を見せたが、ここの顔である友人夫妻によると、ウイルス騒動で落合氏のゲストシェフ出張や講演などがなくなり、店に毎日顔を出すので従業員は気が抜けなく大変らしいとのことである。すっかり話し込んで長居をした帰り道、妻と二人ぶらぶらと地下鉄の駅まで歩くと、金曜日の夜だというのに銀座界隈はまだ人通りが戻ってこないのに気付く。柳の並木道が早く人出で賑わうようにと、酔いにまかせて「待ち合わせてあ~るく銀座♪」「みゆき通り、すずらん通り、二人の銀座♯」と山内賢と和泉雅子の「二人の銀座」を歌いながら家路についた。
金曜の夜というのに人出もまばらな銀座並木通り
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バルクキャリアーさま
金曜夜の銀座並木通りがこの閑散とは寂しい限りです、「LA BETTOLA 」と聞くと西新宿の私のオフィスから徒歩1分のN村ビルにここから暖簾分けした店があり今までランチ時はOLで流行っていたのですが、今週末にて当面休業との案内を本日発見、飲食業界の厳しい現状を目の当たりしました。
それにしても、銀座の「LA BETTOLA da Ochia」で友人からの快気祝いとは誠に喜ばしいですね、バルクキャリアーさまの人柄が伺えます。文中に「酔いにまかせて~」とありますが、術後間もないのに「コーラ」から卒業されたということでしょうか。一献交えれば諸々話が盛り上がり楽しい時間を過ごせるのではとふと思いました。
投稿: M・Y | 2020年9月 8日 (火) 23時27分
M・Yさま
こんばんは。LA BETTOLA新宿のお店は当面休業ですか。本当に厳しいご時勢です。一日も早く経済をもとに戻すことが必要だと私は思います。
そんな時に革新派の世田谷区長は、介護施設や保育園で働く職員など2万3000人に無症状でもPCR検査をすると伝えられています。ただ陽性者を増やして騒ぐだけの行政かと。しかも検査を受けた人も翌日はどうなっているかわからないのに。まったくサヨクは何を考えているのか。普段は自由だ人権だと言っているが、彼らの本音は全体主義である事がこんどの武漢ウイルス騒動で露呈したと思います。バカのクラスターがどこにもいるのですね。
さて術後の一か月検査で、主治医に「普段通りの生活に戻っていいですか?」と質問したら、「結構です、体もできる範囲でなるべく動かして下さい」と云われたので、「普段通り」に晩酌やアルコールは再開しています。病院で「お酒はどうですか?」と敢えて聞くと、「あまりよろしくないですね」とほとんどの医者は答えるので、いつも「普段通りでは?」という質問をするようにしています。もっとも私の主治医は普段からあまり抑制的な事を言わず、「まあ適度なら普段通りに」というタイプなのでその点は安心しています。私自身は臆病なので酒は本当に晩酌程度、ジョギングも無理ない速さでゆっくり走り始めています。
台風が来たりまだ暑かったりですが、毎日のお勤めにM・Yさんも体には留意してご活躍下さい。
投稿: バルクキャリアー | 2020年9月 9日 (水) 00時57分
ご退院おめでとうございます。まだ暑いですのでお体ご自愛ください。
ご馳走おいしそうですね、落合シェフのお店私も行きたくなりました。
今我々は異様な社会に置かれていますね。まず、小さな子供まで「マスク社会」私には虐待に思えますが本当に異常ですね、人の表情がわかりません。飛行機・電車に乗るにもマスク着用の要請、おかしいと思いますが、コロナ脳の方には何を言っても話が通じませんね。
日本のクルーズ船再開しても自室以外はマスク着用になるのでしょうかね、船旅の楽しみ解放感がなくなりますね。
これでは乗船する気持ちになりません。
新政権になって少しでも改善することを願っています
投稿: にっぽん丸 | 2020年9月10日 (木) 08時42分
にっぽん丸さま
コメントありがとうございます。世の中には心配しなければならないことが沢山あるし、日本では重症者や死者が極めて少ないのに、武漢ウイルスだけを特別に怖がるさまは、まさに「集団ヒステリー」状態ですね。これを取り上げると視聴率が上がるので、煽りに煽るメディアに踊らされている世相がなんとも残念です。
まず経済を回す事を政治家は考えてほしいと思います。
クルーズが日本で再開されても、マスク着用にパブリックスペースでは余り口を開けるな、などという事になりかねません。ダンスも禁止となると、いま、せっかく夫婦で通っているダンスレッスンも無駄になるかもと心配です。とにかく早く皆で平常心を取り戻したいです。
投稿: バルクキャリアー(ブログ主) | 2020年9月10日 (木) 10時29分