皇居 乾通り 一般公開
12月2日(土)から10 日(日)にかけて、普段は入れない皇居の乾通りが、朝の10時~午後2時半の間一般に公開されている。宮内庁ホームページによると平成26年の天皇陛下傘寿を記念して乾通りを公開したところ好評だったため、以後、春の桜と秋の紅葉の時期に公開されていると云う。途中、開催されないシーズンがあったものの今回で5回目の公開となるそうで、この時期は我ら皇居ランナーたちは、押し寄せる人波によって周辺の通行規制が行われるために走るのが難しくなる。それなら今度はこちらが見学せねばと、小春日和の今日は、会社の昼休みを利用して乾通りに行ってみた。
皇居前広場に向かう道は、平日とあってそれほどすごい人出はないものの、ふと見れば周囲は元気な老人でいっぱいで、さながら日本の社会を象徴しているかのようだ。といってもこちらも国の基準ではその高齢者になるから、近辺の丸の内や大手町あたりで働いている若者から見れば同じ部類なのかもしれないが。隊列に従って入口になる坂下門に向けぞろぞろと歩いて行くと、周囲には警察犬も配置されてものものしい警戒体制である。アメリカの空港並みに警備厳重な荷物検査やボディチェックを受けてやっと坂下門をくぐると、そこからは普段は入れない聖地に来た様な気がして何やらわくわくしてきた。
坂下門を入ってすぐに見えてくるのが先の皇室会議でニュースに盛んに登場した宮内庁であった。そのすぐ左が正月の一般参賀でおなじみの長和殿で、この辺りからふと後ろを振り返ると東京駅周辺の高層ビル群がにょっきりと木々の上から姿をのぞかせている。ついこの前までは皇居を見おろす建物は不敬という事で、丸の内のビル街が9階建てになっていたものだが、たしかにまだ建て替えられていない帝劇ビルなどはこちらからよく見えない。なるほどあの高さ規制は往時として意味あるものだったのかと、ここに来てみて初めて判った気がしてきた。
左に吹上御苑、右手に蓮池堀や皇居東御苑の石垣を見つつ、皇居を貫く乾通りをそぞろ歩くと、紅葉した多くの木々のほかに冬に咲く桜なども見る事ができる。東京のど真ん中とは思えぬ景色を堪能しつつ、太田道灌が江戸に城を築く際に堀ったといわれる道灌堀などを見て歩くうち、あっという間に出口である乾門についてしまった。距離にして僅か1キロたらずの見学だから、正直言えば大きな期待に反してちょっと短すぎてあっけなっかたというのが感想である。それでも皇居の周囲をいつもグルグル走っていながら垣間見る事もできなかった「近くて異次元なワールド」に初めて踏み入れることができて、皇居への親近感もより強まった気がしたのだった。
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