にっぽん丸のグアム事故(その3)
飛鳥Ⅱはじめクルーズ船で知り合った人たちと、時々食事会や飲み会をおこなっている。この3連休は2018年の飛鳥Ⅱワールドクルーズで再会を期したグループの集まりが都心であったが、その中に年末の”にっぽん丸”のグアム事故に乗り合わせていたご夫妻がいて話を伺った。この時の話を紹介してみたい。
『12月30日の夜に桟橋と衝突した時は船内ではさして衝撃を感じなかった。だが船の後部で見ていた乗客によると、迫りくる桟橋に「あー、ぶつかる、ぶつかる」と叫ぶ間もなくぶつかったそうだ。事故後に別の岸壁に係留されたが最初は状況がよくわからなかった。翌日、JG(国交省)と米国コーストガードの出港許可がおりないので本クルーズはここで中止という発表があり、船長の説明会があった。会場では厳しい声も乗客から上がったが、船長は気もそぞろ、魂の抜けたようなボーッとした風情で大丈夫だろうかと思った。船長一人に任せて他のオフィサーや上級クルーがアテンドしないのは危機管理上いかがなものか、不思議な光景だった。』
『1月1日に飛鳥Ⅱが入ってきて乗客が楽しげに観光に出かけるのに、岸壁の端に追いやられた”にっぽん丸”の乗客は船内から出られず惨めだった。翌日は朝5時に起きて空港へ案内された。自分達はよい部屋だったから帰りのフライトの空いた席に優先的に案内されたが、キャンセル待ちの30名~40名は結局乗れずに船に戻ったようだ。荷物はパッキングをしてキャビンに残し船とともに横浜に着いた後で、自分で通関する必要があったので横浜まで取りに行った。大桟橋に止めて置いた自家用車のピックアップなどもあって大変だった。』
概略以上の通りである。同船に乗り合わせていた別の人によると「後進の勢いをつけすぎてしまい穴を2つあけてしまったと船長の説明があった。会場では『慰謝料は?』『保障は?』で殺気だっていた」そうである。またこれとは別に、2016年飛鳥Ⅱの南極・南米クルーズで知り合った友人からは、「昨年”にっぽん丸”の小笠原クルーズがこの船長の操船だったが、乗客を楽しませてくれてとても良かった」というコメントももらった。
さて起こしてしまった事故は仕方がないとしても、その後の対応がしっかりしているか否かが問題である。この事故が起きたのは、たまたま年始早々でグアムからの帰国ラッシュが始まる前だったから、帰りのフライトの席もなんとか確保できたのはラッキーだったといえよう。ただ事故を起こして動転している船長一人に説明させ、乗客の不安を増したとするのが本当ならば”にっぽん丸”の対応も心もとなかったのではないか。
もともと”にっぽん丸”ファンだったのに私達が最近乗らないのは、2014年2月の悪天候の際の本船の素っ気ない対応が原因のひとつである。この時は2泊3日で相模湾を周遊するクルーズだったが、雪や低気圧のため2晩とも横浜港外で碇を下ろしたまま動かなかった。このこと自体はやむ終えないものの、そうであればオンボードクレジットなりアルコールのサービスなどの一切提示ないその素っ気なさに、以後乗船する気持ちがやや萎えてしまった。2014年2月16日 (日)にっぽん丸 OASIS ( 横浜沖レストラン船)”にっぽん丸”はこの事故を奇禍として、より安全で良いサービスを心掛けて欲しいものだ。
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