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2020年2月22日 (土)

ダイヤモンド・プリンセスで関係者をディスりたい人々

政府のすることには是非をこえて何でも反対することが使命だと勘違いし、自己陶酔しているようなメディアの存在を日頃から苦々しく思っている。今回もダイヤモンド・プリンセスの防疫体制に関して、政府の対策がまずいと「後出しじゃんけん」ばかりの報道やネットの記事が不愉快だ。3,700人もの乗客・乗員である。乗下船するだけでも数時間かかる人数なのだ。大きな体育館に4,000人近い人々がぎっしり詰まっているような状態を想像してみれば如何に多くの人数かとわかるであろうが、未知の脅威を前にここにいる人たちの防疫をどうするのか、関係者が頭を抱えベストを求めて試行錯誤したに違いない。

 

コロナウイルスは潜伏期間、感染力や症状が現れる過程・治癒の経過もよく判っていない未知の病原体なのである。船内に留め置くのは非人道的だとの声もあったが、検査キットの数は十分でなく、ふだん救急車でさえ受け入れる病院を探すのが難しいなかで、何千人もの人を選別して近辺の施設でただちに収容などできようか。専門の医者はどうするのか看護師はどう手配するのかも言わず、自分は安全地帯に居ながらただ無責任に批判するコメンテーターや評論家と云われる人々を見ると「あんたたちは万能なのか、無責任でお気楽な論評でお金が貰えてよいね」とテレビやネットの前で文句の一つも吐きたくなる。

 

今回の騒動では、船長やプリンセス・クルーズのアメリカの運航会社に対して、彼らが早期に適切な対応をとっておればここまで状況は悪くならなかったと批難する向きもあるが、これまたちょっとお門違いではなかろうか。香港で下船した乗客がコロナウイルスに感染していると分かったのは2月1日土曜日(米国では1月31日金曜日)のことだ。船長としては、多分船医と相談した上でシアトルの運航管理会社にただちに今後の対策を打診したことであろう。仮にアメリカ側で事の重大性かつ緊急性にすぐ気がつき、当日中に厳しい対応方針を打ち出し本船に指示したとしても、どんなに早くとも船が指示を受け取れるのは日本時間2月2日(日曜)で東京湾に入る一日前である。

 

但しこれはベスト中のベストの対応で机上の空論だといえよう。クルーズ船の大規模感染といえばこれまではノロやレジオネラ菌であり、これらの対策マニュアルはあったであろうが、週末を前に直ちにウイルス感染の専門家の意見を纏め適切な対策を本船に指示すべきだったという批判は理想論でしかない。ダイヤモンド・プリンセスで感染された乗客・乗員、船内で長期留め置かれた方々はまことにお気の毒だったが、今回の騒動は「不可抗力」であろう。政府や関係者がしている必死の努力を無責任にディスるメディアを情けなく思うとともに、外野の無責任な報道にぶれることなく対策を施した政府や関係者、それに乗客を励まし続けた本船や船会社には拍手を送りたい。ただ今回の事態が収束したら外国籍クルーズ船の検疫や疾病対策、関係法令・条約や感染症に関するマニュアルの見直しや検証などは関係諸機関で検討されたい。

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