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2019年1月31日 (木)

飛鳥Ⅱ新春の伊勢クルーズ(3)ワンナイトチャーター編

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料理の説明をする落合シェフ

某メガバンクによるチャーター・クルーズは2015年の1月以来二度目である「飛鳥ⅡA-Styleクルーズ~冬彩~ (2人だけのダイニング)2015年1月14日」。 一介の勤め人にすぎぬ私は特段この銀行のお得意様と云うわけでもないのだが、新入社員時代以来の永年の付き合いでいろいろ催し物の案内が来る。振り返ってみれば昔はほとんどの会社の入口はオープンで、今のように事務所に入るのに受付を通せだの、セキュリティがどうだのという事はなく、ヤクルトや牛乳配達、生命保険のおばちゃんなどが毎日事務所に顔を見せていたものだ。当時、近所にあったこの銀行の聡明そうな若い女性も社内を廻っていて、通帳と印鑑を渡しておくと必要な時に金を引き出して自分のデスクまで持ってきてくれる。銀行の彼女となるべく口を聞きたいしサービスも便利なので、給与振り込み先をこの銀行にしたのがそもそもの付きあい始めなのだが、若い日のいささか不純な動機が今日のクルーズにも繋がるとは縁は異なものである。


閑話休題(それはさておき)この銀行の一泊チャータークルーズは、料金的には他のクルーズと比べて特段のメリットはない。ただ「日本で一番予約がとりにくい」と云われるイタリア料理店”ラ・ベットラ”の落合シェフによるフルコース・ディナーが出されるのが目玉である。実はクルーズの一週間前にたまたま銀座・宝町にあるベットラ本店に行ったばかりで、その時の料金は前菜、パスタ、メインの3品で一人4千円ちょっとだった。飛鳥独自のディナーも相応の値段はするだろうが、いつもと変わらぬクルーズ料金でベットラのコース料理が味わえるのはちょっとお得感がある。出されたディナーはデザートを含め少しずつ八品もあり、実にどの皿も美味しかったが、落合さんが「スパゲティは飛鳥のギャレーでストップウォッチで計りながら30秒ごとに順番に茹で始めて出しているのです」とダイニングで乗客に力説した通り、ウニのスパゲティが秀逸で妻はお替りを頼んで二皿平らげてしまった。


さて今回の乗船中に飛鳥Ⅱを所有する郵船クルーズ社から、株式のうち50%を船舶投資ファンドに譲渡し、このファンドとともに客船事業を運営していくと発表があった。ファンドマネーにより飛鳥Ⅱの大規模な改装と、さらに今後の新造船計画を練るのだそうだ。このファンドは旧ジャパンラインにカネをつぎ込み海運界の泥沼にどっぷりと浸かった旧興銀やら、ロッキード事件で疑惑にまみれた海部軍団の旧日商岩井のメンバーがトップらしく、百選練磨のなかなか手練れた陣容に見える。修羅場をくぐった面々が繰り出す一癖も二癖もある大技・小技を駆使して、このあと飛鳥クルーズの興隆を図ってもらいたいところだ。私が聞いたところでは、飛鳥Ⅱ船内の関係者からは、新しい体制になり念願の新造船の計画が大きく進展するのでは、とのニュアンスが強かったが、いよいよそうなることを期待しつつ下船の舷門をくぐったのだった。

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ラ・ベットラ名物 ウニのスパゲティ

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