泉屋のクッキー
六本木で時間が余って明治屋にぶらっと立ち寄ってみると泉屋のクッキーを売っている。子供の頃に来客の手土産や贈答品としてよく頂いた、浮き輪の商標のレトロな雰囲気のクッキーである。アルコール摂取量を減らして以来、甘いものを摂りすぎかと思うも、久しく食べていなかったし小さなビニール袋の廉価版なのでつい買ってしまった。帰宅してさっそく封をあければ当時好きだったラムケーキ風フルーツバーこそ入っていないが、昔食べた思い出の品々ばかりで何から食べようかと一瞬逡巡する。
当時このクッキーの缶入りを開けた時、好きな種類を後のお楽しみとして残しておくと、弟がちゃっかり人の分まで食べていてよく喧嘩をしたものだった。その思い出のクッキーをほおばると甘みを抑えたビスケットのような風味、高度成長が始まる前の昭和というべき素朴な味が口の中で蘇ってきた。「そうだよ、この味だよ」と独り言ちながらついムシャムシャと幾つもほおばってしまう。
泉屋のホームページによると会社創業は昭和2年、クリスチャンだった泉家が米国人宣教師の夫人からクッキーの作り方を学び、日本で初めてクッキーを販売したそうである。昭和30年代の子供時分、記憶をたどればクッキーといえば神戸のユーハイムか泉屋くらいしかなかったし、ケーキは生クリームが貴重品でバタークリームのものがほとんどだった。当時はクッキーやケーキをかじっては、ボンネットバスの形にしたり飛行機をまねしたり想像の世界が縦横に広がった事を懐かしく思い出した。
60年ぶりにチョコレートクッキーから製作したボンネットバス
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