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2019年4月12日 (金)

COSTCOはコスコかコストコか?

20190412

英米から来た書簡を抜粋して蓄えた自作文例集の一部

現役時代は、仕事で英語が必要だったのでそれなりに苦労した。なにしろ大学の語学の成績はほとんどがC.C.C、すなわち優・良・可・不可の可ばかり、お情けで卒業させてもらったようなものだからとにかく就職した当初は大変だった。会社に入って初めて書いたテレックス文案を見た上司は、「うーん!」と絶句し、「キミは本当に大学を出たのか?」とあきれたものだ。さすがにクビになったら拙いと思い、同じような不出来な同僚を集め、自費でアメリカ人に英会話を習ったり、英語の通信講座を受けたりした。そのほか英字新聞や英語が上達する本を読み、ドライブ中はFENにチューニング、通勤電車でも英語カセットを聞くなど我ながら相応の努力をした。ハリウッド映画の人気ビデオ(当時はDVDなどなかった)を借りると、聞き取れない場面を何度も繰り返し見たことも思い出である。

という事で何とかアメリカ一人駐在も乗り切ることができたのだが、現役を退くと英語が必要な場面もなくなってホッとする。イギリスの高校を出た妻が時々DVDで字幕のない外国の映画を見ており、以前は勉強とばかり一緒に画面を眺めたが、最近は「あ、どうせ判らないからよいよ」と素直に本音が出せる。それでも日本の国内で氾濫する英語表記には、思わず目が留まってしまうのは永いこと英語で苦労したサガだろう。今も地下鉄の車内で「非常時には駅の間で線路におりないでください」などと英語の掲示があると、これがあまりに直訳かつこなれない英語なので「俺ならこういう書くのに」と見る度一人ブツブツ唸るのである。

そういえば近頃よく行くスーパーにはCOSTCOの巨大なポテトチップスの袋があって、その売り場の表示に「コストコ」とあるのにしばし違和感を感じる。アメリカで住んでいた家のすぐ近くにCOSTCOの本社があり、当時よく買い物をした際は、アメリカ人も現地の日本人もみな「コスコ」と呼んで「ト」を現す発音は聞こえなかった。スーパーと云えばスープなどの会社Knollも正しくは「ノル」のはずなのに、日本では「クノール」の呼び方が一般的だ。シンガポールでシングリッシュが使われるとおり、言葉は生き物で、場所によって違って良いものの、できれば本場い近い読みの方が恰好良いのではないか。

英語と云えば先ごろイチローの出場で話題だったように、アメリカのメジャーリーグ公式戦も日本で行われる様になり、日米の用語の違いが分かり興味深い。四球は米ではWALKというのに対し、こちらではフォア・ボール、HIT BY PITCHが死球と訳され、日本ではデッドボールと呼ぶのも面白い。日本のネクストバッターズサークルは、「待機する」という意味で使われるON DECKからON DECK CIRCLEと本場では云う。こんな中でアメリカのグランド・ルール・ダブル(外野でバウンドしたボールが観客席に飛び込んだ際に2塁打とするルール)をエンタイトルド・ツーベースと名づけた日本人のセンスの良さは特筆ものだと思う。明治時代、日本に入ってきた野球のルールを、正岡子規ら当時のインテリ達が知恵をしぼって編み出した用語なのだろう。さしてモノにならなかった英語だが、やっぱり違う言語に触れ、いろいろなところで彼我の違いを見つけるのも面白いものだ。

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