« 2020年1月 | トップページ | 2020年3月 »

2020年2月

2020年2月27日 (木)

飛鳥Ⅱ2020年世界一周クルーズ中止

20200227

乗船を予定していた4月2日からの飛鳥Ⅱのワールドクルーズが中止と発表になった。すでに妻がツイッターでこのクルーズ乗船をつぶやいていたので、友人などからは「また行くの?」とあきれられ、最近は「コロナウイルスで大丈夫?」と心配されていたが、これで周囲からの心配や批難の声もなくなることだろう。じつはかねてから老母には「サラリーマンの身で何度も世界一周に行くのは身分不相応」とおこられていたのだが、その母も昨年亡くなってもう叱責されることもなくなり、仕事場でも何とかしぶしぶ許可をもらってあとは出発を待つのみであった。かかりつけの病院には検査や診療の日程を調整してもらい、クルーズの102日間分と万一の際のプラスアルファの薬の処方もお願いするなど、乗船に向けての準備おさおさ怠りなく進んでいたところだ。


そんな中のクルーズ中止連絡で、いまは何かぽっかり目標を失った感じがしてならない。寄港地の情報を調べつつ、今回はダンスもだいぶ上達したから見知らぬ女性から踊りに誘われてもドギマギせず対応できるか、久しぶりにゴルフを再開して船内でレッスンを受けるか、フィットネスで週に数回は筋トレをするかなど、あれこれクルーズ生活を想像していたのだが、そんな愉しみも露と消えてしまった。しかし男性の健康年齢は平均で70歳代前半だという。身体が元気で動けるうちになるべく遊んでおこう、というこれまでの方針はいささかも揺るがない。この「失った102日間」でできる事はなにだろうと、気分を変えて考えることにした。


海外のクルーズ、特に行ったことがないエーゲ海やエジプト、ヨーロッパのリバークルーズなどを検討したが、コロナウイルス騒動で海外旅行も目途がたたないため、しばらく国内ででできることをしようと、頭を巡らしている最中である。そんな中、内外のクルーズ船が日本市場でのサービスをやめているのにも関わらず、4月に国内で唯一クルーズを催行するのが「にっぽん丸」であった。パンフレットを見ると4月の「飛んでクルーズ沖縄」がなかなか面白そうなのだが、これまた申し込んでもクルーズ中止となっては喪失感も倍増となる。普段はクルーズの手配は妻に任せきりの私だが、今回ばかりは「にっぽん丸」の商船三井客船に直接電話して状況を確かめると、「今のところ、4月以降のクルーズは台湾に寄港するのは取りやめだが、それ以外は計画通り行う予定です」との返事であった。この沖縄クルーズを目標にしばし職場に戻って仕事をするか、とモチベーション維持に心をくだくここ数日である。

 

2020年2月22日 (土)

ダイヤモンド・プリンセスで関係者をディスりたい人々

政府のすることには是非をこえて何でも反対することが使命だと勘違いし、自己陶酔しているようなメディアの存在を日頃から苦々しく思っている。今回もダイヤモンド・プリンセスの防疫体制に関して、政府の対策がまずいと「後出しじゃんけん」ばかりの報道やネットの記事が不愉快だ。3,700人もの乗客・乗員である。乗下船するだけでも数時間かかる人数なのだ。大きな体育館に4,000人近い人々がぎっしり詰まっているような状態を想像してみれば如何に多くの人数かとわかるであろうが、未知の脅威を前にここにいる人たちの防疫をどうするのか、関係者が頭を抱えベストを求めて試行錯誤したに違いない。

 

コロナウイルスは潜伏期間、感染力や症状が現れる過程・治癒の経過もよく判っていない未知の病原体なのである。船内に留め置くのは非人道的だとの声もあったが、検査キットの数は十分でなく、ふだん救急車でさえ受け入れる病院を探すのが難しいなかで、何千人もの人を選別して近辺の施設でただちに収容などできようか。専門の医者はどうするのか看護師はどう手配するのかも言わず、自分は安全地帯に居ながらただ無責任に批判するコメンテーターや評論家と云われる人々を見ると「あんたたちは万能なのか、無責任でお気楽な論評でお金が貰えてよいね」とテレビやネットの前で文句の一つも吐きたくなる。

 

今回の騒動では、船長やプリンセス・クルーズのアメリカの運航会社に対して、彼らが早期に適切な対応をとっておればここまで状況は悪くならなかったと批難する向きもあるが、これまたちょっとお門違いではなかろうか。香港で下船した乗客がコロナウイルスに感染していると分かったのは2月1日土曜日(米国では1月31日金曜日)のことだ。船長としては、多分船医と相談した上でシアトルの運航管理会社にただちに今後の対策を打診したことであろう。仮にアメリカ側で事の重大性かつ緊急性にすぐ気がつき、当日中に厳しい対応方針を打ち出し本船に指示したとしても、どんなに早くとも船が指示を受け取れるのは日本時間2月2日(日曜)で東京湾に入る一日前である。

 

但しこれはベスト中のベストの対応で机上の空論だといえよう。クルーズ船の大規模感染といえばこれまではノロやレジオネラ菌であり、これらの対策マニュアルはあったであろうが、週末を前に直ちにウイルス感染の専門家の意見を纏め適切な対策を本船に指示すべきだったという批判は理想論でしかない。ダイヤモンド・プリンセスで感染された乗客・乗員、船内で長期留め置かれた方々はまことにお気の毒だったが、今回の騒動は「不可抗力」であろう。政府や関係者がしている必死の努力を無責任にディスるメディアを情けなく思うとともに、外野の無責任な報道にぶれることなく対策を施した政府や関係者、それに乗客を励まし続けた本船や船会社には拍手を送りたい。ただ今回の事態が収束したら外国籍クルーズ船の検疫や疾病対策、関係法令・条約や感染症に関するマニュアルの見直しや検証などは関係諸機関で検討されたい。

2020年2月20日 (木)

ダイヤモンド・プリンセスと旗国主義

20200219

姉妹船:サファイア・プリンセス 2009年メキシコ、カボサンルーカスにて

外国船の船内は一歩踏み入れれば「外国」である。今回のダイヤモンド・プリンセスは船籍港が英国のロンドンだから、本船が日本国内の港にいてもその船内は英国であって、日本の税関の許可を得なければ陸/船の往復さえできない。一方で日本籍の”飛鳥Ⅱ”や”にっぽん丸”のクルー ズ客船旅客運送約款には「この運送約款は、日本法に準拠し、この運送約款に関する紛争は、当社の本社又は主たる営業所の所在地を管轄する裁判所に提起されるものとします」とあり、同様にダイヤモンド・プリンセスのクルーズ約款も「クルーズに関連して生ずるすべての請求は英国法を準拠法とします」と記されている。今回のダイヤモンド・プリンセスの騒動に関するニュースでは、最近になってネタがつきたのか盛んに「旗国主義」なる言葉が散見され、英国籍の本船と本国の関与がいかなるものかの報道がなされているが、どれも「ちょっと何を言ってるのかわからない?」という類いの記事ばかりだ。本船はたまたま英国が旗国だったが、バミューダやバハマ籍などの客船で同じことが起きればどう云われただろうかイメージが湧かない。「旗国主義」と一口に云っても、世界中で運航される船舶上でおこるさまざまな出来事は複雑で、主義と現実に起きる出来事が一致しないことが多く、今回のような的を得ない解説がなされるのもやむを得ない。


旗国主義による困難な紛争といえば真っ先に浮かぶのがTAJIMA号で、これは2002年に日本の海運会社が実質的に所有・運航するパナマ籍の大型原油タンカー"TAJIMA"号上でおきた殺人事件である。同船はペルシャ湾から姫路港に向け原油を輸送中、台湾沖の公海で日本人の航海士が行方不明になり、この航海士を殺害して海に突き落としたとされた2名のフィリピン人船員の捜査・裁判を巡りもめた事件だ。姫路港にTAJIMA号が到着しても日本の警察や保安庁は被疑者を拘束することはできず、フィリピンも国外犯を裁く法律がないため事件は宙に浮き、結局被疑者たちは一か月以上、本船の居室に留め置かれることとなった。検疫の問題とはいえ船室に拘束されるのは今回の例でも同じようにおきたことだ。当時、海運界は法務大臣など関係大臣に対し被疑者を一刻も早く上陸させる等の措置を講じるよう要望したものの、わが国の法制上はアクションを起こすことは困難であるとして認められなかった。最終的にフィリピン人被疑者両名は便宜置籍国にすぎない「旗国」パナマに引き渡され、同国で裁判が行われ無罪になったのだが、このような事件に対して国際的にも国内にも適用する法律がない事が問題になり、事件の翌年に日本では国会で刑法の一部改正が行われている。「旗国主義」と一口で言っても、事件がおきた時の実際の処理はそう簡単ではないのである。


さて今回のコロナウイルス問題では、ダイヤモンド・プリンセスを横浜港の大黒ふ頭に停泊させ、乗客を隔離させたことが正しかったかどうかが議論になっている。もしダイヤモンド・プリンセスの船長が旗国主義を盾に、今回の措置に疑問があるゆえ日本の防疫体制に従わないと宣言していたらどうだっただろうか。考えられる事はその場合に日本の当局は「それでは日本国の領海外に退去してください」というだけで、ただちに本船は多くの感染者を乗せながら、英国法ないし英国流の処置が受けられる国を探さねばならなかっただろう。領海を無害通行している時には船内で旗国の法令が適用されても、いったん本船が港に入ってしまえば、旗国(本国)主義よりまず寄港国の法律・慣習の適用を受け入れざるをえないのが実務だと云えよう。それが嫌なら何の助けも得ずに再び外洋に出て、自ら助かる方法を考えるしかないのだがそんなことはまず不可能だ。ましてやダイヤモンド・プリンセスには日本人の乗客が多数乗船し、横浜がこのクルーズの最終下船地であることを考えると、「旗国主義」を押し出し何らか違った展開があったかの想像をする事にあまり意味はないだろう。今回は旗国主義の出番はなかったようだが、ただこの問題を契機に、国際海洋法条約に関する新たな取り決めが今後なされることを期待したい。

ダイヤモンド・プリンセスの船尾に翻る英国商船旗 2014年4月基隆にて

20200220dp

 

2020年2月17日 (月)

異形の大国・中国

福島県のスキー旅行から帰って2週間経つ。思い出すと、同宿のスキーリゾート・ホテルには豪州人などのほか多くの中国人が団体で来ていた。東京に帰ってこの2週間、大気乾燥のために喉がイガイガ、ガラガラする度に、コロナウイルスによる新型肺炎がちらっと脳裏をかすめたものだが、潜伏期間もやっと過ぎて一安心だ。それにしても19世紀に起きたペストの世界的流行を始め、毎冬のインフルエンザ、最近ではSARSのように、なぜか疫病というと中国起源のものが多い。多くの人口をかかえ、いまだ国内には不衛生な環境のところが多く、日本人や欧米人が食べないヘビやコウモリ、ハクビシンなどの動物を食べるという中国のありようがこれらの病気の元になっているのは間違いない。

 

今回、アメリカはさっさと中国人の入国を実質禁止しているのに対して、日本はこのウイルスの発祥地、武漢や湖北省・浙江省だけからの入国制限である。その感染力や症状については未知のものゆえ、対策と云っても有効な手を打つはなかなか難しかろうが、われわれ日本人はすぐ隣に「異形」の大国がある、という危機感だけはもっと強く意識しなくてはならない。同じ黄色人種と民族的に近いため中国人に親近感をもつ日本人も多いが、食習慣に限らずさまざま行動原理、文化、考え方などが我々とまったく異なる相容れない国である。中国の指導者たるや今回のコロナ騒動では、自分たちが非常に適切に対処していると自画自賛しているとの報道で、彼らは世界中に迷惑をかけたなどとは露ほども思っていないのである。

 

最近、製鉄原料輸送を担当する後輩たちと話していたら、この鉄鋼不況下でも中国の製鉄業はフル稼働で豪州やブラジルから大量に鉄鉱石や原料炭を輸入していると云う。景気対策を優先するために中国では国策で鉄鋼の生産を減らしておらず、余った製品が中国国内のみならず世界中に輸出され市況をより悪化させている。そのせいで世界の鉄鋼業が痛手を受けているとおり、経済的にもいまや中国が世界経済の牽引車というよりはリスクの元凶となっていると云えよう。今回のコロナウイルス問題でも明らかなように、中国で問題がおきるとその中でも真っ先に影響を受けるのは日本である。トランプ政権が、中国に対抗する方針をはっきり取り始めたことと機を一にして、我が国もコロナウイルス騒動を奇貨として、中国とはもっと距離を置くべきだろう。その点からしても、習近平を4月に国賓として招待するのはやはり考え直すべきだと私は思っている。

2020年2月 6日 (木)

ダイヤモンド・プリンセス騒動

20200206dp
2014年4月基隆港の”ダイヤモンド・プリンセス”
Holland America Lineの”フォーレンダム”号船上から

新型コロナウイルスの感染で、「初春の東南アジア大航海16日間」から帰ってきた11万6千トンのクルーズ船”ダイヤモンド・プリンセス”の乗客2700人が14日間も船内に留め置かれることになった。乗客はこの間、自室から出られず、窓のない内側キャビンの乗客などは外の様子をうかがおうとしても、部屋のテレビに映るブリッジからの映像しか見られないはずだ。僅か16㎡の内側キャビンの乗客たちは閉じ込められた2週間、ただテレビを見るか、無料開放されたと云うネットでパソコンやスマホで無聊を慰めるしかない。食事は部屋に配られるようだが、アルコールなどは注文できるのだろうか。洗濯はどうするのだろうか。クルーズ船だけ悪く目立っているが、この調子なら飛行機の機内の感染はどうなのだろうか。※注(下記)

 

数年前、乗船した飛鳥Ⅱがホノルルでコーストガードの検査により一晩出港差し止めになったことがあった。乗客は町の喧騒を前に上陸できず船にとどまっているしかなかったが、自由に船内を移動できるその一晩でさえ待っている時間はイライラしたものだ(もっとも妻はクルーズが延びてゆっくりできるとよろこんでいたが)。今回は長期にわたる自室留め置きで、楽しいはずのクルーズなのに、乗り合わせた乗客の気持ちを考えるとまことに同情の念を禁じ得ない。一方で1000人以上乗っている本船のクルーはどうしているのだろうか。食堂のサービスクルーやデッキクルーの一部も「濃厚」に乗客と接しているはずである。下の職位のクルーはふつう数人で部屋を共有してるが、彼らも部屋から出られないのだろうか。船内感染を防ぐためなら乗客だけでなくクルーも同じ処置になるのかと思うも、その辺りのことはまったく報道されない。


閉ざされた小ワールドであるクルーズ船では集団感染がおきやすく、しばらく前にノロウイルスによる食中毒事件も話題になったことがある。現在も香港の啓徳クルーズターミナルでは大型クルーズ船がダイヤモンド・プリンセスと同様に、コロナウイルス騒ぎで立ち往生していると報じられている。もっとも世界はクルーズ船ブームで、新造客船を作る造船所はどこも数年先まで建造予約で一杯だ。ことに中国人マーケットを意識した新造大型船の案件が目白押しのなか、今回の中国を発端とする騒ぎでこのブームも冷や水を浴びせられるのかもしれない。建造計画がキャンセルされたり複数船を建造するオプション契約の行使が見合わされたりする事も想定されるが、考えてみるとこういう時こそ船台の空いた造船所で船を造るチャンスではある。船の価格はブームか否かで大きな差がでるもので、飛鳥Ⅱやにっぽん丸など老朽クルーズ船の代替に頭を悩ます邦船社には、新造発注の好機がやってくるかもしれない。


さて”ダイヤモンド・プリンセス”は乗ったことがないが、本来ダイヤモンド・プリンセスと命名されるはずだった姉妹船の”サファイア・プリンセス”には10年ほど前にロス発着のメキシカンリビエラクルーズで乗船したことがある。この時は日本人はごく少数だったが、天気に恵まれ広く大きな船体で楽しい思い出が一杯だった。同型船である渦中のダイアモンド・プリンセスは日本近海でクルーズを展開するために、改造工事を経て大浴場など設置され人気も高く、我々もいつかは乗ってみようかと思っていたところだ。今回のコロナウイルス騒動は春にかけてなかなか治まらないという予想もあるし、欧米では中国人だけなく今後アジア人全体が差別的取り扱いを受ける危惧もありとの観測もあるようだ。しかし高齢者に優しく家族で乗っても楽しくラクチンな旅行形態がクルーズである。一刻も早く事態が収拾され気兼ねなく世界の国々をクルーズする日が早く戻って来るように祈りたい。

※注)その後のニュースで内側キャビンの乗客は、時間を限りプロムナードデッキに出られるようになったとされている。まずは良かった。

2020年2月 4日 (火)

年寄りの冷や水スキー

20200202

週末は磐梯山にあるスキー場に行ってきた。なんと15年ぶりのスキーで、”老いてますます盛ん”の意地をみせようかと親戚たち若者ツアーに同行である。といっても以前アップしたように、久々にスケートでいい恰好を見せようとリンクに飛び出したら、いきなり派手にお尻から転んだ苦い思い出がある。スキーで怪我などすれば”年寄りの冷や水”と笑われそうだから、まずは安全第一の心持ちでツアー参加だ。まあ今のスキーは手ぶらで行っても立派な板にストック・ブーツ、ウエアやゴーグルまで一式レンタルが利用できるので気楽なものだ。かつて2メートルあまりの重いスキー板をかついで列車に並ぶか、さもなくばレンタルだとカンダハの留め具によれよれの板で苦労したが、今は便利なスキー旅行で隔世の感がする。


さてゲレンデに到着し一式借りた用具を装着すると、若者たちはさっさと山の上目がけリフトに乗って行ってしまったが、こちらはさすがに15年ぶりとあってまずは足慣らし。筋肉は若い頃に較べればかなり細くなっているしスピード感も鈍っているから、怪我をしないように、しばらく平地で一人歩きの練習、そのあと初級者用リフトの緩斜面で感を取り戻すことにした。ところが暖冬の今年、山は雪が少なく一番下の初心者向けゲレンデがクローズされ、最も短いリフトに乗ってもいきなり長さ1キロあまりある初~中級者向きのコースに行ってしまう。やってきた初中級者コースも湿雪の凸凹の上に初心者やスノーボーダーたちで大混雑とあって、スタートに一瞬躊躇したが、まあ何とかなるだろうとこわごわ一本目を滑り出す。


さすがにその程度のゲレンデでは転ぶこともなく「スケートよりスキーの方が忘れないものだ」などとちょっと自信を取り戻しつつ、徐々に山頂へ向かう長いリフトにも乗ることにした。幸い天気も良く、一人、リフトの揺れと「ゴトン、ゴトン、ゴトン」という響きに身をまかせると、若いころ一緒に滑ったあの女の子たちも今はみな婆さんになったんだろうなあ、等とあれこれスキーの思い出が脳裏によみがえってくる。コースも上に行くにつれ立ち並ぶ樹木には雪が白く積り、目の前に猪苗代湖が朝の日の光を反射して美しく広がり、自然に「♬や~まは白銀」と歌が口をついて出てくる。ということで午前中は一度も転ぶことなく、気持ちよく15年ぶりのスキーを満喫し仲間との集合場所である昼食会場に降りていった。


さて、まあ何とか滑れるとすっかり気の大きくなった私である。午後は若者たちと中上級コースにチャレンジすることにした。山の上からいくつかの急コースを滑って降りるのだが好事魔多し、やはり過信はいけなかった。中上級の狭く急な斜面に途中から筋肉ががくがくし膝が笑いだして力が入らない。この日初めて転ぶと体はひっくり返ったまま斜面をいつまでも転げ落ちて止まれず、これは急なコースに来てしまった、とちょっと弱気になるが、とにかくスキーは泣いても一人で滑って下まで降りねばならない。雪質はカチカチだし昼までの余裕のよっちゃんも、午後は体が動かない介護老人である。あっちでスッテン、コッチでスっテンのありさまで、見ていた高校生の姪には「おじちゃま、なんでもない所でころんでるよ、ぎゃはは!」と大笑いされる始末。幸い怪我もせず帰ってこれたが、今日はあちこち体中が筋肉痛でたまらない。それでも急斜面を無心で滑り降りる心地良さを思い出しては、次はもう少し慣れるだろうからまた時々スキーに行こうかと性懲りもなく考える今日である。

 

« 2020年1月 | トップページ | 2020年3月 »

フォト
2020年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ