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2019年5月18日 (土)

飛鳥Ⅱ 飛躍・大規模改装

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夕陽に映える飛鳥Ⅱ(於アムステルダム)

飛鳥Ⅱが来年1月からシンガポールのドックで大規模改装すると云う報道が飛び込んできた。2020年から発効する排気ガス中の硫黄酸化物規制に対応する装置(スクラバー)搭載のほか、露天風呂の設置、ネット環境の増強、レストランやキャビンの改装など数十億円規模の工事だとされている。1990年にクリスタルハーモニーとして造られた本船だが、2006年に日本籍の飛鳥Ⅱに改装されてからもすでに13年、内装も外見も老朽化が目立つこの頃である。世界のクルーズ市場には次々と新鋭船が投入される中、幾らなんでもこのままでは高級船として生き延びることが難しいと思われた飛鳥Ⅱが、外部ファンドの資金を利用してやっと改装されることになったことは喜ばしいニュースだ。

浮かぶ養老院だとか、外国船に比べて料金がバカ高いと云われる飛鳥Ⅱだが、乗ってみると「お金はタダはとらない、高いものにはそれなりの価値がある」と実感してきた。このまま何もせずに飛鳥クルーズ自体が終焉を迎えるのではないかと危惧していた私も、本船がとりあえずリニューアルされサービスを継続することを知り一安心と言える。今は発表された改装後のプロファイルを見つつ、キャビンの様子やパブリックスペースの使い具合をあれこれ想像するのが楽しいところだ。新しくできる露天風呂は外に面しているから、橋の上からだけでなく神戸中突堤のオリエンタルホテルや、ホノルルのアロハ・タワー、セントーサのロープウェイなどから丸見えになってしまうのはどうするつもりなのか、などと今後の運用も興味が尽きない。

当面、飛鳥Ⅱを大改装してサービスを継続しつつ、ファンドと協議しながら新造・飛鳥Ⅲ投入のチャンスを郵船クルーズは考えているのだろう。おりしもトランプ大統領の素晴らしい功績で、中国経済は急速に悪化しているようだ。中国の後退は喜ばしいが、これが我が国や世界の経済に返り血となって跳ね返り、アジアを中心に盛り上がるクルーズ業界にも不況が到来することが充分考えられる。その折には新造クルーズ船の建造予約で一杯の欧州造船所も、契約のキャンセルなどが出てくるのではないか。これらの造船所から空いたドックスペースで、安く客船を造らないかというオファーが得られる可能性もあろう。景気が悪くなれば、安いバルカーやタンカーばかり造っている日本や韓国・中国の造船所も、貨物船より船価の高いクルーズ船建造を図るかもしれない。どんな業界でもブームの後ほど景気の谷間が深くなるから、今はクルーズ業界の不況を待ち飛鳥Ⅲの新造計画をじっくり練るのも悪くないだろう。

ホノルルアロハタワーから
船体中央のネットの場所に造られる露天風呂が丸見え?
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コメント

初めまして。
バルクキャリアーさんの聡明で造詣の深い客観的で軽妙なブログと、奥さまの丁寧で博識で洒脱なブログやツイッターを、いつも楽しみにしています。
私は飛鳥Ⅱ(Ⅲ)で世界一周をするのが夢で、夫の現役時代はショートクルーズに乗船しています。

これは好みの問題なのですが、私にとって『豪華客船』といえばタイタニックで、飛鳥Ⅱの優美でクラシカルでエレガントな内装や家具が好きでした。

新装後のリドカフェ&リドガーデンの椅子は猫足の肘掛け椅子ではありません。
ブックラウンジも、コンピュータープラザや重厚なライブラリーと比べたら、座り心地の悪そうなカジュアルな椅子に変更。
美しいアスカプラザも現代的なシンプルモダンな場所に変わりそう。

イメージ画像なので実際は異なるのかもしれませんが、インテリアに関しては、今よりもお安い物を購入される感じがうかがえます。
潤沢な資金で改装するわけではないため、いろんなところでコスト削減を図るのは当然ですよね。
ただし今ある家具を排除してまで、安い家具を買うほうがコスト削減になるのでしょうか。
軽くて掃除はしやすそうですね。

私自身が綺麗な家具が好きなので気になりますが、他のお客さまにとっては今よりもチープな椅子になっても、新しければ何の問題もないのかもしれません。

ウィンブルドンコートを廃止して造られる露天風呂は、視界が気になるところ。
Wi-Fi エリア拡大は楽しみです。

ところでクラブマガジン飛鳥の、世界一周クルーズのインタビュー記事を拝見しました。
ぜひ四度目の世界一周のお話を伺いたいです♪

マリアンディールさん
コメントをありがとうございました。

確かに改装後の飛鳥Ⅱのリドの椅子は、カジュアルっぽいですね。これまでのものが重厚だっただけに残念な気がします。

これに限らず”5月16日の”さんふらわあきりしま”のところでも書いたように、最近の客船・フェリーの内装は、どうも
私にも薄っぺらく合板チックで好きになれません。改装後に実際どう感じるか心配ですね。

露天風呂はどうやら停泊中は使用制限されるようです。2014年に新日本海フェリー”すずらん”で露天風呂を利用した際は、よく工夫されているものの、厳密には外から見えてしまうかも思いました。

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