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2019年5月 9日 (木)

志水辰夫「裂けて海峡」

20190509

狭いマンション住まいなので、どんなに立派な本でも読んだらすぐ捨てる事にしている。大事なこと、記憶しておくべきことがあれば、ノートにメモでもとっておけば十分だ。ただそうは云っても印象に残り、必ず将来もう一度読みたくなるだろうと思った本だけは書棚に残してある。この10連休は時間もゆっくり取れたので、そんな本の幾冊かを手にとってみた。まずは志水辰夫の「裂けて海峡」(1983年・講談社ノベルス)である。発売当時の活字が小さいのは参ったが、3月に亡くなった母の遺品、ハズキルーペをつけて読書三昧の連休である。

「裂けて海峡」は、息をも継がせぬ展開が読者を魅了する冒険小説だ。主人公がひょんなことからヤクザを殺し服役中に、彼の小さな会社が所有する内航船が九州沖で行方不明になることから話が始まる。出所した彼はヤクザの組員に追われながらも船の遭難原因を調べるうちに、つぎつぎと驚愕の事実が分かってくるのだが・・・。「え、そうくるの?」というダイナミックな筋立てと、主人公が某巨大組織から追われるスリル満点の逃亡シーンの描写が本書の醍醐味といえよう。その中に謎の老人やら美女が絡んで、話は映画のO07をもっと切迫させたような場面の連続である。

作者、清水辰夫は内航海運に関係したことでもあるのだろうか、貨物船に関する記述もホンモノっぽくてよい。そう云えばこの本を読んだ時分、私も30歳代の忙しい盛りであったことを思い出す。当時は余りの面白さに時間が経つのも忘れ、深夜になっても目が離せず、翌日の勤務に響かないか心配したものだった。読後、すっかりシミタツ節に魅了され、彼の「飢えて狼」「あっちが上海」などにハマったことも懐かしい。今回も2日ほどで読み切って、妻に「この本おもしろいよ」と薦めてみた。今朝は目覚ましが鳴っても彼女がなかなか起きて来ないので、どうしたのか聞いたら「夕べ読み始めたらやめられなくて三時になっちゃた」と言っている。「裂けて海峡」はその後、新潮文庫からも出されたから今でもアマゾンか大きな本屋に行けばあるだろう。おすすめである。

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