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2019年10月 9日 (水)

聖坂の変わったビル

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ようやく少し涼しくなり秋らしい気配が漂ってきた。仕事の合間をぬって散歩ができる季節である。事務所の周囲を東京港の方に行ったり芝公園を歩いたりと、天候や気分次第であちこち散歩を楽しんでいる。そんな中でお気に入りのコースが、港区の三田から高輪方面に伸びる「二本榎通り」である。その昔、近くの白金に二本の榎があった事から、あたりを二本榎と云うそうだが、この道はいかにも古くからある尾根筋の街道という風情で歩いていて心地良い。江戸時代の古地図や明治・昭和初期の地図を見ても、道は今と同じ場所を通っていて、適度な勾配に応じて昔の塚や老舗のお菓子屋さん、さらに皇族邸宅などもあって散策して興味が尽きない。

そんな二本榎通りの入り口、三田の聖坂を上っていくと、道路の左側にちょっと度肝を抜かれる建物がある。マンションに挟まれ、鉄筋が丸出しのその異様な建築物を初めて見た時は、立ち退きに応じない土地の所有者が、嫌がらせのためにわざとビルの一部を残して去ったものかと思えたのだった。建物の中にはなにやら資材らしき材料も置かれていて、ますますこの存在の謎は深まる。しかしその建物の周囲には開発に反対などするビラや囲いの類いもなく、道行く人たちもなんら注意を払っていないことからすると、どうやらこの風景はあたりで日常のものであるらしい。見ると壁面には、この建物を説明する雑誌の切り抜きコピーが貼られているので、立ち止まって読んでみることにした。

それによると、これは「蟻鱒鳶ル」(あり・ます・とんび・ル=アリマストンビル)という建物で、ある建築家が2005年からすべて手造りで建てている最中だとある。40平方米の土地に3階建てのビルができるとの事で、建築家は自分で買ってきたセメントと水と砂と砂利を練って型枠にいれ、即興で現場で思いついた建物をこさえているのだそうだ。貼られたコピーには建築家がなぜこのような事をするのか、その人となりや経緯が記してあったが、それにしても人目をひく事業である。さらに建物は周囲のセットバックして作られたマンションより一段と道路に迫っていて、当局から引っ込むように云われていると云う。これまで都内あちらこちらでジョギングしたり散歩してきたが、このような変わった建築物は初めてである。まだまだ面白いものが都内にあちこちあるのだ、と改めて感じつつ、秋の好日にどこを走るか歩くか計画を練る。

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