”さんふらわあ きりしま”昼の瀬戸内感動クルーズ(2)
飫肥(おび)の町並み
クルーズの楽しみの一つは、寄港した港から催される本船のツアーである。我が家からわざわざ行くこともない場所だと思っていても、クルーズ船の寄港地からツアーで訪れると、風情ある名所が全国津々浦々にあることに気づかされる。かつて飛鳥Ⅱで広島港に寄港した際、当時NHKの朝ドラ「マッさん」で有名になった竹原に行ったのがまさにそうだった。今年は飛鳥Ⅱで、四日市から伊勢の一ノ宮・椿大神社にお参りできたのも良い思い出である。
「”さんふらわあ きりしま”昼の瀬戸内感動クルーズ」では、志布志に2日目の朝に到着してから、帰りの大阪南港行きとなるフェリー便の出港までの間、「さんふらわあトラベル」によって「小京都飫肥と鵜戸神宮・北郷温泉・歴史探訪」の旅」が催行されたので参加してみた。岸壁まで迎えに来た貸し切りバスに乗り、杉の生産地である宮崎県南部を揺られて約2時間、到着したのは飫肥藩5万7千石の城下町である飫肥だった。
飫肥は九州の小京都と云われるそうで、いかにも古くからの城下町らしい落ち着いた町並みは、大都会近辺の名所・旧跡にないひっそりとした佇まいだった。藩主の伊東家は、南には強大な薩摩の島津藩、北に豊後の大友氏の勢力が迫る中、いかに領土を守るかに腐心したと云う。日露戦争後に締結されたポーツマス条約で知られる小村寿太郎は、幼少の日々をここ飫肥藩の藩校「振徳堂」で学んだそうだ。明治時代、まだ弱小だった日本がいかに列強に伍していくのか、飫肥藩の置かれた立場と当時の大日本帝国の状況が重なってみえるようだ。
午後は宮崎県日南市にある鵜戸神宮を回る。長い階段を上り下りしてようやくたどり着いたのは、海辺の崖にある岩窟に鎮座するお社で、これも他では見る事のできない神社である。お年寄りにはきついと思われる参道だったが、日向灘の絶景を望みながらの参拝も忘れられないものになった。この日一日、関西で有名(らしい)な歴史家の田辺眞人氏が同行されたが、その洒脱な解説も楽しく、クルーズを盛り上げる「さんふらわあトラベル」の意気込みも感じられた。見学を終わり夕方5時大阪南港向けに出港する「さんふらわあきりしま」に戻ったのだが、こうしてみると、どうして”フェリー侮るなかれ”といえよう。
飫肥名物の厚焼卵
鵜戸神宮
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