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2019年5月16日 (木)

”さんふらわあ きりしま”昼の瀬戸内感動クルーズ(1)

20190516
出港を待つ南港コスモフェリーターミナルの「さんふらわあ きりしま」
手前は別府行きの「さんふらわあ こばると」

2014年6月に乗船した”フェリーさんふらわあ”の昼の瀬戸内感動クルーズが面白かったことは当時アップしたとおりだ。毎年何回かあるこの昼のクルーズだが、今回はいつもの大阪・別府航路ではなく新造船を使った大阪・志布志航路で催行されるとあって、先の日曜は大阪南港から真新しい”さんふらわあ きりしま”に乗船してみた。以前にも紹介したとおり、瀬戸内海を縦断する航路は今や夜間のフェリー便のみになってしまったので、日本初の国立公園として指定された瀬戸内海の景色を堪能するには、クルーズ客船を除くとこの昼の感動クルーズが唯一の機会である。昨年9月に就航したばかりの”さんふらわあ きりしま”は1万3659トン、二重反転プロペラやハイブリッド推進が話題の船である。

せっかくだからという事で、南港を日曜日12時に出る感動クルーズ便は今回も気張ってバルコニー付きのスイートルームを予約した。昼の“瀬戸内感動クルーズ”で本船に一泊し、帰りは四国沖を夜間走る通常のフェリー便の客として大阪まで帰る際は、志布志でチェックイン・アウトの必要もなく同じ部屋で過ごすことが出来る。本船”さんふらわあ きりしま”は新造船とあって船内はどこも真新しく広々と快適である。大阪商船や関西汽船時代の別府航路をたどる諸展示が船内に掲げられているのも、かつて新婚旅行で人気だった本航路の歴史を示していて興味深かった。もっともフェリーとあって、内装がクルーズ船のような豪華仕様でないのは仕方ない。特に船内あちこちに使われる木目の化粧板が色がうすく安っぽく見えるのがちょっと残念なところだし、淡い紫色や青色が照明や装飾物に多用されるのも、なんだか韓国調で気になった点である。

スイート客室は22.9平方米の部屋にバルコニー8.6平方米が付いてゆったりとしている。この部屋に限らずどのタイプのキャビンもプライバシーを重視した造りになっているのは、最近のフェリーの特徴だと云える。ディーゼルエレクトリック推進も採用している乗り心地は、今までのディーゼル船とさして変わらなかったが、今回は新造船にも関わらず、最初の晩は客室近くで船体のビビり音が強かったのがやや気になった(2晩目は振動・騒音の原因箇所を調整したそうで解決されていた)。食事は例によってビュッフェ形式なるも、往路は特に品数・メニューとも豊富で、この特別便を盛り上げようとのクルーの心意気が感じられる内容。それにしてもやはり昼の瀬戸内海航路は素晴らしい。これまで内外あちこちの海域に行ったが、ここは世界に誇れる多島美だと云えよう。点在する緑の島影だけでなく、潮流あり、橋あり、港や町に遠く望む工場ありで、自然と人間の営みが調和した光景は見るものの目を飽きさせない。“感動クルーズ”の名に恥じない催行だと満足して早朝大阪で下船した。

20190516_1
どこか垢抜けない(様に感じる)スイートキャビンの内装

フェリーさんふらわあ・昼の瀬戸内感動クルーズ(1)2014年6月5日
フェリーさんふらわあ・昼の瀬戸内感動クルーズ(2)2014年6月6日
フェリーさんふらわあ・昼の瀬戸内感動クルーズ(3)2014年6月9日

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