アムステルダム・ハンブルグ・ロサイス
締め切り堤防。右手がソイデル海で左の湖面より高い位置にある
アムステルダム
アムステルダムには以前に来た事があるので、今回は船から出るオプショナルツアー「オランダ大堤防とSL列車」に参加した。午前中に飛鳥Ⅱを出てバスに乗りフォーレンダムでチーズ製造を見学、エダムにて昼食、開拓時代のSLが牽く列車に一時間ほど乗った後に「締め切り大堤防」の見学と盛り沢山な内容。オランダといえば干拓の歴史で知られる通りである。大きな湾であったゾイデル海の入り口は、1932年に延長30キロにおよぶ締め切り堤防(ダム)によって封鎖され、その内側に干拓地が造成されている。ドイツやフランスなど大国に囲まれたオランダは、どうやってその独立を保つかが常に課題であったそうだ。生きるためには良いと思われる事は何でもやってみるという進取の精神がこの国の基本で、ダム建設もその一環との事。そのほか大麻も合法、レズ・ゲイ・ホモなどにも理解がある国柄であると云う。現地ガイドの説明を聞きながら、伝統と改革、保守と革新の調和・相克に挑戦し続けたこの国のあり様に思いを寄せた。
ハンブルグ
ハンブルグは伝統的な海運会社の多い場所で、現役時代には彼らとの会議に何度か来た事がある。といっても出張で覚えているのは会議室と会食のレストランくらいだったが、今回は当地に赴任している妻の従妹家族一家に町をゆっくり案内してもらう事ができた。以前ここは日本人が多くJALの直行便もあったから、現地の日本人学校もさぞ生徒が多いのだろうと聞くと、日本人の子弟が減って学校を維持するのも大変だという。今回ヨーロッパに来てちょっと驚いたのは、ミラノやローマなどかつてJAL便が来ていた都市に日系航空会社の直行便がない事であった。以前はちょっとした欧米の町には、日本の各企業から派遣された駐在員が多数いたものだ。中には何の用があって人を寄越したのか疑問に思うような会社もあったが、それらの余裕が我が産業界の人材育成ひいては競争力の源になったのでなかろうか。私も良い時代に勤める事ができたと我が僥倖を喜ぶと同時に、合理化や現法化でそういう余地が少なくなった日本の現況を寂しく感じるのだった。
ロサイス
ロサイスはスコットランドの首都エジンバラからファース湾を挟んで20キロあまり北に位置する。エジンバラの市街地にも港があるものの、以前”ウエステルダム”号で来た際にもフォース橋のたもとにあるサウス・クイーンズフェリーにテンダーボートで上陸したから、エジンバラ市にはクルーズ船に適する設備がないのだろう。飛鳥Ⅱが着いたロサイスのクルーズ船ターミナルからエジンバラの町まで連絡バスが出たが、これが往復で1万円弱と高額である。という事で今回は公共の鉄道(スコットレイル)や市バス(ロジアン)で、エジンバラ港に係留されている元王室ヨット・ブリタニア号に行ってみた。鉄道の切符自販機の操作や、昨年の紙幣切り替えによって持参したポンドが使えないなど困惑する場面もあったが、それもまた旅の思い出である。それにつけてもブリタニア号の純正チーク材のデッキは、飛鳥Ⅱを全通する木製のデッキとまったく同じ様子である事を発見し、飛鳥Ⅱが改めてお金をかけて造られた客船である事を認識した。
ハンブルグ市庁舎
ブリタニア号のチークデッキ
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