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2020年4月19日 (日)

クルーズ船の感染対策

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カリブ海のクルーズ船メッカ、ナッソーにて(2011年6月)

武漢ウイルスでは関係者の必死の努力をよそに、生かじりの知識でここぞとばかり勝手な持論を述べるコメンテーターや評論家がネットやワイドショーで跳梁跋扈し、批判の為の批判を繰り広げるさまにあきれるばかりだ。最近はバカらしくなってテレビもほとんど見なくなった。こんな時には武漢ウイルスが収束し、不安なしに国内・外の旅行に出かける日が来るのを夢見ることにしている。もっともクルーズ船は、いまアメリカのCDC(疾病予防管理センター)から100日間の運航停止措置が講じられているが、この騒動が収まり運航再開となっても、これまでと同じようにビジネスを続けられるだろうか大きな不安が残る。ダイヤモンドプリンセスでの集団感染が記憶に新しいなか、その後もオーストラリアやアメリカでクルーズ船で同じ問題がおこり、そのうえアメリカやフランスの空母で乗り組み員の集団感染が報じられると、フネが感染に弱いという認識が世界中に広まるのではなかろうか。


これまでもノロウイルスやSARSによる感染危機を乗り越えてきたクルーズ船業界である。ただ今回の騒動のインパクトの大きさや世界中に汚染が広まってしまった事を考えると、クルーズ船の主たる顧客である高齢者の中には、乗船をためらう者も多くなるのではないか。考えてみれば武漢ウイルス騒動が始まるまでは世界の海域でクルーズブームがおこっており、欧州の新造船ドックは2023~2024年までは建造予約が一杯、その後の契約についても商談が進んでいた。しかし現在の苦境と、運航再開後も元に戻るには相当の時間がかかるという想定から、すでに一部のドックと船主の間ではとキャンセル交渉が始まっていると伝えられている。航空機と同様に数百億円の動産を整備し、それが稼働しないという地獄が船主に待っているかも知れないのだ。現にここ10年間、次々と巨大クルーズ船を就航させたアメリカのメガクルーズ船会社は、いま資金繰りにいろいろな算段を始めていると報じられているが、クルーズと云えば「不要不急」の代表的な業種だから、充分な援助などを得るのはそう簡単ではないだろう。


我が日本船もしばらく運航を休止しているが、飛鳥Ⅱやにっぽん丸は上場する老舗大手海運会社の連結対象子会社である。資金繰りについては当面問題なかろうから、こちらは事態の進展待ちで静観といったところだろうか。ただ運航を再開した後に、これまでのようにリピーターの高齢者層が心配なく乗ってくれるのかやはり疑問は残る。もっともピンチの後にはチャンスありで、以前にも書いたように、欧州の客船建造ドックには新造船キャンセルによる空きが相当出てくるだろうから、安い船価で飛鳥Ⅲや新にっぽん丸をつくるチャンスの到来とはいえよう。クルーも世界的に余剰になろうから、船員費も抑えられる事が期待できるし、船用品や船食もしばらく安価に買えることだろう。原油安からバンカー(船舶用重油)も、かなり安い水準で推移している。石橋を叩いても渡らないような安全策オンリーでチャレンジしない事が日本の経営者の常となったが、10年・20年後の隆盛を目指して、この機会に外国の大手クルーズ会社に出資やら提携する事くらいは模索したらどうだろうか。


さて今後、乗客の不安を解消し、クルーズビジネスを再び興隆させるには、まず空調システムの見直しが必要ではないだろうか。これまで大型客船の換気システムは外の空気を取り入れるとともに、内部でも空調機を介して船内の空気循環を行っていた。プリンセスクルーズでは、その割合はキャビンでは30%が外部からの空気で70%が内部循環、パブリックエリアでは50%、医務室や厨房では外気取り入れが100%だそうで、このようなシステムが船内の集団感染に結び付いたのだと思われる。飛鳥Ⅱなども似たような割合で空調が設置されている事だろう。一説によるとプリンセスクルーズでは今後外気を取り入れる割合を増やすそうだが、これから建造される新造船では外気の取り入れを大幅に増やしたり、船体の各部で空気の遮断や取入れに関して分散管理ができるように設計変更が行われれることが求められるよう。また内側の窓なしのキャビンを少なくし、バルコニー付きのキャビンを極力増やして各自が任意に外気に触れることができるようにするなどの対策も考えられる。クルーズ船のビジネスを継続させるため船級協会や関係機関の速やかな感染対策がのぞまれる。

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ローマの玄関口チビタベッキアのクルーズ船)(2018年4月)

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