ノーサイド・ゲーム
日曜の夜NHK大河ドラマ「いだてん」が終わると、今度は9時からTBSのドラマ「ノーサイド・ゲーム」である。ワールドカップの日本開催を控えラグビー熱を盛りあげようという企画だろうが、実業団ラグビーチームの涙ぐましい努力に、定番の悪役がおり会社の権謀術数が絡む池井戸潤らしい痛快ドラマである。実は初回放送で妻に「このドラマ見ない?」と言われた際には、さして乗り気でなかったものの、画面を眺めているうちにその配役に驚き、以後日曜夜はかかさず見るようになった。というのもドラマに出てくる選手たちの、練習の時はもとよりグランドに集合する際などの何気ない所作がとても「本物」っぽかったからだ。ふつうこの手のスポーツものでは、配された俳優たちが大体ヘナチョコに見えてひどくしらけるのだが、「ノーサイド・ゲーム」では一目で本チャンらしき人たちのプレーンシーンが次々と画面に展開する。
まず初回、ラグビーチーム”アストロズ”の中心選手として活躍する特徴的な選手の顔を見て「あれ?まさかこの人は廣瀬じゃない?」と目を疑った。「それにしてはセリフがうまいから俳優だろうな。でもよく似ているな」と話していると、エンドタイトルの出演者に”廣瀬俊郎”と出てきたではないか。廣瀬といえば大阪の北野高校から慶応大学の主将として活躍、東芝にすすんでからも日本代表に何度もなった選手だ。他にもどこかで見た顔だと思っていた出演者は、明治大学のNO.8だった齋藤裕也である。あらためてネットで検索すると、”アストロズ”のキャプテンを演ずる高橋光臣はラグビーの強豪・啓光学園から東洋大でプレー、その他わき役たちの多くも高校や大学でラグビーをやっていたそうで、道理ですべての場面が「本物」っぽくてサマになっているわけである。これら元プレーヤーが皆なかなかの熱演とあって、安心して見ることができる本格派ドラマとしてすっかりハマっている。
さてラグビー・ワールドカップジャパン2019日本大会も目前に迫ってきた。以前にもアップしたように高校時代にラグビーのタックルを試した時の怖さから、常々この競技の選手には尊敬の念を抱いてきた。ということで長い間、母校のゲームを中心に競技場に足を運んだりテレビで応援をしてきたが、最近は母校だけでなくジャパンや海外のマッチも興味をもってテレビ観戦をしている。というのも昔にくらべ最近のラグビーはタックルされた後やラックからの球出しが圧倒的に早くなり、スリリングな連続攻撃を見ることができるからだ。かつてラックの中から球がなかなか出ないうちに反則の笛が吹かれ、見ている方はラックの中で何があったのかといぶかる場面が多かったが、今のラグビーはスピーディな球出しと連続攻撃で競技の魅力を大いにアップさせている。選手の体力や筋力のアップのほかに、ルールや指導法の変更があり、見ているものをより楽しませる方向へこの競技が進化しているのだろう。ゴールデンタイムに「ノーサイド・ゲーム」が放送され、ラグビー自身もより面白いゲームに変身しているのを見ると、これまでの「通」が楽しむものから、ラグビーはユニバーサルなスポーツへ脱皮しようとしていることがわかる。
( ルールの本を取り出したら早稲田の日比野さんが書いた昭和60年版だった
最近のラグビーは随分変わったからワールドカップを前に買い替えねば )
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