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2019年9月 5日 (木)

TOHOKU EMOTION その2

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気動車列車に乗るのは、2014年の肥薩おれんじ鉄道「おれんじ食堂」以来だ。もっとも肥薩おれんじ鉄道はもともとは鹿児島本線の線路とあって、電化されている区間を気動車が走るため、沿線の景色は電柱が立ち並びちょっと興覚めだったが、今回はホンモノ非電化JRローカル線のディーゼルカーである。TOHOKU EMOTION(東北エモーション)に使われる110系気動車は、JR東日本で1990年から増備がすすめられた標準形式とあって、かつての幹線・亜幹線用キハ28やキハ58形式とどう乗り心地が違うのかも体験してみたい。

TOHOKU EMOTIONで使われる3両の車輛は、キハ110系を2013年に郡山車輛センターで改造、キハ110の700番台と名付けられている。前述のとおり久慈方より先頭車がオープンダイニングカー、中間がカウンターキッチンのあるキッチンカー、最後尾が7部屋の個室が並ぶコンパートメントカーで、キハ‐キクシ‐キハの編成となっている。ここで、はて聞き慣れない「キクシ」とは何ぞや?と疑問が生じた。気動車(ディーゼルカー)は各車輛にエンジンがついているので、気動車のキに等級を現すロ(二等車)やハ(三等車)をつけているだけかと思っていたし、真ん中のキッチンカーは食堂車なのだから単純に「キシ」ではないのか?

さっそく調べてみるとこの”ク”は、実は編成に「くっつく」車輛であるという意味のクから来るらしい。これまでクモハなどの”ク”は運転台のある車両につける記号だとばかり理解しており、クの語源など考えたことがなかったが、これは目からウロコだ。(同様に同じ付随車サハの”サ”は、編成に「差し込む」のサなのだと云う)この列車の中間車輛(カウンターキッチンカー)は床下のディーゼルエンジンが走行用でなく車内電源用で、停車中もひときわ大きなエンジン音を奏でているが、たしかに動力源が発電専用なら「くっついて走る」=クだというのも道理である。キサシは知っていたが、とにもかくにもキクシなどという珍車輛を、今回初めて経験することができた。

さてJR盛岡支社・八戸運輸区所属の110系700番台は、空気ばね付きのボルスタレス台車で、トルクコンバーターの変速も昔の気動車と違って実にスムースである。窓から見る枕木も一部コンクリート化されて軌道もしっかりしているようだ。八戸線は2011年の東日本大震災による津波の被害でしばらく運転ができなかったが、再開にあたって保線もしっかりやり直しているのかもしれない。こうしてみると八戸線に限らず、ローカル線列車の乗り心地も、最近は各段の進歩を遂げているようだ。かつて夏のローカル線ディーゼル車に乗れば、線路近くまで生い茂った草木が列車の風圧でなびくさまを車窓から眺め、あけ放った窓から肘でも出していると、前方の垂れ流しトイレから飛沫がポショっと飛んできたりしたものだ。TOHOKU EMOTIONの冷房が効いた車内で舌鼓を打っていると、鉄道の旅も快適で多様化したものだと隔世の感がある。

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