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2020年4月23日 (木)

武漢ウイルスよりこわいもの

「権力の暴走に歯止めをかける」はずのメディアが暴走している。もっと国民全員にPCR検査を、であるとか政府の対応は中途半端で生ぬるいし遅すぎるなどと世論を煽りに煽っているようだ。まるで大東亜戦争の際に「欲しがりません勝つまでは」とスローガンを掲げた当時の大新聞社を彷彿とさせるものがある。そういえば当時は「撃ちてしやまん」やら「一億総玉砕」などというスローガンもあったが、今のネットニュースやワイドショーなどは、外出する者をまるで「非国民」扱いしているかの感がある。経済の破滅を阻止し財政規律を保ちながら冷静に防疫対策を行う政府の慎重な防疫対応の方が、よほど抑制的でバランスが取れているが、さんざん安倍政権は独裁政権だとこれまでキャンペーンを張ったメディアが、いまや政府に強権的かつ人権抑圧さえいとわぬ態度を求めるのはまことに皮相な現象といえよう。


思い出すのは近年の安全保障に関する法案の審議の最中に「戦争法案が通れば徴兵制復活」などと寝とぼけた事を言っていた人たちの事だ。武漢ウイルスという国難に際して「個人の自由」の観点から政府が抑制的な態度を今でも保持しているのをみるにつけ、もし一朝、わが国に安全保障の有事があれば「一億火のたま」などと言って挙国一致を焚きつけるのは政権側ではなく、いま「政府のやる事が遅い」と騒ぐ「メディア」やいわゆる「識者」「評論家」「ジャーナリスト」側なのだろうと思える。要するに彼らはいかなる場面でも「政府のやる事はなんでも反対」「ただ批難をしたいからイチャモンをつけているだけ」ということのようで、日頃彼らが金科玉条の如く唱える「個人の自由」や「人権」などは、有事には平気で踏みにじっても良いと考えるに違いない。


この際、大新聞の一社、あるいはテレビーキー局のなかの一社でも「武漢騒動を収束させる事も大事だが、経済を死なせないことはもっと大事である」や「人の自由な往来を法の厳格な適用で半強制的に行うのは、大きな問題を将来に残す」という観点から独自の論陣をはれないものだろうか。「挙国一致」の空気は危険な兆候であると主張し「メディアは政権の暴走を監視するのが義務」とこれまでさんざん政権を批判してきた連中が、武漢ウイルスの問題になると、政治や行政の対応が生ぬるいと強権的な手段を求め、超法規的とも思える措置まで主張するありさまに違和感を感じてしょうがない。彼らは隣の韓国が武漢ウイルスの収束に成功などと報道しているが、人口が日本の半分以下で若年層の比率が高い社会とわが国を比べても意味ないのに、第一の権力になったメディアの暴走には歯止めがかからないのだろう。そういえばマイナンバーに反対と言ったメディアや識者が、今もっと早く10万円を支給しろと騒ぐのも自己矛盾もよいところだ。

 

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