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2019年5月 6日 (月)

M/V "VIKING ORION" (飛鳥Ⅲの手本には?)

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この連休には、京浜地区にもクイーン・エリザベス始め多くのクルーズ船が寄港した。その中で東京晴海の客船ターミナルに、VIKING OCEAN CRUISEの新造船VIKING ORION号が来ているというので、昨日は晴天の下、ドライブかたがた見学に行ってみた。5月4日朝から2泊東京に碇泊するオリオン号はノルウエイ船籍で48,000総トン、昨年イタリアのフィンカンチェリ造船所で出来たばかりで白亜のペイントもまだ初々しい外観である。最新のクルーズ船とあってブリッジはウイングがガラスで覆われ、例によってベランダ付きの部屋が船側にずらりと並んださまが美しい。ちょうど東南アジアから極東を経由してアラスカ海域で夏場のクルーズに配船される途中の日本寄港で、晴海で見ていると乗客は欧米系のシニア層が多そうだ。

おりしも客船ファンの間では、老朽化した飛鳥Ⅱ(50,142総トン)がどうなるのか関心が高まっているところだ。同じサイズの新造船であるオリオン号を見ると、いずれ代替されるであろう飛鳥Ⅲが、今と同じ大きさならばどういう雰囲気になるのか参考にもなりそうだ。という事で両船のサイズを比べると、長さ/巾はオリオン号が227米X28.8米、飛鳥Ⅱが241米X29.6米とオ号がわずかに小さい。デッキプランを見ると、オリオン号は流行の全室オーシャンビユーのベランダ付きなのが素晴らしいが、全通するプロムナードデッキは残念ながら飛鳥Ⅱのようなチーク張りでないようだ。オ号は乗客定員930名クルーが550名でその比率が1対1.7に対し飛鳥Ⅱは1:1.5とあって、同じ高級船の部類だが、この点は飛鳥Ⅱが少し優っている。もっとも部屋の大きさはオ号のもっとも数が多いSTATE ROOMが25平方米と飛鳥Ⅱのベランダ付きキャビンの22.4平方米に優っている。その上WiFiが無料というのも新しい船ならではの特徴だ。

VIKING OCEAN CRUISE社は1997年に出来たばかりの会社で、当初はヨーロッパでリバー・クルーズを行っていたが、2013年に外洋クルーズに進出している。驚くのは、すでにオリオン号と同型のクルーズ船を5隻新造しており、この後も僚船をまだ数隻建造し大々的にクルーズを展開するらしい。飛鳥がこんな新しい船になったら、と思いながら晴海で眺めていたが、世界ではクルーズ船の新造ブームで、限られた欧州の客船用造船所はどこも予約で一杯だ。一方で日本でもやっとクルーズ人口が増えてきているのに、日本船は同じようなカテゴリーでこじんまりと客船事業を継続しているのが何とも寂しい。また大型タンカーの建造であれだけ世界を席捲したわが造船所も、客船の建造に恐れをなして逃げているばかりだ。大きく成長する世界のクルーズ事業を横目に、「事業の選択と集中」などと冒険しない理由ばかりを考える小粒なわが経営者達を見ていると、日本経済の失われた20年もむべなるかなと感じるのである。

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