飛鳥Ⅱ 2018年世界一周クルーズ「マイ出港セレモニー」
横浜・神戸を経てクルーズは5日目、飛鳥Ⅱは台湾とフィリピンの間のバシー海峡を南下中だ。北回帰線も越えて海は群青色に変わり、シンガポール時間に合わせて時計を一時間遅らせて、やっとクルーズも本番という気分になってきた。今回は満船状態の699名が飛鳥Ⅱに乗船とあって食事も完全に二回に分かれて出されているが、船内は覚悟していたほどどこも長蛇の列というという訳でもない。船内生活や各種レクチャーのオリエンテーションに加え、知り合いの飛鳥Ⅱの船友に、またその船友を紹介されたりしておしゃべりをしているとあっという間に過ぎてゆく一日である。
横浜に見送りに来てくれた友人達から頂いたお餞別の品を前に、昨日は我がキャビンの出港儀式を執り行った。先ごろニッカ十年浪漫倶楽部で届いた2本の十年ものシングルカスク・マイボトルのうち、船内に持ち込んだ最初の1本の開栓式が我が家の出港セレモニーである。様々な事情があったがそれを乗り越えて無事に100日余のクルーズに出かける事ができたら、この59度もする濃いマイ・ウイスキーボトルの封を切ろうとかねてから妻と話していたが、いよいよその夢が実現する瞬間になった。開けたボトルは航海中のイベント毎に少しづつ乾杯し、10回ほどで飲もうと思っており、本日本の領海を出る昨日は待望のセレモニー実行日である。
という事で昨夕はふつうのウイスキーよりよほど厳重な封を開き、琥珀色に輝く10年ものマイ・ウイスキーを慎重にグラスに注ぐ事にした。ニッカ浪漫倶楽部では3万円の会費を払い何人かで共有した樽の中で熟成した5年もののウイスキーを1本、10年ものは2本貰える事になっていたから、5年ものは0.5本と換算すると1ミリリットルが約18円くらいになる。シングルでは高々500円ほどの価値だが、十年も待ったボトルである。これを一滴でもこぼすまいと慎重にキャビンのグラスに注ぎ、一口目はおもむろに生で、次にオン・ザ・ロックで口にはこぶと、えも云えぬ芳醇な香りとともにほのかな甘さのウイスキーが口内に広がった。船の揺れと相まって気持ちよい酔いが身体を巡るうち、とにかくクルーズに来て良かったという実感がわいて来た。
« 飛鳥Ⅱ 2018年世界一周クルーズを前に(2) | トップページ | 船上のピアニスト »
「船・船旅」カテゴリの記事
- ”にっぽん丸”「神戸/横浜クルーズ」と”飛鳥Ⅱ”「博多発着 秋の連休 ウイーンスタイルクルーズ」連続乗船記(2024.11.05)
- 飛鳥Ⅱ 秋の3航海乗船記 (番外編)(2024.10.09)
- 飛鳥Ⅱ 秋の3航海乗船記 (4) 「爽秋の神戸着発、瀬戸内 九州・松山クルーズ」 瀬戸内海 と「秋の神戸・横浜クルーズ」(完) (2024.10.07)
- 飛鳥Ⅱ 3航海乗船記 (3) 大洲観光と貸切観光列車 『伊予灘ものがたり』(2024.10.06)
- 飛鳥Ⅱ 秋の3航海乗船記 (2) 爽秋の神戸着発、瀬戸内 九州・松山クルーズ(2024.10.04)
コメント