リーチ・マイケルの日本語
ラグビー日本代表の快進撃が続く。ところでリーチ主将の笑顔の記者会見を見ていると「めちゃうれしい」とか「ボコる」、「(とてもいいという意味での)ヤバい」などと若者言葉の連発である。トムさんことトンプソン・ルークの関西弁も流ちょうでほほ笑ましい。画面に登場する外国人と云えばお笑い芸人など一部をのぞいて、ふつうは標準語だから彼らの容姿と喋る言葉の相違がなんだか面白い。考えてみれば彼ら外国オリジンの日本代表は永い間我が国で生活しているし、特にチームメイトとは普段着の日本語で生活しているから、出てくる言葉も若者言葉になるのは当然なのだろう。
そういえば昨年ポルトガル・リスボンのレストランで、妻がおいしい「Gostoso(ゴストーゾ)」と言ったら、現地の人に「それはブラジル語でポルトガルではあまり使わないよ」と言われ「エッ!?」と面食らっていた。かつてポルトガルの植民地だったブラジルに父親の転勤で子供の頃に住んでいた彼女にしてみれば、どこでも通じるポルトガル語のつもりだったのに、それは本国では使わないと云う。店員に「ではこういう時は何て言うの?」と聞くとごく普通に「Bom(ボン)とかMuito bom(ムイトボン)だよ」との事。学校で習う外国語と違って、レストランで使うようなしゃべり言葉は土地土地で違う事にあらためて気づかされたのである。
ふと思うと自分も嬉しそうにアメリカで覚えた口語英語を使って、おいしいを "Awesom!"(オーサム)などと云いそうだ。ところが「素晴らしい」(ヤバい)という意味のこの単語は米国語で、英国ではその意味ではほとんど使われないらしい。かつてアメリカの同じ職場に沿岸警備隊(US Coast Guard)あがりの社員がいて、彼の口癖が "Goofy"(グーフィー) であった。一日に何回も "Goofy" を連発するので、すっかりこちらも耳に馴染んでしまいつい使いたくなったのだが、この単語は「マヌケ」とか「トンマ」を意味するようだ。正式な場で私がうっかりこのようなスラングを使ったら、きっと周囲から奇異な目で見られた事だろう。海外で我々が一生懸命流行しているフレーズでしゃべっても、現地の人には異邦人が「ガチでフルボッコだあ」と言う感じにとられるのか。リーチ主将ならご愛敬だが、スラングや口語は注意も必要だ。
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