« 保守の真髄 西部邁 | トップページ | 東京マラソン2018 »

2018年2月18日 (日)

親切、常識、マナー

週末である。皇居でのジョギングの帰り、千代田区のある大きな交差点に差し掛かると、白い杖を持って目が不自由な男性が信号待ちをしている。後姿から察すると80歳くらいだろうか、信号が青に変わったチャイムが鳴ると、横断歩道の黄色い点字ブロックを杖で確かめつつおぼつかない足で老人は交差点を渡り始めた。周囲の人達が心配げに見守る中、傍らにいた中年の女性がすかさず老人の腕を取って誘導しようとしたその瞬間、彼は「余計な事をするな!」とばかり女性の手を乱暴に振りほどき、一人でよたよた進み始めた。あっけにとられてその光景を見ていた私は、くだんの女性に「性格の悪い人もいますね」とささやくと、彼女も「見てましたか?」と苦笑いで返事を返してきたのだった。


世の中には目の不自由な老人を介護するふりをして財布を持っていく様な不埒な輩もいるだろう。老人は以前そんな事態に遭ったのかも知れないし、どういうつもりで女性を邪険に突き飛ばしたのかは判らない。ただ他人に誘導される事が不本意なら「自分で出来ますから結構です」と穏やかに言えばよいのにと思うが、人に親切を受けるのを良しと思わぬ固陋な性格の老人なのだろう。思い出すのは、若い人が電車で老人に席を譲らない理由の一つに、立とうとしても却って相手に「まだそんなに老人ではない」と言われるが嫌だから、というのがあるそうだ。人に親切にしても今日のような態度で返される例をみると、若者が席を譲るのに逡巡する気持ちが判らないでもない。他人に親切をするのはつくづく難しいものだと考えさせられる。


私も電車内で席を高齢者に譲ろうとする際に、時々「いや大丈夫です」と断られる事がある。そんな際には「次が私の下車駅ですから遠慮なく」と言って一旦降りるふりをすると、譲れらた方も安心して座ってくれる事が多い。そう云えば電車で思い出したのは、さいきん通勤時に混んでいる車両にベビー用のバギーを折りたたまずに持ち込んでくる親がかなりいるということ。通勤客でいっぱいのドアー付近に、大きなベビーカーが置かれると危険かつ周囲は迷惑なところ、彼らはそんな事は意に介していないようだ。混んだ車内ではなぜ子供をおんぶやだっこし、バギーは折りたたまないのか不思議なのだが、これが少子化社会の風潮なのか。杖の老人しかりラッシュ時のベビーカーもそうだが、社会的弱者である事を逆手に「おやおや!」と思われる行動をする人がまま見られる。こちらも老境に入るにつれ、せいぜいそうならないように注意しなければ、と自戒するところである。

« 保守の真髄 西部邁 | トップページ | 東京マラソン2018 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 保守の真髄 西部邁 | トップページ | 東京マラソン2018 »

2019年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ