2019年 大学入試センター試験 英語筆記
久しぶりに何も予定のない週末であった。ゆっくりと日曜日の新聞を眺めていたら、数ページに亘って「2019年大学入試センター試験・第一日 問題と正解」という特別面がある。どうやら国語・外国語・地理・歴史など、今年行われたセンタ―試験の初日の全題の出題とその回答が掲載されているらしい。暇にまかせて最近の大学の入試はどのくらい難しいものなのかと、ちょっと問題を読んでみるが、地理や歴史など暗記ものは忘却の彼方で、紙面を前に「ウーン!?」と考え込んでしまう。ならば英語の筆記試験ならどの程度できるのか、チャレンジしてみようという気持ちになった。
コンピューター処理をするためなのだろう、センター試験はすべての回答が択一で正解に当たる数字をボックスに記入していく方式である。永年仕事で使ってきた英語だしアメリカにも駐在した事があるから、他の科目と違って何の準備がなくとも、まあそこそこは行けるだろうと高を括って始めると、しょっぱなから単語の発音とアクセントに関する出題だ。4つ並んだ単語から、他の3つと違う単語を選べという設問なのだが、明らかにそれと判るものもあれば「あれ!」と首を傾げて、イギリスの高校を出ている妻にちょっと尋ねたくなるものもある。一人で全問題を解こうと思っていたのに、そんな気持ちになるとは、早くも前途多難の様相である。
その後の問題もブランクに動名詞を入れるのか不定詞なのか、或いは形容詞を入れるか副詞なのかなど、普段の会話ではどうでも良さそうなものもあり、時々答えを書くペン先が鈍る。解き進むうちTOEICほどのひっかけこそないが、4択から正解を選ぶ為には、時間をかけて文意を計るべき箇所が多いことに気づく。複数の出題者がいるようで、やけに易しい部分と細部にこだわる問題があるのも気にかかる。面食らうのは長文読解であった。文中に難しい単語はまったくないが、ダラダラと続く起承転結に乏しい文章がどうにもなじめず頭にピンと入ってこないのだ。文に含意される微妙な点を解きほぐす為に、ぶつぶつと口に出して幾度か音読みを繰り返すうち、今度は80分という時間制限が気になってくるのだ。
ビジネスで使う英語は、しょせん売るか買うか、クレームがあるかないか、受諾するのか拒否するかなど目的がはっきりしている。英文契約書や裁判・仲裁の判例なども双方の立脚点や争点・論点が明らかだから、少々長くても最後に結論が明確に分かる。それに比べると散文的に展開されるセンター試験の長文は、当方が慣れないせいもあってかなり冗長である。こんな抑揚のない緩い文章を実際に職場で書いていたら「もう少し難しい単語を使っても良いからもっと簡潔に書けよ」と上司に怒られそうだ。しかしこのような大した意味のない文章から、作者の意図や細部の違いを見分ける英文読解力をここでは試しているのだろう。このあたりが試験の英語たるゆえんである。
軽い気持ちで始めたセンター試験英語も、と云うことで時間ぎりぎりで終わった時には結構エネルギーを使ってぐったりしてしまった。高校から一貫教育校(付属高校)に入って大学入試はなかったから、入試問題などを解いてみるのは50数年ぶりのことである。終わって新聞のあちこちのページを繰ってバタバタとぎこちなく答え合わせをやっていると、大学入試を経験し、銀行に入ってからも各種の資格試験を経験した妻は、「実際の試験では音読は許されないわよ」「あなたって本当に試験慣れしていないのね」「ある意味恵まれた人生よね」などと傍らで呟いている。さて答え合わせの結果は200点満点で170点ほどだった。今年の平均点はまだ発表されていないが、昨年の英語筆記平均は110点くらいだそうだから、(難易度が同じ位とすれば)受験勉強せずとも英語だけは、なんとかどこかの大学に入れるのかもしれない。さて、次は国語もチャレンジしてみようか。(と思ったが、ちよっと読み始めたら難しすぎ、即あきらめた)
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