韓国よ、歴史の真実を学べ ( E.ルトワック)
韓国がぎりぎりになってGSOMIA「終了延長」を発表した。例によって韓国はアメリカに告げ口外交をし仲裁役に引っ張り出そうとしたが、アメリカからはまったく相手にされず、逆に協定破棄をやめるよう強い圧力を受けて方針転換したとの事。我が国の今までの政権なら、何かと韓国に譲歩して丸く収めてきたに違いないが、安倍政権にはまったく通用しなかった。日本の完勝である。「相手にしない」「譲歩しない」が韓国に対する正しい態度である事が証明されたのは、日韓の今後の為にとても慶ばしい事だといえよう。
とはいうものの、これまで仕事で多くの韓国の人と取引してきたし、職場でも韓国の人たちと一緒に働いたことがあったが皆とても良い人たちだった。また20年前に多額の債権がある韓国の取引先が破綻しそうになり、あわててソウルの本社に「いますぐ精算してくれ」と単身で談判にのりこんだら「日本からわざわざ来てくれたからお宅の会社にはまず払うよ」と倒産手続きの前に送金してくれた事もあった。みな個人としては日本人を信用してくれたのだが、国家となるとなぜこうも理解不能になるのだろうか。
11月24日の東洋経済ネット版に外交官だった田中均氏が「日本人が理解していない韓国人の『恨』の意識」としてこう記している。「16世紀の豊臣秀吉の朝鮮出兵や、その後は清の侵攻を受け従属し、日清戦争の戦場となり、日韓併合により日本の植民地となった。漢族や蒙古族、そして日本民族の支配を受けざるをえなかったことに対する恨みであると同時に、日本の敗戦という形で日本支配を脱したにすぎず、決して自らの手で自立を勝ちとったわけではないというむなしさだ」
ここでは私は「自らの手で自立したわけではない」というというのがキーワードではなかろうかと考える。おりしも月刊HANADA12月号には「中国4.0暴発する中華帝国(2016年4月11日)」などで我が国でも高名なアメリカの戦略研究家エドワード・ルトワック氏の「韓国よ、歴史の真実を学べ」という特集があり、読むと韓国の反日感情に対してなるほどと合点がいった。ルトワック氏は戦後のヨーロッパの例をあげ、反日の韓国と同じように永らく反ドイツ感情が強かったオランダは、彼らがドイツ人と戦わなかったからだと論を展開する。
アムステルダムのユダヤ人アンネ・フランクの隠れ家が密告されたように、戦争中は「オランダ社会はドイツに服従し、対独協力が大々的に行われ」「まるでドイツの使用人のように振舞っていた」。よって戦争が終わった後「若いオランダ人たちは自分の父親が臆病者であったからこそ、戦後反ドイツ的感情を持ち続ける」のだと云う。同様にスウエーデンも「戦争終結までドイツに積極的に協力したからこそ、戦後になると(ドイツを)非難してまわるようになった」そうだ。
これに対してドイツと戦い多くの戦死者を出したロシアやユーゴ、静かだが強力に抵抗したベルギーには戦後強い反ドイツ感情がおこらなかった。何故ならロシア、ユーゴ、ベルギーなどは「臆病ものではなく、立ち上がり戦ったのである。誰も自分たちの父を恥じることなく、誇りを持てた。だからこそ戦後、ドイツ人に対して友好的になれたのである」。レジスタンス運動で戦ったフランスは「日本の朝鮮半島で行った行いよりはるかに過酷」な状況だったが「現在、ドイツに対して公的に損害賠償を要求する人がいれば、フランス国内で変人扱いされるようになっている」との説明である。
日韓問題の本質は、日韓の外交や「日本人が歴史に向き合わない」からではなく、服従以上の態度で自発的に日本に協力した父祖の代と今の韓国人の世代間ギャップ、すなわち韓国の国内にあるとルトワック氏は指摘する。「韓国人はいまだに、自分たちの父親や祖父たちが臆病者で卑屈だったという心理的なトラウマに悩まされて」おり、それに対する反発が反日の原動力になっていると説く。それゆえ韓国は「心理の奥底の弱さ」を克服するために、歴史を直視し「苦悩に満ちた再評価」を自ら行う事が必要で、オランダでも1960年代後半から同様の動きが起きているとしている。そして日本も歴史の真実を研究するプロジェクトに力を尽くせと氏は結論づける。田中氏やルトワック氏の視点に立つと、なぜ韓国が訳がわからない国なのか理解でき、彼らの国内問題に起因するならば日本はやはり「毅然」と対応するべしとも再確認できた。
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