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2019年1月 9日 (水)

切腹最中

20190109

新橋で大正初めから営業している新正堂の名物「切腹最中」を、さる新年会のみやげにもらった。以前にも新橋近辺のマンションに住む友人からいただいたことがあり、この界隈ではけっこう人気の和菓子のようだ。菓子の名前として「切腹」と云うのもちょっと変だが、そもそも新正堂のあるあたりは元禄時代、田村右京太夫の屋敷だった場所で、殿中で刃傷沙汰をおこした浅野内匠頭がここで切腹させられたので、それに因んで命名された菓子だそうだ。
「12月14日 赤穂浪士の討ち入り(2018年12月14日)」


「…皆様の口の端に上ればという思いを込めて、最中にたっぷりの餡を込めて切腹させてみました」と同封の「切腹最中のしおり」にある如く、包装箱をあけると小さめな皮から溢れんばかりの餡がみえる。最中のお腹を切り裂いたかのように餡子が詰め込まれているその形状と、浅野内匠頭が切腹した場所であることをかけたあたり、江戸っ子のしゃれっ気たっぷりの菓子で、なかなかのアイデア商品だと云えよう。一口食べると最中の皮はさっくりで求肥を包む餡子は新鮮、腹切りと云うネーミングとは思えぬ上品な味が良い。洒落の判る相手なら、何か失敗した折にお詫びの印で切腹最中を持参するのも面白い。


さて、しおりに「本品が話しの花を咲かせるよすがともなればとと心を込めておつくりしております」とある通り、もらった最中をつまみながらあらためて忠臣蔵の事を思い出す。そういえば今読んでいる百田尚樹氏による話題書「日本国紀」の「赤穂事件」の項目には、江戸時代に江戸城での刃傷事件は七回あり、内匠頭が切腹というのは当然の処置だったとある。内匠頭が刃傷沙汰をおこした理由は「いじめ説」「怨恨説」など様々あるが、単に「精神錯乱」だったのでは、というのが百田説で面白い。彼の云う「錯乱」がなければこの切腹最中もなかったのかと歴史の綾の面白さを感じつつ一挙に二つ食べてしまった。

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