« ブルーインパルスの都心飛行 | トップページ | 飛鳥Ⅱ 2021年世界一周クルーズ 予約でいっぱい? »

2020年6月 1日 (月)

トランプ大統領の発言

20191220_20200601122301

米国大統領補佐官のピーター・ナヴァロが「米中もし戦わば」を出したのが2016年で、勃興する中国の脅威を描いたこの本は当時大きな話題になった。経済成長するにしたがって「民主的」な「普通」の国になると期待された中国に対して懐疑の目を向けた時宜を得た書であった。その後、2018年秋にペンス副大統領が中国批難の演説を行った通り、米国は国の基本方針として中国と対抗することを決め、そのシナリオ通り昨年には米中貿易戦争が起きたのである。


ただ国策の遂行とは云え、トランプ大統領の個人的な資質から発せられる率直すぎる発言と、その矢継ぎ早の施策は世界を驚かせている。武漢ウィルス騒動で中国寄りの運営がなされているWHOからの脱退と、中国が香港に国家安全法を導入する事に対抗して、香港への各種優遇措置を撤廃するとの発表が最近なされた。さらに今年開かれる米国でのG7にロシア・インド・オーストラリアや韓国を招待するも、中国は招待しないという露骨な「中国外し」も彼は考えているとされる。世界中のリーダーが大して意味のないリベラル的ポリティカルコレクトネスとやらに縛られる中、そんなものに捕らわれない彼一流の直截な姿勢を私は好ましく思っている。


東西冷戦が終わり世界は一つとなって結びつくかと思われていたが、ここに来てトランプと習近平という個性的な両指導者の下、いよいよ米・中が地球を二分する囲い込み覇権レースが始まったようだ。では日本はどちらの側につくのだろうか。おりしも5月31日読売新聞「あすへの考」では「コロナ禍で見えたこと」としてフランスの歴史学者エマニュエル・トッドが「一つ断言できるのは、日本も含め先進諸国は今、米中対立を巡る自身の立ち位置を決めねばならないということです」と述べている。これらの動きに対して今朝の同紙には「日本政府が(両国の)対立深化を懸念」とあるように、まだ政府は中国にも良い顔をしたがっているようだ。安倍政権はアメリカ側に付きつつも中国とも良い付き合いをしたいという、ユートピア的願望の実現が可能だと考えているのだろうか。


わが国は安く物を作れ巨大な市場を擁する国として中国に接近したが、武漢ウイルスでも明らかな隠蔽体質、毎日継続する尖閣諸島への公船の進入と脅し、南シナ海の軍事基地化、ウイグル自治区での人権侵害などどれをとっても共に手を携えて進める国ではないことがわかった。また中国は困った時には日本に擦り寄ってくるが、それが何も意味しないことは日中間の歴史を見れば明らかであった。こうして見れば「延期」になっているらしい習近平の国賓招待を直ちに「中止」するのはもちろん、欲の皮に目がくらんだ国内の媚中・親中派を排し、トランプ政権の率直な施策に賛同する事が今の安倍政権には必要だと思う。ただし、安全保障の面では世界の警察を諦めたかの如き米国に過大な期待をせず、憲法を改正して「普通」の国となり、必要な軍備を整える事がわが国に課せられた喫緊の要事といえよう。トランプ大統領の発言は、我々に様々なことを気づかせてくれる。

« ブルーインパルスの都心飛行 | トップページ | 飛鳥Ⅱ 2021年世界一周クルーズ 予約でいっぱい? »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

外交・防衛政策こそが国の根幹のはずですから、現政権は中共に対しては毅然とした態度で対峙して頂きたいと強く思います。ビジネスにおいて中共に痛い目に遭った経験がありますが、はやり付き合いはしても心までは許してはいけない相手だと痛感しております。

この記事はまさに我が意を得たりの内容でした。媚中派の国会議員は一掃されて欲しいですし、国民もマスコミの一方的なつまらない報道を付和雷同的に信じ自らの判断基準を失い、コロナ脳に侵され自粛警察等で同胞を攻撃するのではなく国際的視野を持って国を思わないといけませんね。先週末のブルーインパルスの東京上空の飛行は大変嬉しいものでしたが、次は是非とも尖閣上空でもやってもらいたいと思います。
大打撃を受けた飲み屋を徐々に応援しに周っておりますが盃を交わせばこの辺りの話は盛り上がりそうですね。

M.Yさん
コメントありがとうございます。同じ肌の色でも中国や韓国の人たちと日本人のものの考え方はかなり違うと思います。個人個人としては良い人たちであっても、家族や組織の単位になると中・韓と我々ではこうも論理が違うのかと驚かされたことがよくありました。

その点では所謂アングロサクソン系の人たちは、物事が決定するまでは文章化して一つ一つが大変厳しくとも、一旦決まった約束や法を守るという点は日本人と相いれるようです。近代に入り一旦手に入れた領地を、約束通り変換したのは米国や英国でした。50年は自治が保証されると決めて香港返還の合意がなされても、英国人が考える決め事と中国人の決め事は同じものではなかったという事が今回あらためて実証されたと私は思っています。

福沢諭吉はこれらシナ人、朝鮮人の実態に危惧を抱き、早くから脱亜入欧を説きましたが、今も彼らの国民性は何ら変わっておりません。善隣友好だの友愛だのという綺麗事はやめ、たとえ目先の経済に大きなダメージがあろうとも、国家の大計を考えれば日本は中・韓から一歩も二歩も距離を置くことが必要だと確信しています。
トランプの無茶っぷりが、こんな事を気づかせてくれるので、私は彼が好きです。

M.Yさん、武漢ウイルスが終われば杯を交わしたいですね。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ブルーインパルスの都心飛行 | トップページ | 飛鳥Ⅱ 2021年世界一周クルーズ 予約でいっぱい? »

フォト
2024年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ