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2019年6月

2019年6月27日 (木)

いだてん~東京オリムピック噺~・前半終了

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金栗四三のバナー

日曜夜のNHK大河ドラマには近年まったく興味がなかったが、今年の「いだてん~東京オリムピック噺」の前半部(6月末までの陸上編)は毎回必ずチャンネルを合わせ楽しみに見た。滑舌の悪いたけしを落語家として配するミスキャストもあって番組は低視聴率に泣いているそうだが、主人公・金栗四三はじめかつて陸上競技界の草創期に活躍した大先輩たちの話がとても興味深い。むかし教科書や専門誌で読んだ雲の上の彼らの生きざまがドラマを通じて活き活きと展開されると、伝説の存在が急に身近に感じられるようだ。

この大河ドラマ、かなり面白おかしく造られたストーリー展開なのだが、実は随所に陸上経験者なら知っている背景や裏話が入っており、それを読みとくのもこの半年間の楽しみだった。我が国の長距離競走の先駆者だった金栗四三の活躍はもちろん、私も履いたハリマヤシューズと陸上界の関わり、東京高師(現・筑波大)が日本の体育やスポーツ普及になした貢献、日本女子体育大学の創始者・二階堂トクヨと高師の関係、箱根駅伝と読売グループなどなど、他にも「な~るほど、そうだったのか」と目からうろこの逸話も毎回見られたのだった。

話の中で、人力車夫の存在がかなり大きな要素になるのは、陸上競技の草創期に「プロ」のランナーであった人力車夫がトラック種目で活躍して問題になっていた事が背景にあるのだろう。実際に明治36年の第8回陸上競技大会(現在の日本選手権)のマラソンでは、1位から5位までを人力車夫が占めたが、結局アマチュア規定違反で失格になっている。また大正14年の第6回箱根駅伝は、日大が3区に登録選手の身代わりで人力車夫を起用し問題になり、日大は翌年の出場を取りやめたこともある。

ドラマの中ではハリマヤのマラソン足袋が大きく取り扱われており、事情を知らない人は実存した一介の足袋商店の異例の扱いにいぶかる声も出そうだ。しかし長距離走の黎明期に金栗四三の助言を得て、多くの選手に足袋を供給したハリマヤの貢献は知る人ぞ知るところである。「いだてん」は玄人好みのドラマだとも云われていたそうだが、まさに云いえて妙の評価だと思う。とにもかくにも主人公の金栗四三がいなければ、お正月の箱根駅伝もなかったわけで、そう考えると彼の存在は私の人生にも影響を与えてくれた事になる。さてドラマの後半、水泳の田畑政治の活躍はいかばかりだろうか、これも楽しみである。

大塚にある金栗足袋発祥の地の銘板
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2019年6月23日 (日)

町の中華料理屋3

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「町の中華料理屋2(2017年7月27日)」以来の中華料理ネタである。わが家からぶらぶら散歩して20分ほど、文京区の小日向に「日本人がやっている町の中華」をみつけた。どこかの駅前というわけではないが、このあたりは古くからの住宅街のほかに神田川沿いに印刷や製本などを手がける工場も多数あって、昼夜を問わず中華料理の人気が高そうな場所だ。最近めっきり減ってきた日本人による町の中華を味わいたくなって、先日ふらっと行ってみた。

「日本人による街の中華」のわが定義はこんなところだろうか。①オヤジが一人で中華鍋をふるって料理をこさえている②「ビール!」と頼むと生ではなく(あるいは生だけでなく)瓶ビール、それも大瓶や中瓶が出てくる③メニューはラーメン・餃子・シウマイ・野菜炒め・唐揚げ・マーボなどの「定番」のほか、カレーやとんかつ定食もある④店にはちょっと気がきいて客の注文や会計をさばき店を切り盛りしている中年(以上)のおばちゃんがいる⑤店の前には料理の写真でなく昔ながらのショーウインドウに料理サンプルがある、などである。この店はまさに条件どおりだ。

さらにチャーハンなどはその日によって塩加減が違うというのも町の中華の定義に加えてよいだろう。以前は商店街にふつうに在ったこういうお店も後継者不足なのか、中国人がやっていたりラーメン専門店になったりでめっきり見かけなくなってきた。大きな中華飯店でよくあるような作りおきのチャーハンと違って、調理場から繰り出されるほっかほかの料理を瓶ビールと共に頬張るにつけ、日本人の町の中華味がいつまでも健在であって欲しいと願うのである。
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2019年6月14日 (金)

「千年松」・瀬戸内海国立公園は日本一

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宿から望む今治の町

今治市から来島海峡を挟んだ対岸、大島にある「千年松」という旅館に今年も行った。「千年松」はなんでも樹齢千年もあろうという大松が、昭和30年ころまでこの海岸べりにあったことからその名がついたという。残念ながらその老松はすでに立ち枯れてしまったが、ここでは来島海峡を行き来する大小さまざまな船舶やうず潮の流れ、さらに対岸の今治市街の灯火を眺めながら地場の魚料理を食べ露天風呂に浸ることができる。ここ「千年松」で毎年初夏、今治のある船主さん主催によって、東京の船会社数社の若手有志や、造船所、海運ブローカーなどが集まり「千年松」の会という親睦会が行われている。私は若手ではないものの、なぜか長老として毎年この会に出席させてもらっている。

梅雨入り宣言が出されたにもかかわらず、「千年松の会」が開かれた先週末は瀬戸内地方は良い天気に恵まれた。広島空港や新幹線、松山空港などから三々五々、参加者はレンタカーを利用し「しまなみ海道」を経て集合、最近の海運・造船業界の「本当」の話やらゴシップ話で深夜まで大いに盛り上がった。翌日は大島の下田水港(しただみ)で、海鮮バーベキューを堪能してお開きになったが、その前にせっかくの梅雨の晴れ間の好天とあって、瀬戸内海を一望できる大島の「亀老山」展望台まで皆でドライブした。青空の下、「亀老山」より眺める瀬戸内海はまさに絶景で、いつまでもその景色を眺めていたくなるほどだった。

こうして年に数回、瀬戸内を訪れるのだが、私にとってはここは日本で一番景色の良い場所だと思っている。瀬戸内海は、昭和9年に霧島や雲仙と共に日本で初の国立公園として指定された場所である。国立公園としては「陸地だけ」だと6千ha余で、日本の国立公園としては中くらいの規模らしいが、東は淡路島から西は関門海峡や豊予海峡まで、はるかに続く多島美のスケールは素晴らしいの一言である。もっともこの間の海域を含めると瀬戸内海の総面積は約2万haとなるから、実質的な規模では日本一の国立公園であろう。その美しい海に加え、太古の昔から交通の要衝として栄えた歴史ある港町や城下町が散在、最近では日本の産業を支える諸工業地帯、それらを結ぶ連絡船や架橋などを見ることができる。日本に多くの国立公園や名所・旧跡はあれど、自然の美しさと人々の営みが調和している地域となると瀬戸内が日本一だと確信している。
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隈研吾が設計した亀老山展望台から眺める来島海峡の絶景

2019年6月12日 (水)

老後2000万円不足問題

今の年金制度では老後の資金が2000万円不足するとする金融庁の審議会ワーキンググループの報告が問題になっている。しかしこれの何が問題なのかさっぱりわからない。老後の期間の平均的支出と年金支給額を比較し積算するなど誰にでもできる計算で、これまでも銀行や保険会社が投資を薦める際に同じような試算を出していた。現在の年金制度の下で手持ち資金ゼロで不動産や金利収入などがない場合、90歳~100歳まで相当な暮らしができるなどと国民の誰一人として思っていないから、そのような金融機関の勧誘が成り立つのである。もっとも人間は80歳を過ぎれば、そう美味しいものを食べたり、あちこち出歩いたりできなくなるから、老人の支出などは住んでいる場所やそれぞれ個人によって相当開きがあるはずだ。「年金100年あんしん」などと云うのはお題目だけだから、ワーキンググループの試算を国会で堂々と俎上にあげて内容を大いに議論したらよいのに、またアホなメディアや野党の反対でせっかくの報告書も葬られるらしい。

さて日本には自宅に現金を置いておく「タンス預金」が高齢者所帯を中心に何十兆円もあると云われている。それを狙うのが「オレオレ詐欺」で、彼らはうまいところに目をつけるものだと感心する。それはさておき、こうして自宅に死蔵されている現金を少しでも市場にまわし、資金が必要な場所や機関、開発途上国などに循環させ経済を刺激させるのが政治ではないだろうか。タンス預金にせよ老後資金にせよ、預金金利ゼロのいま、老齢所帯の預貯金が目減りをしないようにするにはどういう方策が望まれるのか、その議論の一助に金融庁の報告書が役立つと思えるのに残念である。今回もただ政府の足をひっぱり、大事な問題を政争の具にしたい野党は論外だが、これを引っ込める麻生大臣もだらしない。彼の人を喰ったような発言にいつも拍手を送っているのだから、この問題もお得意の「ポーカーフェース」で突っぱねれば良いのにと残念である。

この様に重要な問題を「安倍憎し」や選挙対策のためだけに、まともに議論しない国会を見るに忍びない。重要な案件では、反日韓国に対してもっと現実的な対抗策を直ちに実施したら良いと私は思うが、野党は対韓国の論議になるとまったく及び腰のようだ。安全保障についても、日本の置かれた地政学上の位置について、与野党間で議論を戦わしてほしいところである。はたまた消費税にしても、いま話題を集めているMMT(現代貨幣理論)では、自国通貨建ての国債なら国が破綻(デフォルト)することはないから、デフレが脱却するまで、政府は消費増税を凍結し、同時に国債で政府支出を拡大していくことが必要だ、とされるがこの種の議論も国会から聞こえてこない。MMT理論では何が問題なのか、その脆弱性はどこにあるのか、こういう問題こそ大いに国民の目の前で議論してほしい。

2019年6月10日 (月)

「歴史戦と思想戦」-歴史問題の読み解き方ー集英社文庫・山崎雅弘著

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私は「団塊」のわずか後の世代なのだが、小さい頃からかなり「右」だったことは何度か書いた通りだ。今でも保守本流の安倍首相の立ち位置を支持しているが、一方でいわゆる「リベラル」の立場の人々からの反論にも興味はある。「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」である。ということで内田樹などという「リベラル」派が推薦しており、なかなか売れ筋らしい集英社新書「歴史戦と思想戦」(山崎雅弘著)を読んでみた。保守派の論壇が賑やかなことへの反論の書のようだ。

著者はまず産経新聞の論調や江藤淳、曽野綾子から中西輝政、さらにケント・ギルバートらいわゆる最近の「保守の論客」の主張を引用し、「これらの説明を読んで、あれ、おかしいな、と気づかれました?」と反論を展開する。一読するといちおう理路整然と最近の保守派の論点がいかに詭弁に満ち、彼らが世間を誤った認識に導いているかとひっかかりそうになるのだが、やはり「こちら側」から見ると突っ込みどころ満載だ。

保守派は平和で経済が発展した自由な戦後の日本を愛すのではなく、「戦前の大日本帝国」への回帰願望が原点だと著者は云う。しかしここでちょっと考えてみれば、本当は戦争から75年も経っているのに、平和にふるまう日本を認めず過去を蒸し返す中・韓が先ではないか。事あるごとにいまだに過去の行為に謝罪や賠償を求め「もっと反省を、もっとカネを」とゴロツキのような態度をとるから、日本国内が彼らの言うところの「右傾化」し「戦前の見直し」を模索するという事実に著者は目をつぶる。本書は前提と結論が逆なのである。

南京事件でも「虐殺の光景をみたことがない」という証言から、「そんな事件はなかった」とするのは歴史修正主義者だと著者は「右」を攻撃する。しかし「一部を見てそんな事件はなかった」とするのがおかしいと著者が主張するならば、同じく「一部を見て30万人の虐殺があった」と荒唐無稽に誇張する左側も同じことである。そこへも本書は触れない。概してこの本で「右」を叩くそのロジックは、立場を変えれば「リベラル」や「左」が受けても良い批判ともなる。かつて民主党など野党が自民党を攻撃した際に、後でかなりの部分でブーメランとなって自分達の党が窮地に陥った事があったが、そんな場面を彷彿とさせるロジックの書である。「WILL」や「HANADA」でこの本がどう叩かれるか見ものである。

2019年6月 1日 (土)

安倍首相の功績

先週末はトランプ大統領の訪日で都内の警戒も厳重だった。都心を運転していると思わぬところに警察の検問があり、車線が塞がれ渋滞するなど影響があったが、まずはトランプさんが無事ご機嫌で帰ったのはご同慶の至りである。グローバリズムに背を向け「アメリカ・ファースト」を謳い、中国に本気で貿易戦争をしかけるトランプは、予想外に後年歴史に名を残した「名大統領」と賞賛されるかもしれない。例によって何でも安倍首相のやることにいちゃもんをつける野党や、反日メディア、いわゆる「アベノセイダーズ」たちは、今回も重箱のスミをつつくようなケチをつけるが、日本が安全保障で頼るのは何といって日米同盟だから、アメリカのポチといわれようとご機嫌をとっていれば宜しい。それが嫌なら日本も核装備し大国の道を目指すしかない。


安倍首相がトランプ大統領に信頼されていると私が感じたのは、6月に予定するイラン訪問である。百田尚樹氏の小説「海賊と呼ばれた男」でも描かれたが、元来イランは親日国であるものの、米国とイランが対立するなか、安倍首相がトランプ大統領のお墨付きを貰ってイランを訪問することは大いに注目される。紛争中の中東の国に日本の首相が乗り出して行くなどということがこれまでにあったであろうか。ひょっとすると安倍首相はトランプ氏とゴルフ中に、米・イ間のなんらか「取り持ち」の類いを頼まれたのかもしれない。「世界を俯瞰する外交」を実践する安倍首相に、アメリカが寄せる信頼が一段と高まったかの想像をするのである。また滞在中にトランプ大統領は、日米の宇宙分野での共同開発を劇的に拡大、「火星に一緒に行く」とも発言している。中国に見切りをつけ日本をアジアでのパートナーと見据えた重要な発言ととらえられる。


もっとも「8月」に何か大きな結果が出るというトランプ氏のツイッターで、日米貿易構造に関して何が起きるのか恐れているのがいまの日本だ。この点では2018年度の対米貿易収支は6兆円の日本側の黒字で、アメリカの新鋭戦闘機F35を100機以上買うと6兆円だそうだからは、これはこれでウィン-ウィンのディールなのだろう。また「人質」である在日米軍にはもっと予算上の措置を増やしても良いとも思う。大東亜戦争に突入する前と同じように中国、朝鮮半島、ロシアと潜在的な敵対国に囲まれた我が国の地勢学上の立ち位置である。海の彼方の同盟国に頼らざるをえないのだから、新鋭武器を大量購入するなど安全保障に金を投じるのは、日米両国にとってははなはだ理にかなった対応だと考える。

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